夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

老人漂流社会の時代の中、働いて下さる諸兄諸姉も、人生設計を大幅に変動が余儀なくされ・・。

2015-12-14 13:52:03 | ささやかな古稀からの思い
私は中小企業の会社に35年近く勤めて、2004年〈平成16年〉の秋に定年退職し、
定年退職後、多々の理由で年金生活を始めて、丸11年が過ぎ、早や12年生の身である。

そして私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭に築後37年の古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。
       
年金生活の我が家の基本は、厚生年金、わずかな企業年金を頂き、通常の生活費するのが原則としている。
しかし共通の趣味のひとつである国内旅行、或いは冠婚葬祭などの思いがけない出費などに関し、
程々の貯金を取り崩して生活している。

こうした中で、私たち夫婦は経済的に贅沢な生活は出来ないが、
働らなくても何とか生活ができるので助かるわ、
と家内がときおり、 呟(つぶや)くように私に言ったりするので、私は苦笑したりする時もある。
           

昨年9月頃に、NHKスペシャル番組『老人漂流社会~“老後破産”の現実~』を私は視聴して、
高齢者の一部の悲惨な実態に、動震させられたりした。

この番組をプロデュースされた板垣淑子(いたがき・よしこ)さんの言葉をお借りすれば、
《・・長生きをするお年寄りが安心して暮らせないばかりか、長寿を呪いながら生きなければならない過酷な現実。
今、老後に漠然とした不安を抱いている人は少なくない。
しかし、本当に自分の親や身近な人が「老後破産」に陥りかねないことを想像できるだろうか。
「こんな老後になるとは思わなかった・・」

そしてそして「老後破産」に陥った高齢者が同じように口にする言葉――。
「生きていてもしかたない。死んでしまいたい」・・》

こうした中で、《・・「年金は毎月16万円もらっていますが、出費は16万円を超えるのです。
それでも贅沢しているわけではありません。
医療や介護を節約すれば、私の場合、死しかありません」(70代男性)・・》

そしてプロデュースされた板垣淑子さんは、《・・「老後破産」はもはや対岸の火事ではない。誰の未来にも起こり得る現実だ。
老後にどう備えればいいのか――それを考えるためにも、まず現実を直視することから始めて欲しい。
そして取材をまとめた『老後破産―長寿という悪夢―』に描かれた現実は、私たちのすぐそばで起きている日常なのだ。・・》
と提示されていた。


過ぎし2011年(平成23年)の7月下旬のある日、
いつものように午前中のひとときに、駅前のスーパーに向かい買物に行った。

その後はいつものように本屋に立ち寄った時、過日の読売新聞の出版広告で、
たまたま中央公論新社の新書本の案内のひとつで、
西垣千春・著作の『老後の生活破綻 ~身近に潜むリスクと解決策~』を知り、
いずれは読んでおきたいと感じたりしたことを思い出して、本書を手に取ったのである。
            

そして解説文を読んだりした・・。
《・・認知症、病気、詐欺、事故、子どもの失業――老後の生活にはさまざまなリスクが潜んでいる。
そして一度問題が生じると、周囲に気づかれないまま生活が破綻してしまうことも、
現代の日本社会では少なくない。
高齢者を助けるサービスはたくさんあるのに、なぜ十分に活用されないのか。
苦しむ高齢者を一人でも減らすため、また、自分や家族がそうした事態に陥らないために、何が必要なのか。
豊富な実例とともに考える。・・》

そして私は帰宅後、最優先に読み終えた後は、
長い老後を安らかに生きる為の教科書のひとつだ、と心の中で呟(つぶや)いたりした。

本書の中では、《高齢社会の現実》の章に於いては、《高齢化の特徴》、《健康》、《血縁と地縁》、《家計》、
《事例で見る生活破綻》の章に於いては、《判断力の低下》、《健康状態の変化》、《予期せぬ事故・災害》など、
或いは《高齢者特有のリスク》の章に於いては、《生活破綻の実態》、《セルフマネジメント能力の低下》、《人間関係の変化》など、
そして終章の《高齢者の生活破綻を防ぐために》に於いては、多々実例を記載されている。

こうした本書は、齢を重ねた高齢者にとっては、誰しもが避けて通れない切実な難題が明記されている。
                    

私たち夫婦は、幸運にも大病に遭遇せずに今日まで至っている。
医院にお世話になったのは、私たち夫婦はお互いに歯が劣化して、
歯科医院に幾たびか治療を受けてきたぐらいである。

或いは私が2010年〈平成22年〉の秋の健康診断で糖尿病と明示されて以来、
食事の内容はもとより、ひたすら歩き廻ったりして大幅に改善されている。
そして11月には、私は白内障で両眼を手術して、鮮やかな視界に戸惑いながらも幸運を深めたりしている。

このように年金生活で、生活破綻だけは回避致したく注意してきた・・。
           

私は昨夜のひととき、私が愛読している新潮社の基幹サイトのひとつの【ディリー新潮】を見たりし、
《 30~40代での住宅ローン返済計画が「老後破産」を招く!  
             激増する「老後破産」(1) 》と見出しを見て、
どのようなことですか・・と思いながらクリックして、 精読した・・。

この原文は『週刊新潮』の2015年9月19日号に掲載された記事であり、
無断ながら記事を転載させて頂く。
               
《・・少子高齢化が叫ばれはじめてからというもの、われわれの人生設計に、前例がまったく適用できなくなってしまった。
たとえば、20年ほど前までは、会社員が定年まで勤め上げれば、退職金と年金で、まずまずの老後をすごすことができ、
そのことが働き手にとってのインセンティブになっていた。

ところが、年功序列で増え続けるはずだった給与も賞与も伸び悩んだ挙句、退職金も雀の涙。
年金も支給開始年齢を引き上げられたうえ、思ったほどの金額を受け取れない――と、
そんな“残酷物語”こそが“一般的”になっているのだ。

いや、それでも、つましい暮らしを維持できればいいが……。
『老後破産 長寿という悪夢』(新潮社刊)という本が今、話題を呼んでいるが、
事実、昨日まで豊かに暮らしていた人が“破産”同様に追い込まれ、
“悪夢”としか言いようがない老後を送るケースが、もはや珍しくないのである。
           

■住宅ローンの返済計画が破綻

その要因について、「年金の受給額が年々減っていることが大きい」
と解説するのは、ファイナンシャル・プランナーの紀平正幸氏である。

「夫婦2人の場合、20年前の受給額は平均して年金300万円だったのが、現在は220万円になったと言われる。
つまり、3割近く減ったのです。
ところが生活費は、ここ20年ほど年間300万円で変わっていません。
つまり、普通に生活するだけで、1年で80万円の赤字になってしまいます。
60歳の夫婦が90歳まで生きれば、2400万円の赤字が確定するんです」

むろん、赤字を補える資産があればいい。だが、それが十分でない場合は、
「退職金で補填することになりますが、サラリーマンの退職金は平均して2200万円ほど。
すでに200万円不足しているわけですから、潜在的な老後破産予備軍は、かなりの数に上ると考えられます」

そして、そのすべてを注ぎ込んでも、今や老後の最低限の生活を補うには至らないとはいえ、
退職金は、「手をつけてはいけない老後の命綱」なのだから、
「住宅ローンの返済に充ててしまったら、その分だけ命綱がやせ細り、老後破産が近づいてしまいます」と紀平氏。

あえてそう指摘するからには、退職金をローンの返済に充てなければ、首が回らない人が、それだけ多いのだ。
住宅ローン問題支援ネットの高橋愛子代表も、こう語る。

「今、相談が多いのは、バブル崩壊後にローンを組んだ方が、老後まで返済を引きずってしまい、どうしようかというケースです。
若いときに何とかなると思って、70歳や75歳まで支払いが続く、
30年や35年のローンを安易に組んでしまった方が少なくありません。

特にバブル崩壊後は低金利になり、不動産価格も下がったので、
まさかこんなに景気が悪くなるとは思わずに、今しか買えないと飛びついた人が多い」

そこで退職金を充てれば、ローンはなくなっても、今度は生活ができないという。

「1992~98年に、30代から40代でローンを組んだ人が、今ちょうど60歳前後で、
多くの場合、残債が1000万円以上あり、300万か400万、多い人は1000万円を超える債務超過になっています。
すると借り換えも、家を売ることもできず、競売しかない、自己破産しかない、と考えてしまうのです」

とまれ、実際に追い詰められた人の例を参照するに如くはないだろう。
           

■夫婦のどちらかが病気に

「大学卒業後、大阪のインテリアの会社に入り、東京に転勤になりまして」
と語り出した下山芳樹さん(65)=仮名=は、上司が立ち上げた新会社に転籍した際、
世田谷区の借り上げ社宅を出て、埼玉県東部に移ったという。

「埼玉でも家賃補助を受けましたが、社長が辞める際に転職した。
もう家賃補助は期待できず、ちょうど消費税が3%から5%に上がる直前でもあり、
家を買うなら今しかないと、同じ市内に、敷地30坪ほどの建売住宅を3800万円で買いました。

実家の土地を処分して頭金500万円を作り、残り3300万円を、月額16万円の35年ローンで支払うことにしました」

このとき下山さんは46歳。転職先の月給は手取り30万円強だが、
看護師の妻の収入も加えれば、支払いに支障はなかったという。

だが、「貯蓄に回す余裕はないまま、10年ほど前、妻が重い喘息を患いました。
毎年春と秋に10~20日、長いときは1カ月以上入院するようになり、1回の入院代も30万~80万円に。

医療保険にも入っておらず、妻が働けない分、収入も減りました。
そのうえ、6年前に私が会社の営業車で事故を起こし、給料から5万円が天引きされるようになってから、ローンの遅延が生じるようになりました。

翌月や翌々月にまとめて払うことを繰り返し、ついに一昨年、住宅金融支援機構からローンの支払い停止を告げられ、
自宅の任意売却を勧められて、今年4月、ついに1200万円で売りました」

家賃10万円の賃貸住宅に移ったが、売却した家の残債がなお1800万円あり、現在、自己破産の手続き申請を検討中だという。

「私は現在、医療関係の配達業に携わり、月収が手取り25万円ほどあり、
パートで看護師を続けている女房の収入と合わせると、45万円ほどになります。

しかし、ローンを支払うと貯蓄する余裕はまったくなく、
私が病気になったり、また事故を起こしたりしたら、生活は破綻する。生活保護も視野に入れています」

事故、病気――。誰もが襲われかねないのに、多くの人が想定しない不慮の事態に見舞われたときには、すでに引き返せないのだ。
           

■これから住宅ローンを組む人は注意

恐ろしいのは、これから住宅ローンを組む人こそが、こうした陥穽にハマる危険性が高いということだ。
ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏が言う。

「昨今、給料のピークが若年化し、昔は定年間際が一番高かったのが、最近は50代前半から40代に移っている。
2年前の法改正で、社員が働きたいと希望すれば、会社は65歳まで雇わなければならなくなりましたが、
会社は生涯賃金の総額は変えずに、65歳までにならす賃金体系に変えています。

その結果、毎年の年収は減るので、20年で完済するローンは組みにくい。
そこで月々の返済額を減らそうと、70歳や75歳までのローンを組んでしまいがちですが、
退職金も右肩下がりで下がっているので、返すに返せません」

老後破産予備軍は、さらに増え続けかねないことを示唆するのである。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
           

今回の記事を読み、《・・バブル崩壊後にローンを組んだ方が、老後まで返済を引きずってしまい、どうしようかというケースです。
若いときに何とかなると思って、70歳や75歳まで支払いが続く、
30年や35年のローンを安易に組んでしまった方が少なくありません。

特にバブル崩壊後は低金利になり、不動産価格も下がったので、
まさかこんなに景気が悪くなるとは思わずに、今しか買えないと飛びついた人が多い」

そこで退職金を充てれば、ローンはなくなっても、今度は生活ができないという。

「1992~98年に、30代から40代でローンを組んだ人が、今ちょうど60歳前後で、
多くの場合、残債が1000万円以上あり、300万か400万、多い人は1000万円を超える債務超過になっています。
すると借り換えも、家を売ることもできず、競売しかない、自己破産しかない、と考えてしまうのです」・・》
と時代に翻弄されて、家を買い求めて、悲惨な実態を学んだりしてた・・。
           

私は30代の初め、結婚し、賃貸マンションで2年ばかり新婚生活を過ごした後、
私は生家の近くに一戸建てをして、土地、住宅建築まで多大な経費となり、
その上に何かと単細胞の私は、若さの勢いで家屋の中に茶室を設けたりした。

こうした根底には、家内は中学生から茶事を学んできたので、どうせ借入をするのだから、
多少多くなっても大勢に影響がないと、高揚しながら、
住宅金融公庫を根底とし、幾つかの金融機関からローンを設定したりした。

こうした関係もあり、このローンが50代の初めの頃まで、
月々の返済はもとより、ボーナス時期に若い時は30%前後、その後の40代は25%前後を返済していた。

この中で最初の2年間は、何かと家廻りの出費が多く家計は赤字となり、
私は蒼色吐息のような孤軍奮闘していたが、
結婚してから専業主婦だった家内は、状況を察して、デパートの和服売り場で契約社員として働き、
我が家の2年間の家計に、多大に貢献してくれたことも事実であった。

こうした私としては困窮してしまった2年間であり、
住宅に関する購入は、普通のサラリーマンの身としては、人生で一番高い買物かしら、
と心身実感させられた時代であった。

50代の初め、遅ればせながらローンの一括返済をした後、
老後の人生設計の基礎となす資金の為、貯蓄を大半し、定年退職を迎えた。

そして世の中の多く人たちから、人生の3大支出は教育資金、住宅資金、老後資金と教示されたが、
私たち夫婦は無念ながら子供に恵まれなく、「教育資金」は不要となったので、
50代の初め、住宅に関するローンの返済を終わり、そして程ほどの預貯金ができ、
定年した直後から年金生活を開始ができたのも確かなことである。
           

今回の記事で、《・・「昨今、給料のピークが若年化し、昔は定年間際が一番高かったのが、最近は50代前半から40代に移っている。
2年前の法改正で、社員が働きたいと希望すれば、会社は65歳まで雇わなければならなくなりましたが、
会社は生涯賃金の総額は変えずに、65歳までにならす賃金体系に変えています。

その結果、毎年の年収は減るので、20年で完済するローンは組みにくい。
そこで月々の返済額を減らそうと、70歳や75歳までのローンを組んでしまいがちですが、
退職金も右肩下がりで下がっているので、返すに返せません」・・》


私は中小業が多い音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めて、
2004年(平成16年)の秋に定年退職となった身であり、
外資系でも年功序列が少し残る中、給与は年齢給と成果給で構成され、成果給の比率は多かったが、
同僚たちと驚くほどは差異がなかった時代であった。

しかしながら幾たびリストラに遭遇し人員整理されたり、或いはレコード会社の統廃合などあったりし、
最後の5年半は、リストラ烈風の中、はかなくも出向となったりした。

こうした中で、レコード会社の先輩、同僚、後輩の一部は、やむなく退職を余儀なくされ、
私は何とか2004年(平成16年)秋に定年退職を迎えることができたが、
敗残者のようなサラリーマン航路を過ごした。

ここ10数年、短期に成果が問われ加速され、常時リストラ時代の過酷の中、
たとえ正社員でも年収が大幅に差異がある、と学んだりしてきた。
たとえば同年齢であっても、ひとりが1000万円以上、残りの4人は400万円前後と知り、
一強四弱の熾烈なサラリーマン時代、と私は強く感じながら、無力ながら憂いたりしてきた。

こうした中、定年は65歳と政府は民間会社に奨励している昨今、
《・・会社は生涯賃金の総額は変えずに、65歳までにならす賃金体系・・》に、
サラリーマン諸兄諸姉は、教育資金、住宅資金、老後資金などの人生設計を大幅に変動が余儀なくされることに、
無力ながらも慟哭させられた・・。
           

私たち夫婦は38年寝食を共にしてきた結婚生活の中で、幾重かの人生の荒波を乗り越えてきたが、
ここ10年の年金生活は安楽の日々を過ごしている。

しかしながら、いつの日にか私たちのいずれかが難病に遭遇したり、或いは認知症になり、
晩年期は大きく人生航路を変更を余儀なくされる・・。
或いは私か家内が死去し、残された方がどのような難題に遭遇するかもしれない。

今回の記事を読み終わった後、不意にアクシデントに遭遇され、悲惨な生活実態に私は悲嘆を重ねたり、
働いて下さるサラリーマン諸兄諸姉の人生設計が、大幅に変動が余儀なくされることに、慟哭させられたりした・・。

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