中国の軍事費は毎年増強されている。今や世界第2位になった中国の軍隊、それでもなお軍事費の増強をしているのだ。軍事費の増強を止められないのに、何故か中国全土を蔽うスモッグを無くすことは出来ないでいる。軍事費の半分でもスモッグ対策に投入すれば10年位でスモッグを消すことが出来るのではないか。今の中国の経済力から考えたらできないことは決してないはずだ。
しかし、中国政府はスモッグ対策に国ぐるみで取り組もうとしない。このまま行くと中国人民の健康被害は悪化を辿るのではないか。今は何も解らないが、10年後、20年後の人民の健康は完全に蝕まれているはずだ。少なくとも、この問題は国ぐるみで取り組まない限り解決することは出来ないだろう。企業に任せていれば、スモッグ対策に掛る費用が増大して企業は立ちいかなくなる。
企業の利益を守ることを優先している中国政府には未来のことなど関係ないと見ている。現在の政府首脳人は20年後には完全に引退しており、次の世代に交代している。従って現在の政府首脳人をはじめ、共産党幹部たちは腹が痛まない。可哀想なのは現在の若者たちをこれから生まれてくる子供たちだ。健康を蝕んでいる若者たちから生まれてくる子供たちの健康状態はどうなのだろうか。
問題は、中国政府がお金を出せば環境破壊を食い止めることが出来るのか、という事だ。中国には環境防止技術がどれほどあるのか。化学工業の中でも環境に関する技術の開発が中国で進められているかどうか。日本でも過去に経験してきたが、環境を保持するためには開発をするための技術開発を率先してやってきた。お金だけでは中々解決できない。技術開発は基礎からしっかりと進めなければならない。
中国の基礎科学に対する考え方がどれほどのものなのか。これからお金を投入するにしても限界がある。日本を含む西欧諸国には過去の投資を行ってきた。そこには莫大な金額を投入している。若しも、中国が日本や西欧の技術を使うなら、それなりのお金を支払わなければならない。タダ乗りをしよう、などという考え方は許されない。知的財産権に関して中国は国際基準に従わなければならない。
少なくとも、世界の技術を駆使すれば中国のスモッグは解消できる。中国が金を支払うかどうかである。対価なしにやろう、などという浅はかな考え方は許されないのだ。