消費者庁の実施している公共料金の内外価格差調査によれば、東京電力の電気料金はアメリカの1.56倍、イギリスの1.33倍、フランスの1.52倍である。電力が競争市場にないことが最大の原因と言われているが、そもそも、総括原価方式という決定システムに問題がある。たぶん、当初、この方式を考えた人の目的は安定的な電力供給というものであったに違いないのだが、最近の東電の人たちの目的が会社の利益を上げることに変わり、それとともに、ものの見事に、この総括原価方式が悪用されてしまう。法律によれば、電力会社は適正な原価に適正な利潤を加えて、電気料金を決めることが出来るとなっているのだが、それが原価の中でもより金のかかる原発設備への比重を高めていくことになってしまった。さらにこの原価のなかには自分達で勝手に決めることができる人件費、ボーナスなどの金額も含まれるのである。こんな事実も知らなかった私たちはオール電化など、環境に優しいというキャッチコピーに踊らされて、電気の使用量を増やし続けてきたのである。結果として、家計に占める電気料金の割合は35年前に比べ6割も増えた。他の公共料金の支出割合が軒並み低下しているのと比べれば、突出しているのである。つまり、それだけ、東京電力という会社が肥大化したということである。
Y-FP Office Japan
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