尖閣諸島を巡って中国は過去の歴史に遡ることを考えているようだ。そうなると、尖閣諸島だけに限らない。中国が現在保有している領土すべてについて遡る必要が出てくる。満州、内モンゴール、ウィグル自治区、チベット自治区、台湾、香港、などである。明代まで遡るとしたら、相当の領土を失うことになるはずだ。もしかすると、万里の長城の北側はすべて他国の領土になるかもしれない。今の中国の領土は半分以下になるであろう。
領土に関しては、過去に遡ることは極めて難しい。そうなると、領土(あるいは国)とは何か、という問題になってしまう。世界中、至る所で領土の再分配をしなければならなくなる。5000年前まで遡れば、嘗てのローマ帝国にまで行くことになるだろう。ここまで書くと、滑稽になってしまう。中国の言わんとするところは、何が何でも領土は欲しい、ということに尽きる。領土拡大路線がこれからも続くとしたら、第3次世界大戦が起きてもおかしくはなくなる。
大中華帝国を夢見ている中華民族の欲望はどこまで続くのだろう。世界の人口の多くを中華民族が占めているからと言って、他民族を絶滅してまで、奴隷にしてまで世界を征服したいのだろうか。歴史を遡れば、中華民族の繁栄があったことは認める。しかし、近代になって、戦争を無くそうと世界が努力しているのに、領土拡大路線を引っ提げて他国に軍事力を見せつけてまで領土を分捕ろうというのか。馬鹿なことを考えている民族だと思わないのだろうか。
中国は自分の気に入った時期にリセットしたいと思っている。しかし、それは虫が良すぎる。もし、中国が、明の時代の尖閣諸島に戻すというのなら、中国の領土のすべてを明の時代に戻すべきだ。そのようにするなら日本人もある程度は納得するかもしれない。尖閣諸島だけ明の時代に戻すというのは身勝手としか言えない。世界中で、そんな理屈は通らない。
自己の欲望に任せて、他国の領土を奪い取ろうとする中国、幼稚園生の考え方よりひどい。もう少しましな国になってほしい。