2010年、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が大規模噴火を起こし、その噴煙のために欧州全土で空の便が運航できなくなるという事態に落ちいったのは記憶に新しい。そのエイヤフィヤトラヨークトル火山に近い、アイスランド最大の火山、カトラ火山の周辺で相次ぐ地震が観測され、カトラ火山の噴火が懸念されている。カトラ火山は標高1500メートル。ほぼ50年ごとに噴火を繰り返しているが、1918年以来、大規模な噴火は起きていなかった。前回の噴火から、ほぼ100年が経つ。そして、この地域で29日早朝、マグニチュード(M)4.5の地震が2度にわたって起こり、地震活動は活発化している。専門家は、噴火が差し迫っているわけではないとしながらも、噴火の可能性は排除できないとの見方を示している。一方、気象当局は、「カトラで夏の間に地震活動が活発化するのは通常の現象である」と慎重な見方を示し、「カトラ周辺の計測では、マグマの動きを示す地盤変動や振動が加速する兆候はとらえていない」とも話す。さて、このアイスランドの最大火山が爆発するかどうかは分からない。ただ、日本でも火山の爆発は頻繁になっていて、その噴煙が広域にひろがり、航空機ばかりでなく、自然にも大きな影響を与えることは注意すべきことである。(2016.8.31)