備忘録として

タイトルのまま

ペルセウス

2010-05-09 16:32:15 | 西洋史
 先週、映画”タイタンの戦い”2010年を観た。暗い戦闘場面の連続とアバターと同じく場面転換が早く疲れた。3Dについていけないのは歳の所為か? 映画館から帰ってすぐに昔シンガポールで買った1981年英語版”タイタンの戦い”を観た。こちらはリメイク元で、モンスターが一コマ毎にカクカク動きリアルさやスピード感には欠けるのだが、ひとつひとつのエピソードが丁寧に語られ判り易い。1981年版の製作者で特撮監督のハリーハウゼンのファンタジー映画は大好きだったので、”シンドバッド”シリーズ、”アルゴ探検隊の冒険”、”恐竜100万年”を観ている。”タイタンの戦い”と同じでモンスターや恐竜がコマ送りでカクカク動くが、中でも”アルゴ探検隊~”の遺跡で骸骨と戦うシーンの不思議な迫力と”恐竜100万年”のラクウェル・ウェルチ(これは生身の女性)の無言の演技(艶技?)は当時の中学生には眩しかった。ハリーハウゼンの映画はファンタジー映画に分類できるが、リメイクの2010年版は完全にアクション映画である。写真はメデゥーサの生首を持つペルセウスの星座(Wiki英語版より)である。北の夜空には、ペルセウス座の周りをカシオペア、アンドロメダ、ペガサスなど映画に登場する主人公たちの星座が取り囲んでいる。
 
 手元にあるT.ブルフィンチ著「ギリシャ神話と英雄伝説(上下)」によるペルセウスの冒険は映画のストーリーとは少し違う。本のペルセウスは、
 1.アンドロメダに出会う前にメドゥーサを退治する
 2.海の怪物退治はメドゥーサの生首を使うのではなく剣による
 3.ペガサスではなく翼のついた靴で空を駆ける
さらに、
 4.アトラスをメドゥーサの生首で石に変えたことで、アトラス(地図)は大地を支えることになる。
 5.醜いカリボスは神話には出てこない
 6.カシオペアは娘アンドロメダの美貌ではなく自分の美貌を自慢する
 
 1981年版で機械仕掛けのフクロウのブーボーが一役買い可愛い動きを見せるが、2010年版ではちらっと姿を見せただけで何もせずに消えてしまう。下の写真はネットで見つけた通販のブーボーのフィギュアーで、マニアがいるらしい。

 ブーボーは炎と鍛冶の神ヘーパイストスが作ったことになっていたが、神話のヘーパイストスは他にゼウスの雷、アポロンの矢、アキレウスの武具を作り、さらにあのパンドラの箱のパンドラ(人間の女)を作ったのもヘーパイストスである。

 ”タイタンの戦い”1981年 監督:デズモンド・デイヴィス、製作:チャールズ・H・シニア、レイ・ハリーハウゼン、脚本:ビバーリー・クロス、出演:ハリー・ハムリン、ジュディ・バウカー、ローレンス・オリビエ ハリーポッターのホグワーツ魔法学校のマクゴナガル先生のマギー・スミスが女神テティス役だった。現在の感覚では稚拙な特撮だが、丁寧なストーリー展開とファンタジー性に加え、昔観た時の感動を嘉して、★★★★☆
注:今読んでる司馬遷の史記世家各章の太史公自序の”~を嘉して”からパクッた。太史公は司馬遷のことで、このように人物評や歴史評をしている。

 ”タイタンの戦い”2010年 監督:ルイ・レテリエ、出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ ギリシャ神話を題材にした作品なのにファンタジー性を失い前作の良さが出せなかったことと3Dに疲れたので、★★☆☆☆

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