夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

この時節の現役時代を思い馳せると・・♪

2008-12-07 14:45:27 | 定年後の思い
私は年金生活の5年生で、64歳の身であり、
先ほどまで、スーパーの特売で2往復したりしていた。
東京郊外は、ときおり吹く風は冷たいが、澄み切った冬晴れとなっている。

そして午後から予定していた庭の手入れは、
庭は落ち葉を掃き清めたりするつもりであったが、
ときおり吹く風で、周辺に散乱してしまうので、
やむえず来週のなかばに順延したのである。

煎茶を淹れて、モミジの真紅に彩られ情景を眺めたりしていると、
世間の多くの方たちはボーナス、お歳暮、忘年会などの時節で、
その上、何かと業務も年度末を迎えているので、
現役の方たちはお忙しく、心身お疲れとなっているが、
頑張られているのではないかしら、と思ったりしたのである。

私も現役時代は数多くの人たちと同様に、
特にこの時節は、睡眠時間を削り、奮闘していたひとりである。

このような思いをしていた時、
私の現役時代に於いて、この師走のなかば頃の思い出も、
このサイトで綴ってきたので、先ほど読み返し、独り苦笑したのである。



第一話  【お歳暮の頃の想いで・・♪ 】  
                       《初投稿日2006年12月2日》

私の現役時代に、お歳暮などの社交辞令は苦手であったので、
なるべく避けていた。

不得意な私でも、人生の岐路にたたされた時、
或いは救いの手を差しのべて下さった方には感謝して、
年賀状を送信し、お中元、お歳暮の時はご自宅に訪問させて頂いた。

私の就職、結婚の時は、特にご尽力を頂いて、感謝している方である。

私が入社した時には、ある大手の会社の首脳陣のひとりであったが、
ご自宅に訪問した折、温かなまなざしで私に応対してくれた。
奥様もさりげなくつつみこんで下さり、
このご夫婦から高潔さを私達夫婦は教示を受けた。

このような形を25年過ぎれば、私も歳を重ねたが、
このお方からは素養が格段違う、と私共は実感している。

私の定年退職の時、私の日常生活ではとても口に出来ない美酒を頂戴した後、
まもなくご高齢であったので、亡くなわれた。

告別式に私共夫婦は参列させて頂き、改めて高潔なお人であった、
と思い馳(はせた)りした。



第二話  【私なりのボーナスの想いで・・♪】  
                        《初投稿日2007年12月11日》

昨日のニュースで官公庁の冬季のボーナスが支給され、
民間会社の多くも既に支給された会社もある、と報じられ、
私は微苦笑したりしていた。


私は中小業の民間会社を卒業した年金生活の4年生の身であるので、
あの頃は、ボーナスを頂いた時が想いだされた・・。

20代の頃の独身時代は、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、通勤靴、通勤バックなどを買い揃えて、
母に幾ばくかを手渡し、そして呑み屋さんに通っても、程々の貯金が出来た。

30代の初め、結婚し、賃貸マンションに入居するまで、
無知な私は結構お金を要する、と実家の長兄から、ある程度の額を借用したので、
ボーナスの度に返済した。
この二年間の期間は、返済していても、多少の貯蓄は出来た。

この後、私は実家の近くに一戸建てをするのであるが、
土地、住宅建築まで多大な経費となり、
住宅金融公庫を根底とし、幾つかの金融機関からローンを設定した。

このローンが50代の初めの頃まで、
ボーナスを頂く度に30%前後を返済していた。

私達夫婦は子供に恵まれなかったけれど、
住宅に関する購入は、一介のサラリーマンとしては人生で一番高い買物かしら、
と心身実感させられた時代であった。

50代の初め、ローンの一括返済をした後、
老後の人生設計の基礎となす資金の為、貯蓄を大半し、定年退職を迎えた。

このようなボーナスを頂くたびの軌跡であったが、
どなたも同じと思われるが、サラリーマンの現役時代には大波、小波に遭遇し、
家内と何とか乗り切り、今日を迎えているのである。

私は築後30年の古惚けた家に住み、
程々の広さの庭で、樹木を眺めながら、あんな時代もあった、
と思いを馳(は)せたりしている。

尚、私は家内を戦友と思っている。
人生の過ごす時に公私共々何かと確執があったりするので、
私達夫婦は互いの欠点を補(おぎな)いながら寝食を共にし、
無条件に寄り掛かれる随一の人、と実感しているからである。



第三話   【『サイレント・イヴ』の想いで・・♪ 】
                           《初投稿日2007年12月24日》
私は、定年退職後の4年生の身であるが、
この時節、ときおり辛島美登里の『サイレント・イヴ』がテレビ、ラジオで聴いたりすると、
苦く懐かしい想いでが甦(よみが)ってくる・・。

私の現役時代、あるレコード会社の情報管理畑に勤務していたが、
リストラの影響で不馴れな経理畑に人事異動させられ、
その上、レコード会社の統廃合が行われ、
私は当然睡眠時間を削り、奮闘していた時代であった。

そして、統廃合で社員の交流をお互いに深め、
目先の不馴れな業務に励んでいたので、
心身疲れきっていたのである・・。

こうした折、12月の初め、統廃合で知り合った後輩の人から、
私の机上に一枚のCDアルバムを置いていった。

『昨年に発売したのですが、よかったら聴いて下さい』
とメモが綴られていた。

『Keep Christmas With You』というアルバムのタイトルで、
CDのジャケットが洒落ていた。
初回限定 特製スノープレート付きと明示され、ジャケットを少し振ると、
森の中に拓かれ大きな樅(モミ)の樹の周辺に雪が降るのであった。

そして辛島美登里の『サイレント・イヴ』、稲垣潤一の『メリー・クリスマスが言えない』、
永井真理子の『ZUTTO~Xmaz Version~』等が収録されていた。

その後、まもなくお歳暮の挨拶を家内と数軒廻っている時、
疲れたので喫茶店で休息をしていた時、


♪真白な粉雪 人は立ち止まり
 心が求める場所を 思い出すの

【 『サイレント・イヴ』 作詞・作曲 辛島美登里 】


店内から流れてきた。

私は、もう少ししたらクリスマスかょ、と心の中で呟(つぶや)いて、
歳末の仕事納めの日まで、数多くの業務を思案すれば、
尚更ぐったりと心身の疲れが増してきた・・。


私にとっては、今でもこの曲を聴くたびに、
現役時代で一番労苦の多い時だった、と想いだしたりしている。




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