極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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アウンサン・スーチー氏とミャンマーの未来

2021-02-04 09:56:22 | 日記

昨今のミャンマー、アウンサン・スーチー氏のニュースはメディア等情報を全て鵜呑みにすることは問題があるようにも思います。以下文は、元ミャンマー大使・山口洋一氏、ウィキペディア、数年前のミャンマー・ヤンゴン市内の個人のプログ等々の記事、話を一部参考に素人のミャンマーに対する思いを記しています。

 

昨今のミャンマー、過去の報道はどうもミャンマーの軍事政権=全てが悪が先行し、私達に正しいミャンマーの姿等が伝わっていないように思います。世界では地域によっては強い力を求める国もあり、場合によっては、多くの国民が軍事政権等を望む国もあることを理解すべきです。

当時の旧ビルマ軍事政権発足の元になったのは日本の2・26事件(2・26事件前の日本の状況・・・金輸出解禁、世界恐慌により日本は深刻な不景気(昭和恐慌)に見舞われています。企業は次々倒産、町は失業者であふれ、更に農村でも農作物価格下落、都市の失業者が農山村に戻ったこともあり、農民の生活は大変苦しく(農村恐慌)、自分の娘を女郎屋に身売りする家庭も多く出ています。当時の政党内閣は適切な対応をとらず、汚職事件が続発、不景気のなか巨大資本を用いて財閥だけが肥え太る状況が生まれています。人びとは政党に失望、財閥を憎み、満州事変などによって大陸に勢力を広げる軍部に期待するようになりました。このような国民支持を背景に軍部、軍に所属する一部の純粋な国を想う青年将校等が力を持って、国家の革新を目指すよう決起した事件)の、国を想う軍人達の純粋な思いを参考に政権作りを行ってきたと言われ、この思想は、間違いなく今日の国軍でも生き続いていると言われています。

ミャンマー(旧ビルマ)と言うと連邦共和国ですが、戦前の一時期イギリスの植民地で、現在も深い関与があると言われています。国内には有望な石油、天然ガス等が発見されています。更にミャンマーは世界有数の麻薬等の原料、けし栽培地帯等とも言われています。

この麻薬地帯はタイ、ミャンマー、ラオスの3ヶ国がメコン川に接する山岳地帯でミャンマー東部シャン州に属し、別名ゴールデン・トライアングル(Golden Triangle)と呼ばれ、アフガニスタン・パキスタン・イラン国境付近の黄金の三日月地帯(Golden Crescent)と並ぶ世界最大の麻薬地帯と言われていますが、一部欧米の関与が見え隠れすると言う方もいます。

覚醒剤密造地帯をUNODC(国連薬物犯罪オフィス)がヘリコプターや衛星、村々への調査などで調べたところによると、東南アジアでのけし栽培面積は、過去より16%程度増えていたそうで、2006年から見ると、けしの栽培は倍増しているそうです。(http://info.publicintelligence.net/UNODC-Drugs2011.pdf)
アフガニスタンに次ぐ世界第2位のアヘン、ヘロイン(アヘンの中の麻酔作用を持つモルヒネを抽出し、精製したもの)の原料になる、けしの生産国であるミャンマーは前年比で37%と大きく増えているようです。ミャンマーでアヘンけしの生産に携わる人口は225万人に達するとも言われています。


昨今のミャンマーで特筆すべきは、鉱物が豊富であるとともに、2832kmの長さの海岸線一帯に世界的にも貴重な石油と天然ガスの宝庫があります。沿岸の深海、浅瀬、あるいは内陸にある諸鉱区で発見されている天然ガスの埋蔵量は11兆8000億立方フィートであることがアジア開発銀行の調査報告で明らかにされ、他に10兆立方フィート、20兆立方フィートという数値も出されています。石油埋蔵量も約5000万バレルから2億1000万バレルと報告がなされています。この埋蔵量のうちには、まだ採掘されていない分が多く残っていると言われています。これらの資源等が無ければ欧米世界からは、ミャンマーは見向きもされないでしょう。これらの資源の益が国民に如何に還元されるかが未来のミャンマー発展にかかっていると思います。
個人プログ等々ではアウンサン・スーチー氏は将来、民主化後は米国の巨大資源会社等々導入を視野に入れていると言われています。軍事政権はこれらの資源益を自国に還元したいとも言われ、アウンサン・スーチー氏とは相反する考えとも言われています。

如何しても世界のエネルギー巨大産業が、ミャンマーに入り込むには軍事政権では難しいと言われており、民主化の美名のもと自由に入り込めるというのが民主化の裏の真実かも・・・昨今の多額の民主化費用はどこから出ているのか、大きな疑問が付きまといます。

過去、内外のミャンマー報道等により、多くの政治犯が逮捕され苦しんでいるように思われがちですが、逮捕者の全てが国家防御法(国家防御法、第22条には制限命令若しくは禁止命令に反対する、違反する又は背く行為を行った者は、3年から5年の禁固刑若しくは5000チャットの罰金又は双方の刑罰に処する。)違反で、無罪で逮捕された人はいません。

例え軍事政府であっても、自国の法を犯した人を裁判で裁くのは法治国家として極当然でしょう。アウンサン・スーチー氏宅に侵入(CIA関係者とも言われています。)したことに関し、同人を住居に入れた(幇助・ほうじょ)こと、及び当局に通報しなかったことが同条に規定する制限命令に違反するとして訴追されていました。当然の自国法律違反になるでしょう。3年の禁固刑でしたが1年半の禁固刑に減刑し、更に自宅軟禁と言う形にしています。極めて優しい裁判結果です。過去の政治犯の逮捕は全てミャンマーの自国法令違反ばかりでした。

アウンサン・スーチー氏については、軍政府に何十年間も自宅軟禁された可哀想な人、民主化の闘士だと思われがちですが、自宅軟禁と言っても自由に自宅敷地内では反集会等々もできるし、大々的なパーティも行っており我々が考えるような不自由さは無かったと言われています。

アウンサン・スーチー氏は、ビルマの独立運動を主導し、その達成を目前にして暗殺された「ビルマ建国の父」アウンサン将軍の娘で、裕福で英語が堪能なイギリス育ち!軍事政権もアウンサン・スーチー氏の行動に対しては最大の考慮をしていると言われています。驚くべきは軟禁にあったという自宅も、一部情報ではアメリカ大使館の隣りにあるとも言われています。

特筆すべきはアウンサン・スーチー氏の故・元夫マイケル・アリス氏は、オックスフォード時代の後輩で、表向きはチベット研究家となっていましたが、英国諜報部MIー6の筋金入り幹部でした。やはり、ある確かな意図を持ってアウンサン・スーチー氏(以後、海外ではCIAと極めて密接)に近づいたと言う人も多いようです。

ビルマ僧侶ウィラトゥ氏は、アウンサン・スーチー氏の支持母体はムスリム(イスラム教徒を意味 するアラビア語)を排除しようとしているミャンマーの僧であり、学生グループのリーダーです。(サフラン色の袈裟を着ています。)

今日までミャンマーで経済活動をしていながら、イスラム教徒であるということだけの理由で、ミャンマー国籍を与えず、無国籍状態に置かれているロヒンギャ族はミャンマーでの民族浄化運動の対象となっております、暴動が起こるたびに犠牲者が多く出ていると言われています。過去、英紙ガーディアンでは、僧侶ウィラトゥを、ビルマのビンラディンと書いておりビデオ・インタビューも行っているようです。
アウンサン・スーチー氏は、こうした過激な連中からの支持を失いたくないがために、ウィラトゥ一派のロヒンギャに対する虐殺行為を、半ば容認するかのように見てみぬふりを続けていました。アウンサン・スーチー氏は、「暴力でなく対話」でを口にしますが、怪しい民主化運動者のようにも思えます。

ミャンマーの憲法上、外国籍の親族がいる人物の大統領就任を禁じる条項があり、英国籍の子息がいるアウンサン・スーチー氏は資格がありません!選挙前の発言で、「我々が勝利すれば私は大統領より上に立つ!」、現在は巧妙に条項を避けるため、国家顧問として、実質的に大統領の上に立ち君臨していると思います。

更に、某国の強い後押しを期待しているでしょうか・・・ウクライナ政権等と何ら変わらない構図になっているように思います。アウンサン・スーチー氏は、先ずは国の発展、国民の幸せを考えた、結果を出せるような明確な策を国民の前に示すことが極めて大切だと思います。

近代世界では、開発途上国に資源等がある地域には、必ず欧米巨大エネルギィー企業が進出、極一部の利権者を造り活動します。更に世界銀行、IMF等々が高金利、返済不可能のような多額の資金供与、借金返済が不可能時は欧米巨大企業等参入を認めると言う構図となる可能性があります。殆んどの当事国の国民は貧しい生活を余儀なくされ貧しい国に成り下がります。一部のアジア、アフリカ、中東の国々のように!特に資源開発にはミャンマーの未来がかかっているのは間違いないでしょう。ミャンマーの天然ガス、石油等資源には虎視眈々と狙っている勢力があることは間違いないようです。一部、ミャンマー国民は巨大国、中国に対する某国の封じ策の犠牲となっている面も否定できないようです。

私達はメディア・ニュース等を鵜呑みにすることなく、自分なりにニュースを得る努力は必要と思います。ミャンマーは同じアジアの国でもあり、戦前、中、後も日本は物心等で極めて大きく関与しています。発展途上のミャンマーの更なる発展、国民の幸せを願わずにはおれません。

 


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