自民党は地方創生法案を出すことになった。都市への集中を是正しようというのである。しかし、この都市型になったのは小泉内閣の時ではなかったか。所謂、地方を切り捨てて都市へ集中させ効率化を図ったのではなかったか。同じ自民党が僅か10年くらいで何故地方に対する政策を何故180度転換しなければならなくなったのか。地方が切り捨てられた結果、過疎化が進み多くの人が都市部へ移動してきた。過疎地に残ったのは高齢者ばかりで、若い人は過疎地から消えてしまった。
このような政策をしてきた議員たちは、なぜ今急に政策転換しようとしているのか。確かに過疎地が増えて、都市に人が集中している。既に都市部で仕事を得た人たちは今更過疎地に行くことがどうしてできるのか。地方創生というが、それほど簡単には仕事を作ることはできない。工業団地、商業団地、など企業誘致をするにも人をどのように集めるか、という事だ。
工業団地、商業団地を作れば人が自然に集まるわけではない。社会活動全てが軌道に乗らないと、人は生活できない。一番いい例が大震災になった東北地方である。震災後、震災復興が遅れたり行われなかったために、若い人たちは自分が住んでいた場所を離れてしまった。職がなければ生活が出来ない。職を求めて震災がなかった場所へ移動したわけだ。今震災復興がようやく出来つつあるが、人は戻ってこない。既に職を得ていて簡単には変われないからだ。
地方創生も同じことが言える。国が幾ら進めても本当にそこが生活をする基盤になっているのか、という事だ。国が勧める政策にはいつも疑問が出る。それは10年も経つと今までやっていた政策がころりと変わることがあるからだ。公務員は楽である。何処に移動しても構わないが、民間企業はそうはいかない。都市集中を進めてきた国が地方分散を口にしても簡単に乗ることは難しい。
地方が活性化することは良いに決まっている。国民が今までに、そのように考えていたが、政府が都市集中を推し進めてきたから地方の人たちは何も手立てが立たなかった。国が突然地方分散を打出して直ぐに出来るとは思えないのだ。信用しろ、と云っても簡単ではない。