コーヒー豆の価格がブラジルの干ばつの影響で、高騰していることは知られていることである。昨年の１１月を底にして、急激な上昇となっている。国際市場での価格も３か月で、４０％を超えている。コーヒー好きの私には、見逃すことができない話題である。そこへもってきて、今度はチョコレートの原料であるカカオ豆の高騰だという。その原因はエボラ出血熱だという。カカオ豆の主要な生産地、ガーナやコートジボワールへと感染が拡大する見通しで、それが国際的な価格の高騰になっているのだという。チョコレートも私の大好物である。ある日突然、日本の街からコーヒーショップが消え、２月１４日に、チョコレートを贈れなくなる日も来るかもしれない。悪夢である。
１０月に近づき、金木犀の甘い香りが、どこからか風に運ばれてくるころともなれば、あれほどに、私たちを悩ませていた蚊の襲来も、ほとんど感じられなくなった。横須賀の実家の藪蚊もいったいどこへ消えたのかと思うほどに、姿を消している。さて、今年の夏はデング熱と蚊の夏であった。代々木公園の蚊によって、デング熱は日本全国に伝染していった。その数、１４７人。それによって、亡くなったという人がいなかったのが唯一の救いであった。そして、秋になり、１１月ころまでいると言われた蚊もすっかりおとなしくなった。代々木公園の蚊のうち、デングウイルスを持った蚊も、ついに、９月２６日採集分でいなくなった。そもそも、採集された蚊の数も、これまでの１９１匹から、４１匹へと大幅に減ったのである。約８０％の大激減である。これは東京都の速やかな駆除作業のおかげではない。神様の与えてくれた季節の変化の賜物なのである。
御岳山が爆発した。２００７年３月の小噴火以来という。私が気にするのは、この爆発に対する気象庁の対応である。富士山の大爆発はいつかは起こるのである。その時の予行演習という意味合いもある。爆発は２７日午前１１時５３分ごろである。気象庁がこの爆発を予想して、警戒注意を呼びかけたのが、１６日、「２００７年に小規模な噴火が発生した火口やその付近に影響する程度の火山灰は噴出する可能性がある」とする発表をしたのである。ただ、明らかに、気象庁は今回の大きな爆発を予想していない。小さな噴煙の上がる程度の爆発を予想していたようである。だから、警戒レベルも通常の１のままだったのである。それを３に上げたのは爆発してからだ。つまり、専門家である気象庁の人たちも、爆発の可能性は感じながら、その規模までは予想できないということである。富士山に関しては、もし大爆発が起きれば、その被害は計り知れない。今回の御岳山の爆発でも、火山灰に埋もれて死亡した人も出たようだが、富士山ほどの高さになれば、火山灰は関東地方全域に降り注ぐ。それがインターネットなど、電気に依存する私たちの社会は大きなダメージを受けることになる。
今、韓国の仁川では第１７回アジア大会が開かれている。観客人数とか、施設、選手団への対応などは、幾つかブーイングも聞かれている様だが、それはそれとして、アジアの人たちが集まるスポーツの祭典としては、意義のあるものである。特に、日本人にとっては、お山の大将的な気分にも浸たれるのは、アジアの中では、日本は中国と並び、スポーツ大国の立場でいられるからだろう。そこで、気が付くのは、アジアのもう一つの大国のインドの影の薄さである。私のイメージとしては、インドは日本、中国と並ぶ、アジアの３強である。人口の多さもそうだが、科学技術の発達も目覚ましい。インドが打ち上げた探査機「マーズ・オービター・ミッション」（MOM）が新たに火星周回軌道に到達したというニュースとそこから送られてきた鮮明な火星の表面画像は私たちを驚かせる。この探査機は2013年11月5日に打ち上げられ、今月の24日火星の円周軌道に入った。驚くことはその費用の安さである。日本円で約80億円。例えば、同じ火星の周回軌道に入ったNASAの探査機MAVEN の費用が約731億円というから、それの約1/10である。
急に思いたったことで、言葉の遊びである。記事の見出しは、大きく、「五十嵐４人押し出し、ファン怒号の逆転負け！」とあった。さて、この五十嵐が福岡ソフトバンクホークスの投手であることを知っている人たちには、何の、疑問もなく、受け入れられる記事である。五十嵐投手がフオアボールを連発し、４人に四球を与え、自滅し、フアンから怒号を浴びせられ、チームも逆転負けを喫したというものである。だから、まともな記事なのである。だが、この五十嵐が相撲の力士だと勘違いした人は、どう想像するだろうか。五十嵐はトーナメント戦か何かで、４人を次々に押し出しで破った。しかし、そのやり方が汚かったので、観衆からブーイングを浴びて、それに抗しきれず、５人目にあっさり逆転負けを喫したとなるはずである。アメフトやラグビーの選手であると思った人なら、相手を押しまくったのは良いが、肝心のボールを相手にとられ、逆転のトライを上げられたというところだろうか。つまり、これも新聞記者の自分の感覚が、すべての読者と同じだという思い込みのなせる事例の一つだと私は、一人、ほくそ笑んだという次第である。
