中国は共産党一党独裁国家だ。従って共産党の考え方に反する行為は全て一掃される方式になっている。それが人民の考え方に反しても共産党の考え方が優先されるのだ。『米国はなぜ中国高速鉄道を放棄したのか!「あの事故のイメージか?」』という記事を見て、アメリカだけでなく中国の方式が果たして受け入れられるものなのか。中国と同じ共産党一党独裁国家ならば、同じ方法でも受け入れられる可能性は高い。
しかし、民主主義国家において、事件、事故が起きた時に、隠したり埋めたりすることは絶対に許されない。国民が違法行為について厳しく処断する権利を持っているからだ。中国には全ての法律の上に共産党という組織が存在し、全てにおいて共産党が決めている。法律をどのように解釈するか、それも共産党が決めている。司法、立法、行政の上に共産党という組織があり、全ての組織が共産党という匙加減で執り行われているのだ。
今、世界で高速鉄道の建設が立案され、それを何処の国の企業に発注するかで検討が進められている。中国は既に世界で最も長い距離の高速鉄道の運用をしている。しかし、問題は事故が発生した時の対応である。あの事故による列車の埋め込む姿を世界に発信してから、中国では事故が起きたら埋めてしまうのだ、という考え方が通例なのだ、ということが解った。問題は鉄道事故だけではない。
あの天津市での大爆発事故も同じである。あの大爆発で死傷者の数が異様に少ないことから、またしても事故の全貌を隠してしまった、という事が云われている。中国という国は、共産党が全てを決めているため、事件、事故に関しては都合の悪いものは全て隠されている。情報隠ぺいは日常茶飯事である。共産党が事件、事故の情報をどうするか全て決めているからだ。
諸外国で中国と全く同じ方法を取っている国が存在することは確かだ。そのような国では中国が行っている方法に何ら不思議に感じることはないだろう。しかし、民主主義国家の殆ど全ての国では、中国の方式は取り入れることは出来ない。少なくとも三権分立国家であれば中国のようなやり方は出来るはずがないのだ。中国には国際的なスタンダードを使っていない。そんな国が海外で造った鉄道や装置、一体どのようにメンテナンスをするのか。修理をする部品などは中国以外の国から調達が出来ないのだ。そんな基本的なことを中国は絶対に言わない。そこが中国から受注する時の最も大きな問題点なのである。