2016年の驚くほどの大きな出来事は、そのほとんどの実行を今年、2017年に持ち越している。だから、実際の影響がどのようになるかは誰も分からない。しかし、世界が大きく舵を切ったことは確かだ。その一つはアメリカ次期大統領、トランプ氏によるＴＰＰからの脱退だ。世界貿易がグローバル化の流れから、保護主義への流れと逆流を始めた。イギリスのＥＵ離脱も、その逆流の一つだ。中国の経済鈍化は中国の世界進出の勢いを止めるだろう。たぶん、中国は国内問題で手一杯の年になるはずだ。あるテレビ番組で、多くの国が80年周期で、同じような問題にぶつかると表現していたが、80年というのは前期の中心層がリタイアし、新たな若者層が社会に進出してくるサイクルに符合する。日本でも、社会を取り仕切っていた所謂、団塊の世代のほとんどが、あらゆる業界から退いた。残っているのは、一部の政治家と経済人だけだ。あれほどしぶとかった芸能人、司会者などはついに消えた。亡くなった方も多かった。惜しまれてはいるがそれが時代の流れだ。だが、新しい世代が、古い世代と同じような性格や心情を有しているわけではない。日本が長く培ってきた技能などを継承しているわけではない。これが、あの勤勉な日本人かと愕然とすることさえある。逆に、旧世代が、とても成しえないことを、新世代が平然と軽々となすことも事実なのだ。こうして、人類は進歩するのだが、その人たちは私たちが感じているほど、グローバリズムが正しいとは思っていない。人々を幸せにするとは考えていない。事実、そのような側面もあるのも確かで、その結果が格差を拡大させた。2017年が新しい感性に沿って、右往左往する年になることは間違いない。下手をすれば、それが感情のぶつかり合いになることもあるだろう。(2017.1.10)
