中国の特権階級、何処の国にもある程度はあるかもしれない特権階級、中国の特権階級はその比ではない。警察、官僚、共産党幹部、企業経営者など多くの特権階級を生み出している。この数、人口のどの位に当たるのだろうか。全てを合わせると3%は下らないのっではないか。ということは、4000万人くらいか。全くの推測の数字であるが、このくらいの特権階級がいてもおかしくはない。何しろ人口13億人もいるのだから。特権階級のうちでも最も強い階級は何と言っても共産党幹部であろう。中央政府は勿論だが、省の共産党幹部も強い権力を保持している。
政府中央と各省との結びつきは極めて強い絆で結ばれている。全人代の代表は各省から選ばれるのである。省の力の強さによっては中央政府のトップクラスとも結びつきを持っている。省のトップ或いは大都市の党幹部は将来の中央政府の幹部としても登用されている。共産党幹部は中国では天国のような存在である。省における共産党幹部になれば、目の前には明るい未来が開けてくる。但し、中央政府にも派閥があり、その派閥に乗れなければ、そこでお仕舞となる。
共産党幹部になれば、そこにはお金のなる木が出来たようなものである。お金が自然と党幹部に集まってくる。特に企業経営者にとっては、中央政府が推し進める産業が自分の事業に関係するかどうかで将来が決まってしまう。党幹部との結びつきは企業経営者にとっては最も重要なことなのである。普段から付け届けは勿論のこと、幹部の家族との結びつき、友人関係にまで様々な手を使って賄賂を提供していく。将来への投資だと思えば賄賂など容易いものである。
党幹部へお金が集中する仕組みは、中央政府の幹部も全く同じシステムで起きている。お金が自動的に共産党幹部に集中するような仕組みになっているのである。ここで得たお金はどこに行ってしまうのだろうか。当然国内の企業に投資することになるのだが、当然のこと、万が一のことがあったことを考えて海外へ持ち出してしまう。共産党幹部には海外へお金を持ちだせるルートが敷かれている。現金を持っていくわけではなく、幾つかのルートを経て送金するのである。アメリカやヨーロッパ、或いはスイスの銀行など。無記名債券、投資信託、預金や貴金属など、様々な形で資産の保有を行う。
また、党幹部の子供たちの殆どが海外で教育を受ける。万一本人が何らかの事情で、その地位を退いても子供たちには被害が及ばないようにするためである。特権階級の人間は、もし中国で政変が起きても本人が持っている資産には及ばない。その地位を失っても何とか海外へ逃亡できれば生活は続けられる。中国の特権階級には自国がどのようになろうともあまり関係がないのである。自分たちが良ければ、後はどうなっても構わない、ということだろう。共産党一党独裁の末路は段々と近付いているないか。