小選挙区制になってから、政治が極めておかしくなった。2大政党制を見込んでの制度変更であったのだが、小選挙区制によって政治家も政治そのものもおかしくなった。日本には小選挙区制が馴染まないのではないか。選挙民も小選挙区制になってから小さな事ばかりが目につくようになり、大局に立ったものの考え方が出来なくなった。考え方が小さくなった。国全体のことを考えなくなり、自分の住んでいる所だけしか見えなくなった。そのために、国が益々小さくなり、国際的にも日本が戦えなくなってきた。
政治が国を動かす、という考え方は殆ど見えなくなってしまった。確かに小さな政府を目指すことは悪いことではないかもしれないが、世界と戦わなければならない時に、政治家自身が小さくなってしまっては国際舞台では何もできない。隣国との関係でも、恐喝のようなことをされても何もできないようでは、国として恥ずかしいことである。日本の領土を平気で侵略する隣国に対しては厳しい態度で臨むべきなのに、何も手出しをしないのはおかしいのである。
今の政権政党が果たして日本を本当に救うのかは何とも言えないが、小選挙区で勝ち取った政治家が果たして、どこまで日本のために戦ってくれるかである。この選挙制度をこれからもずっと進めるのは、問題が大きい。選挙民の意見が政治に届けられているとは思えないからである。「死に票」と言われているものが多いのは、この選挙制度の最大の欠点である。制度の見直しをするとすれば、中選挙区制に戻すことではないだろうか。2大政党制を前提に考えた今の選挙制度が本当の民主主義に適っているかどうかである。
「死に票」を少なくするためには中選挙区制の方が良いと考えられる。比例代表制を残すかどうかは何とも言えないところだが、死に票を少なくしようというのなら残してもいいかもしれない。民主主義の原則は多数決である。最初から多数決にそぐわない制度では民主主義そのものが崩壊してしまう。日本は独裁政治ではないのだから、国民の意見をできるだけ多く吸い取ることが出来る制度にすることが必要である。制度の欠陥を改める勇気を国会議員が持たなければどうしようもない。国会議員にそのような意識があるのかどうかである。今回国会議員に返り咲いた石原慎太郎氏は、小選挙区制度を批判している。中選挙区制度にするかどうかは何も述べていないが、是非とも聞きたいところだ。
最後に、今回の選挙で選挙区によっては選択肢が殆どないところが出てきた。選挙民は、より多くの選択肢を与えられてこそ民主主義が達成される。選択肢を奪われた選挙民は、白票を投じるか棄権するしかなくなる。これは誤った民主主義になってしまう。日本は中国と違って独裁国家ではないのである。政治家の都合で投票権を奪うようなことをしてはならない。民主主義の崩壊を招く。