アルビン・トフラーが「第三の波」を出版したのは1980年のことである。私の書棚にも、和訳本がある。1980年と言えば、まだ、当然、ウインドウズ96も売り出されていない。彼は未来が情報化の時代になると予言したのである。未来の予言書というものは、概して、細密ではない。おおざっぱである。だから、多くの人はこれくらいの予測はできると後になれば、言えるかもしれない。だが、この本が逆に、未来の情報化社会を導いていったということもある。氏は幾多のIT企業に勤め、方向性を指導していたからである。彼は社会の進化を農業社会、工業社会、情報化社会としていたのであるが、私が彼の間違いを指摘するとすれば、これらの産業は並列的に進化するもので、前の産業が劣化していくものではない。農業と情報が融合するのであって、農業従事者はいIT産業の奴隷になるのではないということだ。正直に言えば、私が彼の著書「第三の波」を最初に読んだ時には,つまらなくて、途中で投げ出した。だが、彼の功績は大きい。今の社会を情報化社会にしたのも、彼の功績は大きいのである。その彼が27日に亡くなった。87歳であったという。(2016.6.30)