私の家内の遠い祖先に、北関東を舞台として、戦国の世を駆け抜けた佐野宗綱という男がいる。当時の佐野一族は古河公方に仕え、北の上杉謙信、南の北条氏照、東の佐竹氏に囲まれ、幾多の攻撃を受け続けたけれど、名城、唐沢山城に立てこもり、これらの名将達の攻撃を撃退してきた勇猛果敢な一族であった。佐野宗綱も若いけれど、この血を引き、また戦い上手な人たちに支えられていた。そして、宗綱はかねてから国境争いを決着させようと長尾攻めを決行する。それは元旦の出陣である。須花坂の戦いがこうして始まる。敵は坂の上で待ち構える。宗綱は「攻めよ。」と号令をかける。そして、その先頭を駆ける。しかし、宗綱の馬は早い。徒歩の家来衆は追いつかない。気がつけば、宗綱は単騎で敵陣に突っ込んでいた。そして、鉄砲に撃たれ、あえなく討ち死にを喫する。こうして、佐野一族の衰退が始まる。その後、当主に後北条氏の一族をいただき、またそれが、豊臣秀吉の攻撃を受ける原因となる。だが、宗綱を笑うことは出来ない。宗綱のような男はけっこう多い。菅直人首相もそのような人物に見えてならない。
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