トランプ関税だが、マネックスの外国為替トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「私は『実際に起きるまでは全て口先だけだ』と考える立場だ」と発言。「トランプ大統領がパウエルFRB議長への攻撃的な発言を強めた春に、ドル相場は当初ショックを受けたが、それが口先だけだと後で分かった。従って市場は現時点では、何か具体的なことが起こらない限り、こうした問題を受け流すようになっている」と話した。こうした雰囲気の中で、トランプ大統領は日本などに25%、EUなどに30%の課すと表明したのだが、トランプ大統領は新たな関税率を記して各国・地域に送付した書簡が「ディール」だと態度を軟化させたのである。つまり、それらの書簡内容は最終結果ではなく、戦術的なものだというのである。世界もトランプ大統領のやり方に慣れてきた。市場は最終的に15%前後に落ち着くのではないかと見始めた。さらに、為替はトランプ大統領の強気発言で、ドル高が進んでいる。輸出国にとって、ドル高は関税分を相殺する。何となく、世界はトランプ大統領の顔を立てながら、実質的に元の世界に戻ることを目指しているように思える。(くちなし亭、7月15日)
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