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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

伊福部昭の芸術2 交響楽の世界/広上&日本PSO

2006年02月10日 23時43分08秒 | クラシック(20世紀~)
 第2巻は「交響楽の世界」という副題が付いていて、先生が作った唯一の交響曲ともいえる「シンフォニア・タプカーラ」と先生の処女作「ピアノ組曲」を1991年になって管弦楽化した作品「管弦楽のための日本組曲」が収録されています。演奏は第1巻と同じく広上淳一指揮による日本フィルハーモニー交響楽団で、録音は1995年となっています。それではさっそく聴いてみたいと思います。

 前述のとおり「シンフォニア・タプカーラ」 は、三楽章で構成された交響曲というべき内容です。昨日レビュウした「交響譚詩」もいってしまえば通常の交響曲の前半部分のみで構成されたような曲でしたが、こちらは三楽章とはいえ、急緩急のというオーソドックスで簡潔で古典的な楽章構成をとっていて、「日本狂詩曲」から十数年、先生もいよいよ交響曲というフォーマットで勝負をかけた....といった意気込みがあったと思われます。第1楽章は主要主題をモチーフにした雄大な序奏部から始まります。資料によれば51年の初演の時はこれがなく、いきなりアレグロで始まったそうですが、後年こうした序奏をつけたところから、やはり先生としてはこの曲は交響曲なのだから、それに相応しい偉容を感じさせる序奏が必要だと感じたのでしょうね。本編ですが、荒れ狂うようなダイナミズムと壮麗な広がりを併せ持つ、まさに伊福部的な律動音楽を両端に置き、中間部にやや鄙びた趣きをもち、北国の峻厳な自然を思い起こさせる音楽をもつ構成。

 第2楽章はもちろん緩徐楽章にあたるなだらかな起伏をもった音楽で、おそらく先生が作った最も美しい音楽のひとつでしょう。ハープの寡黙だか美しいアルペジオにのって、各種楽器群が様々に表情を変えつつ、あえていえば非常にロマンティック旋律を奏でていくあたりは絶品です。最終楽章は民族的で野卑なリズムが縦横無尽に発揮された、エキサイティングなヴィヴァーチェです。ちょっとバルトークの「オケコン」の最終楽章を思わせる華々しさもあります。一旦静まり、徐々に加熱していきながら最後には狂熱のハイライトを築くあたりの素晴らしさはまさに筆舌に尽くしがたいスリリングさがあります。いや、やっぱ最高です。

 フィルアップされた「管弦楽のための日本組曲」は4つの曲からなる組曲で、原曲である「ピアノ組曲」が割とインティメートなムードで、いってしまえば絵はがきに描かれた日本の風景だったとすると、こちらは大管弦楽を用いて大きなキャンバスに描かれた4つの風景という気がします。第1曲は「盆踊り」で、盆踊りというの昔からある日常風景を題材に、その背後にある太古の歴史を拡大したかのような音楽です。また、無窮動なリズムやエンディングがちょっとラベルの「ボレロ」を思わせたりする音楽でもあります。第「七夕」はレスピーギやファリアを思わせるオーケスレーションで表現された七夕の幻想的風景です。第3曲の「ながし」は、これはもう日本的としかいいようがないリズムと旋律で構成された、聴いていて切なくなるくらいに懐かしい音楽ですが、中間部では「シンフォニア・タプカーラ」を思わせる律動が聴こえてきます。第4曲の「ねぶた」はねぶた祭りのねぶたのことでしょうか....って、私はねぶた祭り自体よく知らないので、音楽的な相関はよくわからないのですが、ともあれマーチのリズムにのってダイナミックに展開する、これまた伊福部的メルクマールに満ちたダイナミックな音楽になっています。
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伊福部昭の芸術1 初期管弦楽/広上&日本PSO

2006年02月09日 23時56分26秒 | クラシック(20世紀~)
 キング・レコードによる「伊福部昭の芸術」シリーズは先生の代表的音楽を概観すべく95年から始まった企画です。現在まで8枚ほど出ていていますが、監修に先生自身が関わっていることもあり、亡くなった先生の音楽をレトロスペクティブするには最適なものでありましょう。私も先生の追悼記念としてこのシリーズを中心に先生の作品を少しばかり振り返ってみたいと思います。

 第1巻は副題に「初期管弦楽」とついているように、戦前の作られた先生の代表的管弦楽作品、つまり「日本狂詩曲」、「土俗的三連画」、「交響譚詩」が収録されています。
 「日本狂詩曲」は、日本のアカデミズムとはほとんど無縁な位置に居た当時21歳の先生が、1936年の開催されたフランスのチェレプニン賞の第1位を獲得したという今となっては伝説的なエピソードに包まれた先生の処女作とでもいうべき作品です。前半の「夜曲」はヴィオラで奏でられる日本的としかいいようがない独特の節回しやそのヴィオラが一段落した後に続く木管楽器を中心にちょっと印象派風に展開する旋律からして、ある種の郷愁やユング的な太古の記憶を想起させるような、独特の伊福部ワールドの世界を展開していきます。後半の「祭」では先生のもうひとつの特徴であるリズムの反復を「祭」というキーワードで開陳した曲といえましょう。ここで聴かれるリズム反復は、発表当時はおそらく極めて粗野でバーバリックなものに聴こえたでしょうが、現在の耳には非常に格調高い極めて音楽的な響きに満ち満ちていると感じられるのは、この作品が古典化したという証明のようなものでしょう。

 1937年の「土俗的三連画」は14人編成の室内オケ風な編成で演奏される作品で、第1部はヴァイオリンを中心としたトラディショナルな旋律が、先生らしい力強いが極めて複雑なリズムの反復の中で展開。第2部は各種管楽器で郷愁を誘う旋律を歌う緩徐楽章的音楽。第3部は冒頭のリズミカルで曲調が回帰しつつ、急緩急をめまぐるしく展開するあたりが聴きどころになっています。

 「交響譚詩」は1944年の作品で、「日本狂詩曲」と同様2部から成る先生の代表作のひとつ。第1部では猛烈にドライブしてまさに疾走するような第一主題とそれとは対照的に旋律的な第二主題がワンセットになって展開を経て再現されるソナタ形式をとっているあたりがミソ。また、再現部でハープが華麗に絡むあたりは、まさにに西洋の鋳型(形式、管弦楽法)に流し込まれた伊福部ワールドといった感じでしょうか。
 第2部は、もともと「日本狂詩曲」の第1部として作られた「じょんがら舞曲」をベースに作られた緩徐楽章で形式的にはごくごくまっとうな3部形式。中間部に弦で奏でられる北国の荒涼とした自然と漂泊する寂寥感のようなものを絶妙に表現したこの上なく魅力的な音楽です。なお、コーダで循環主題よろしく第1部の主題が一瞬回帰するあたりも西洋音楽的ですが、それならば第3,4楽章も作ってもらいたかったと思うのは、西洋音楽に毒され過ぎた私の勝手な願望なのでしょう。
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伊福部先生 死去

2006年02月09日 14時41分24秒 | クラシック(20世紀~)
 おそらく世界的に認められた日本初の作曲家であり、ゴジラを始めとする映画音楽でも有名な伊福部先生がお亡くなりになりました。91歳といえば、ある意味天寿を全うされたともいえますが、私は先生の音楽の全てを自分の血となり肉となるほどに聴く....ということをライフワークにしている、自他共に認める伊福部フリークなもので、今回の訃報はやはりとても残念であります。

 先生とは取材も兼ねて自宅でたった一度だけお会いしたことがありますが、「ペトルーシュカ」の出典元になっている民謡の話だとか、自らの作品に対する批評とか、穏やかな口調の中、鋭い音楽的審美眼を随所に発揮していたことがとても印象に残りました。あと、ご自宅の純和風の庭先に何故だか場違いのようにゴジラの人形がひょっこりおいてありまして、それを先生に聞いたところ、「あれは孫が置いていったんだ」と笑いを浮かべていましたけど、その時の柔和な表情が忘れられません。

 ご冥福をお祈りいたします。


○読売新聞の記事
 http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060208it15.htm
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私が昔使っていたオーディオ機器 [1] Victor A-X1000(Pre-Main Amp)

2006年02月08日 20時44分14秒 | PC+AUDIO
 前にとりあげたNEC A-10のところにもちらっと書きましたけれど、1984年の年の瀬、私はそれまで使っていたトリオのアンプ(今となっては機種不明)をA-10切り替えるべく、秋葉に趣きました。しかし、くだんのアンプはどこも売り切れ、せっかく勇躍して秋葉まで来たのにと、がっくりしていたところ、ダイナミック・オーディオだったか、そこの店員さんに熱心に勧められ、購入してきたのがこれでした。その店員さんは「A-10もいいけど、こっちも使っているパーツは凄いですよ。パワーだって負けてないですし、なにしろビクターの音ですからねぇ....」みたいなことをいったようないわないような記憶ありますが、とにかくこの価格にしては、とても豪華な内容であり、音質も文句なしってことだったんでしょう。

 自宅のラックにセットして一聴した時は、まずは低音のパワー感に驚きました。このアンプは128,000円で前のトリオのアンプのほぼ倍近い金額でしたから、音も良くなって当たり前だったのかもしれませんが、「音が良くなる=解像度アップ」みたいに思っていた私には、この低域方向の拡大というグレードアップは目から鱗状態でした。当時はクラシックに耽溺していたこともあって、オーケストラのマッシブな力感みたいなところはもう音の次元が違ったという感じだったのです。思い返せば、当時の私はオーディオは好きでも、良い音のなんたるかを実はなんにも知らなかったんですね....。ところがこうした音の迫力に感嘆しつつも、しばらくするとこの機械のもつビクターらしいとしかいいようがない、ぽってりと厚い暖色系の音に少しづつ違和感を感じるようになってきたんです。

 結局、この機械をその後4~5年使うことになる訳ですが、使えば使うほどにもっとシャープでスピード感ある音を求めていることに気がついたってところでしょうか(別にこの音がキライだという訳ではなかったんですが)。雑誌など読んで、理屈ではメーカー別の音のキャラクターを分かっているつもりはなっていたけれど、一定期間使って得た印象というのは雑誌に書いてあることと、けっこう違うもんだということが感得できたのも、この機械を使った得た貴重な体験であります。
 蛇足ですが、この機種の時期くらいからですかね、中堅騎手であろうとアンプの重さが20kgを超えるのはもう当たり前。メーカーもこぞって重さ比べ、筐体の剛性競争みたいになっていったのは....。
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アルティメイト・マンシーニ/various

2006年02月07日 23時55分14秒 | サウンドトラック
 一昨年出たマンシーニのトリビュート・アルバム。ジャズ・フュージョン界を中心に有名どころを集めて、とても豪華な仕上がりになっています。どうやらマンシーニの娘でボーカリストであるモニカ・マンシーニがキーパースンになっているらしく、何曲かで彼女がヴォーカルをとっている他、娘である彼女の意向なのか、はたまた制作サイドが彼女をかつぎだしてマンシーニお墨付き的な箔を演出したかったのか定かではありませんが、ともあれ基本的にオリジナル・スコアを尊重したアレンジをベースにして、そこに豪華なゲスト陣がソロやヴォーカルで彩りを添えるという趣向になっています。では、ゲスト絡みで曲を拾ってみましょう。

 1曲目の「ピンク・パンサーのテーマ」は、サックスにオリジナル・ヴァージョンと同じプラス・ジョンソンを起用して、ほぼスコア通りの演奏で、中間部のソロにゲイリー・バートンのヴァイブとジョーイ・デフランコのオルガンが登場します。前者はこの曲の都会的ムードを、後者はアーシーさをそれぞれ表現しているあたりがミソですね。しかも、もの凄い優秀録音なのが、オーディオ・ファンの私としてはうれしいところ。2曲目の「シャレード」はマンシーニの曲で、私がもっとも好きなもののひとつですが、ここではオリジナルの雰囲気を再現しつつも、サンバのリズムとフュージョン的な弾力感あるサウンドを強調しているあたりがいいです。オーケストラも色彩的。4曲目は問答無用の名曲「ムーン・リヴァー」ですが、ここでハーモニカで参加しているのがスティービー・ワンダーで、コーラスを担当するのがTAKE6という組み合わせ、それにしても前半のハーモニカですがオリジナルと同じ趣向と思わせつつ、もうスティービー・ワンダーとしかいいようがない、こぶし回りまくりハーモニカなのがちょいと驚きます。しかも、これがぴたりと「ムーン・リヴァー」のムードにハマっているが妙なんですね。TAKE6もゴスペル風なコーラスでこれもいい、いやぁ、泣けます。

 5曲目の「その日その時」はヴォーカルにモニカ・マンシーニ、サックスにトム・スコットをフィーチャーした渋いAOR風なアレンジ。7,8曲目は「ピーター・ガン」収録曲、前者はメイン・テーマを演奏した後、珍しくトム・スコットのアーシーなサックスをフィーチャー、後者はモニカとケニー・ランキンのデュエットで構成、マンシーニって割とリゾートっぽい曲もつくったりしましたが、ここではそれを強調したAOR風な仕上がり。12曲目の「ミスター・ラッキー」はテーマの部分はほとんどオリジナルのままですが、真ん中でデフランコの黒いなオルガンがフィーチャーされ、この曲のラウンジ風なところを今風に拡大したという感じの演奏になっています。
14~16曲目はマンシーニの比較的晩年の地味ですが、味わい深い曲をメドレーにしています。ここでマンシーニ役となってピアノを弾いているのはマイケル・ラング、彼がどんな人なのか私はよく知らないのですが、おそらくフュージョン系の人なんでしょう。とてもソフトでメロディック、そしてラブリーなピアノです。最後の「イッツ・イージー・トゥ・セイ」は、ボー・デレクとダッドリー・ムーアが主演した80年代のラブ・コメディのテーマ曲ですが、そういえばサントラではダッドリー・ムーアがこの曲をピアノ・ソロで弾いていたんですよね。

 という訳で、おじさんの私には夜にこういう音楽は、酒が進んでしょうがないです。明日休みだったらいいのに(笑)。あと、興ざめなこと書くと、これでもう少し、モニカ・マンシーニのヴォーカルが魅力的だったら、このアルバム申し分ないないんですけがねぃ。
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ドラゴンクエストEZ

2006年02月07日 12時54分26秒 | GAME
 先週から使い始めた新しい携帯ですけど、モバイルSuicaは未だViewカードが届かずケータイの定期化はできていない状態、電子マネーのEdyについてもチャージしたのはいいが、使う機会がないということで、現在、宝物持ち腐れになってます。ただ、先日もちょいと書いたとおり、回線や本体そのもの処理速度が速いため、ネット接続もストレスなくできるようになったのは、けっこう大きな副産物で、その恩恵で昨日から「ドラゴンクエストEZ」をケータイでやってます。

 ゲームといえば、あれほど入れ込んでやっていたFFXIなんですけど、このところ突然来客が訪れることが多い毎日なもんで、ほとんどログインできなくなってしまってます。そのかわりといってはなんですが、オフゲーならいつでも中断可能なので、実は「ドラゴンクエストVIII」なんかをちらほらやったりしている訳ですが、ドラクエ8といえば3D化したアニメがぐりぐり動く最新のモード、それを自宅でやっている状況下で、ケータイの小さな画面でやる「ドラゴンクエストEZ」は懐かしいというのもありますが、なかなか新鮮。なにしろ同じドラクエでも最新作と最古の作品とを行き来する訳ですから、変わらない変わらないといわれているドラクエでも、この20年の間に実に多様に変化したことが体感できたという訳です。

 ともあれ久々にやる「ドラクエ1」は、ムードもストーリーもやけにさっぱりしています。これでも当時は「ウィザードリー」などに比べればよほどカラフルで、ほのぼのして、あれやこれや親切なゲームという印象があったもんですが、今やるともうハードボルドなくらいぶっきらぼう感じるんですね。ストーリーはひねりのない一直線(になるんでしょう)だし、フィールドも街も狭く、ちらばっているヒントもごくわずか、しかし、敵だけは異常に強く、岩山のほこらなんかはもうほとんど死にまくりです。昔もこのあたりで良く死んだんだっけか?と思いだしながらやってますが、同時に今時のゲームがいかに親切で主人公が死なないシステムになっているか痛感します。あと、コマンドなんかも微妙に違っていて「調べる」なんて懐かしいのが出てきたり、ツボは持ち上げて壊すのではなく、のぞき込んでアイテムをとるのなんて、へぇ、昔はこんなだったんだぁ....って感じです。

 ともあれ、通勤電車の時間でも利用して、しばらくの間やってみようと思います。今のゲームの複雑さはケータイのインターフェイスではちとつらいですが、このくらいならなんとかケータイでもまかなえそうです。これでけっこう楽しめそうなら、次は「女神転生」をやろうかと思ってますが(笑)、それにしてもこんな小さな画面を電車揺られながらながめていると、ますます眼が悪くなりそうなので、こわいんですが。
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サンタナ/アミーゴ

2006年02月06日 23時59分55秒 | ROCK-POP
 「不死蝶」に続く76年発表のスタジオ録音第7作。セールス的には低迷気味だった70年代中盤頃のサンタナが放った起死回生の一作。そして日本では「哀愁ヨーロッパ」が入っていることでも、サンタナの盤歴では記憶に残る作品といえます。発表当時、つまり私が高校生の頃、日頃、ニュー・ロックもラテン・ロックもほとんど関係ない友人が何故だかこのアルバムを購入して、私に貸してくれた記憶がありますが(「フェスティバル」の方だったけかな?)、要するにあまりロックに縁のない人間まで買いに走らせたような、ポピュラリティーを獲得した作品だったんでしょうね。まぁ、私自身は、その時の音楽的な印象は現在ではほとんど残っていなくて、この作品もほとんど昨夜初めて聴くような感じだったのですが....。

 さて、このアルバムですが、音楽的にはほとんど全面刷新してしまったくらいに印象が異なります。AOR路線、フュージョン的サウンドの追求、曲のコンパクト化と音楽的な傾向を並べれば、「不死蝶」の延長線という感じになる訳ですが、音楽的感触としては明らかに違っています。前作までのアルバム群が、とにもかくにもカルロス・サンタナという人が追求してきた音楽主義的な産物だったとすると、この作品にあるのは、明らかな商業主義という感じがするんですね。
 邪推ですが、このアルバムでサンタナはほとんどギターを弾いただけだったんじゃないでしょうか。音楽を全面的に仕切ったのはどうもトム・コスターのような気がします。彼は低迷するサンタナの売り上げに復活させれるべく、あの頃の売れ筋の音楽をサンタナ風に模様替えしたお膳立てを用意して、サンタナはそこにギターかぶせただけみたいな感じもするんです。まぁ、逆にいえばセールス低下から自信をなくしていたサンタナが、トム・コスターにあえて下駄をあずけてしまった作品というべきなのかもしれません(ビル・グラハムがマネージメントして喝を入れたということも考えられますがー笑)。

 ところが、それでサンタナの音楽がダメになったかというとそうでもないのがおもしろいところ。この作品、前作までの「サンタナの宗教感に基づいたフュージョンの手法を使った桃源郷サウンド」はきれいさっぱりなくなっているものの、トム・コスターがもたらしたコンテンポラリーなAORフュージョン的センスとサンタナのメルクマールが実にうまくドッキングして、全編に渡ってとても洗練されたスムースさにみちた、とても聴きやすい作品になっていているんですね。冒頭3曲などは現在聴いてもラテン・フュージョンの傑作として通用しそうな出来ですし、「哀愁のヨーロッパ」も洗練振りも特筆ものというべきでしょう。
 つまり、このアルパム、これが本当のサンタナか、という問題はあるとしても、トム・コスターが解釈したサンタナ・サウンドの傑作とはいえるでしょう。
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ウラジミール・シャフラノフ / ホワイト・ナイツ

2006年02月06日 00時00分14秒 | JAZZ-Piano Trio
 ウラジミール・シャフラノフと澤野工房をジャズ・ファンに一躍有名した作品です。そもそもジャズ評論家の寺島氏が例の調子で持ち上げたことから幻の名盤となり、澤野工房が復刻したことで、その評価がゆるぎないものになったということらしいのですが、確かにこれはピアノ・トリオの名盤としかいいようがないアルバムです。シャフラノフのことをデビュウ作のレビュウで、「ウィントン・ケリーばりの軽快なスウィング感+トミー・フラナガン的センスによるスタンダード解釈/ヨーロッパ的洗練」と形容させていただきましたが、このアルバムではそうした特徴がいかんなく発揮されているのに加え、アル・フォスターとジョージ・ムラーツという豪華なオマケがついて、ピアノ・トリオの醍醐味を満喫させる仕上がりになっているのが、このアルバムの素晴らしいところでしょう。

 これはあくまでも私の場合はなんですが、まず1曲目の「ラブ・ウォークド・イン」で思わずにんまりしてしまったんです。私はアル・フォスターがドラムが大好きで、ミディアム・テンポでブラシなどシャープに刻んでくれたりすると、もうほとんどそれだけで満足してしまうくらいなのですが、この曲などまさにその好例といってもいいドラミングで、おまけにベースは相性のムラーツですから、もういうことなしだったんですね。個人的に「フラナガン+ムラーツ+フォスター」と組み合わせはピアノ・トリオの理想型のひとつだと思ったりしていますが、この曲を聴くと、このトリオはそれに迫る組み合わせだと直感しました。またあっという間に終わってしまいますが、アップ・テンポで進む3曲目の「ジャイアン・ステップ」のシャープなスウィング感も素晴らしかったし、もう冒頭4曲でピアノ・トリオの名盤入りしてしまいました。

 一方、シャフラノフのヨーロッパ的体質が出た演奏としては、「ラウンド・ミッドナイト」、「ジャンゴ」、そしてスクリャービンの前奏曲を元ネタにしたらしいタイトル曲あたりに濃厚ですかね。やや暗いロマンティシズムと透明感のようなものが横溢する仕上がりです。ただ、この人の場合、過渡に深刻になったり、エモーショナルになったはしないで、あくまでもオーソドックスなピアノ・トリオの常道を守りつつヴァリエーションを出しているという感じなのがまたいいんですね。という訳で、このアルバム、ごくごくまっとうなピアノ・トリオ作品ではありますけど、「んじゃ、同じような音楽やってるアルバムを他に教えてよ」などといわれると、なかなか見つけることができないというあたりが、名盤の所以なのかもしれませんね。あっ、あとオリジナル曲ではボサ・ノヴァ調の「ノヴァ・モヴァ」がおもしろかったです。
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COLDPLAY / Parachutes

2006年02月05日 14時51分42秒 | ROCK-POP
 6月にふとしたきっかけで購入したコールドプレイの「X&Y」は、一聴してすぐに気に入り、その後聴けば聴くほどに「こりゃ、10年に一度みたいな、どえらいアルバムだ」と感服しまくっていた訳ですが、その勢いで購入した前作にあたる「静寂の世界」の方は、「X&Y」のような張りつめたようなところがなくて、全体に今一歩決め手に欠くという印象だったもんで、「やっぱコールドプレイってサード・アルバムで化けたのね」という感じで、少々気分が萎えてしまい、デビュウ作であるこの「パラシューツ」の方は、「静寂の世界」と同時に購入してはいたのですが、半年も放置と相成ってました。

 さて、本日よーやく聴いたこのデビュウ作ですが、第2作より数段いいです。なんで今まで聴かなかったんだろうという感じ(こういうの多いな>私)。第2作でいささかスポイル気味だった、コールドプレイらしい切なさとか哀愁といったもがビビッドに感じられますし、デビュウ作らしく随所に初々しさみたいなもの感じ横溢しているもいいです。もちろん「X&Y」のような緊張感とか、万人を唸らせるようなポピュラリティみたいなものは、この時には未だなくて、あくまでもUKインディーズ特有の自閉症的な音づくりの延長ではありますが、それにしたってインディーズとメジャーの狭間でもがいているみたいな第2作に比べれば、『大傑作「X&Y」の原型』という位置づけでスレトートに楽しめますね。

 あと、このアルバムは全体にゆったりしてます。若手のギター・バンドにありがちなアップ・テンポでソリッドに押しまくるというところがほとんどなくて、あえていえば牧歌的ともいえる素朴なバンド・サウンドに、奇妙な浮遊感のようなものが絡んで独特な世界を構築しています。具体的にいえば、白玉専門という感じのキーボードにうねるギターでもって、音楽のパースペクティブを広げ、そこにちょいと倦怠感と妙な叙情が入り交じったようなヴォーカルがのると、不思議なコールドプレイの世界が現れるといった感じでしょうか。まっ、そういう意味ではこのアルバムの音楽に関していうなら、確かにレディオヘッドに似ているともいえなくないです。という訳で、これも問答無用でiPod行き決定です。 
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許同恩(レベッカ・シュー)/倣自己

2006年02月05日 13時50分10秒 | 台湾のあれこれ
 許同恩(レベッカ・シュー)のデビュウ作、台湾の豐華唱片(フォワード・ミュージック)というレーベルから一押ししている人のようです。本国ではかなりヒットも記録して、「ポスト阿妹(アーメイ)」などともいわれいるようですが、詳しいことはよくわかりません。大体、台湾のこの手のレコード会社といったらロック・レーベルしか知らないし、アーメイもそんなに聴いてないですからね。いきなり「豐華唱片期待の新人」といわれても、豐華唱片?はぁ??って感じ(笑)。

 聴いてみると、この人も基本的にここ10年くらいの台湾ニュー・ウェイブ以降の音。ジャケのイメージからするとシャウト系のロック・シンガーみたいな感じですが、内容はネイチャー系ミクスチャー・ロック(?)で、ゴスペル風なフォーク・ロックをメインに、テクノ&ハウス風なリズム、アンビエント風なシンセ音、クラシカルなチェロやストリングスなんかがのっかるという感じ。ヴォーカルもナチュラル指向の等身大系(??)というか、ある意味最近お気に入りのチャン・メイチーなんかと共通するような、さりげなさと清涼感がポイントになるんでしょう。ただ、歌はチャン・メイチーよりたぶん巧いです。この人ハーフトーンで歌いつつ、随所にフィルセットを織り交ぜていくパターンが多いんですけど、そのコントロールの巧さは新人とは思えないテクニックを感じさせます。ちなみにアルバムのそこかしこで聴こえるチェロは自分で弾いているようですし、音楽的にはかなりの才媛とみました。

 収録曲としては、やはり半数を占めるバラード系の曲が良かったです。しかし、台湾のバラードというのは、本当にメロディーがツボをついています。懐かしくて、人懐っこくて、ちょっと哀感もあるそのメロディーは、表向きのサウンドが変化しても台湾ポップに脈々と流れている伝統ですね。こういうのって、ハングルや広東語系のポップスなどより、よほど日本で受けそうな要素あると思うんですけどね。プレゼンする人や会社がいないのかな。
 ちなみに2,6,7,8,10曲目あたりがおそらく今時な台湾の音なんでしょうね。ギター・ロックやハウス風なリズムを主体としてごちゃまぜで、こういう曲をちょっと突き放すようにむ歌うあたりもなかなかチャーミングです。ちなみに4曲目のアンビエント風なサウンドにのってしっとり歌う感じも意外と良かった。

 ちなみにこのアルバム、ジャケはDVDケースのような縦長で、レベッカ・シューが写った透明ケースに、ジャケ本体を入れると絵柄が完成するという、センスいいんだか悪いんだかよく分からない仕様になってます。ブックレットも縦長でちょいとした写真集みたいになっているあたりがいかにも台湾風な豪華さでちょっとうれしい。
 しかし、このクウォリティ、しかもヒットしたのだったら、すぐさま2枚目も出すんだろうから、そしたらやっぱ買わなきゃいかんなぁ。とりあえず注目しておこう。
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レハール 喜歌劇「メリーウィドウ」/アッカーマン&PO他

2006年02月05日 02時00分07秒 | クラシック(一般)
 こちらは「メリー・ウィドウ」の抜粋盤です。エリザベート・シュワルツコップがハンナを歌った録音はEMIに2種類ありますが、こちらが古い方で1953年の収録ですから、もちろんモノラルで、指揮はオットー・アッカーマンでオケがフィルハーモニアという布陣です。モノラルとステレオのどちらが有名かといえば、私など子供の頃からシュワルツコップが羽根帽子をかぶったジャケットを知っていたくらいですから、これはもう圧倒的に後者の方なんでしょうが、巷でのこちらの評価はどうなんでしょうか?。

 さて、このアルバムは序曲から始まります。先日のフォルクス・オーパーのアルバムを「序曲から最後まで入っていて満足」旨のことを書きましたが、あれは間違いでした。序曲だと思っていたのは第一幕の序奏にあたる部分で、実は序曲はカットされていたようです。ヴェルディとかワーグナーに習って、レハールも序曲を止めたんだろうくらいに思っていた訳ですけど、劇中の印象的なフレーズをつぎはぎしたまさに序曲らしい序曲があったんですね、最初ぎょっとしました。ただ、まぁ、この序曲、まとまりという点ではいささか難点があるかも、全体にとっちらかった感もあってカットされるのも、まぁ、理解できなくもありません。

 で、肝心の本編ですが、なかなかいいです。フォルクス・オーパー流の下世話な「メリー・ウィドウ」ではなく、一流のオペラハウスで聴く「メリー・ウィドウ」という感じです。このアルバムはEMIのプロデューサーであるウォルター・レッグが奥方のシュワルツコップを全面に出すべくして作ったはずですから、シュワルツコップのハンナがメインで、カラヤンのようにオーケストラ・サウンドでも聴かせるというところはあまりないですが、全体の雰囲気というかムードのようなものは、通俗味を廃した格調高いもので、いろいろな意味でフォルクス・オーパーとは対照的な演奏というべきでしょう。レハールらしい陶酔的なムードはあまりないのが玉に瑕ですが、個人的にはこういう整然とした演奏はキライではないです。ほとんどどこをカットしているかわからない抜粋構成もお見事。

 それにしてもこれEMIが元ソースなのにどうしてNaxosから出てるんですかね。著作権切れとか、そういう手を使って綱渡りで出した海賊版すれすれのものなんですかね。レコードおこしかとも思ったんですが、スクラッチ・ノイズが聞こえませんから、CDからトランスクリプションしてるかもしれません。独特のリスマスタリングをしているようで、非常に雰囲気ある音であるのもポイント高いです。
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レハール ワルツ集/ボスコフスキー&ウィーンJSO

2006年02月04日 18時41分14秒 | クラシック(一般)
 こちらは先ほどレビュウしたシュトラウスのワルツ&ポルカ集と同じボスコフスキーとウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団との組み合わせによるレハールのワルツばかりを集めた珍しいアルバム。収録曲は「金と銀」、「メリー・ウィドウ」、「ひばりが歌う所」、「ジュディッタ」、「ルクセンブルク伯爵」、「ジプシーの恋」、「エヴァ」の8曲で、「金と銀」は確か元ネタが単体の歌曲だったとおもいますが、残りは全て彼のオペレッタからのモチーフを使用したもののようです。私の知っていたのは、ほとんど「メリー・ウィドウ・ワルツ」のみ。「金と銀」なんて、こういう曲だったんだって感じですし、「ルクセンブルク伯爵」は確か抜粋盤を何度か聴いているハスですが、ほとんど記憶にありませんでした。

 「メリー・ウィドウ・ワルツ」というワルツはかのオペレッタの第一幕の終盤あたり中心にまとめたものですが、僕はこれを長いことパウワー・トイスルがフォルクス・オーパーを振ったものを聴いていて、すっかりそれに慣れしまっていたせいか、ボスコフスキーの演奏はやけにさっぱりしたものに感じました。
 っていうか、きっとパウワー・トイスルの方が、きっとオールドスタイルで高カロリーな演奏だったんでしょうが、ボスコフスキーの演奏は同じウィーン風でも、もう少しリズムの切れが良く、あえていえばザッハリッヒな演奏というところなんでしょう。

 他の曲は、いずれも思わせぶり序奏部があって、それが雰囲気をつくりつつ盛り上がったところで、ワルツが登場するというオーソドックスなパターンばかりですが、弦楽器をゆったりと動かして、舞曲といえあくまでも旋律重視だったり、節々にちょっぴり官能的なところがにじみ出たりするあたりは、レハールらしい個性というべきなんでしょう。こうやってまとまった形で聴くと、あらためてレハールの個性というものが分かったという感じです。曲としては「ジュディエッタ」がよかったかな。ワーグナー風に半音階で曲を盛り上げていくところが、いかにもレハールって感じでした。 
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シュトラウス ワルツ、ポルカ集/ボスコフスキー&ウィーンJSO (その2)

2006年02月04日 14時17分38秒 | クラシック(一般)
 という訳で、邦題を照合という手間に絡まれてしまいましたが、今、ようやくその中身を聴いているところです。とりあえず、「加速度円舞曲」を久しぶりに聴いてみたかったのでディスク2を聴いていますが、ボスコフスキーとウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団との組み合わせによるアルバムは、既に1枚だけもっていますし、ウィーン・フィルと録音したデッカ盤も数枚ありますから、演奏内容のようなものは特に驚きみたいなものはありません。当初の目的通り、ウィンナ・ワルツをごくごくスタンダードに楽しめるという感じです。

 私はウィンナ・ワルツなんて踊ったこともないのでよくわかりませんけど、例えばカラヤンなどと比べると、ウィーン風なリズムの句読点がとてもはっきりした演奏で、ある意味シャープさで小気味よささえ感じる勢いがありますから、けっこう「踊れる演奏」になっているんじゃないですかね。ウィーン風なリズムってのは、2拍目を前ノリで、3拍目を後ノリという具合に、ワルツに想定されたされたリズムの2,3拍目に揺らぎをもって演奏されることをいうんだろうと個人的には了解しているんですが、CDで聴ける演奏としては、この70年代の録音あたりで、「旧来のウィーン訛り」も終わったという感が強いです。これ以降のウィンナ・ワルツの演奏ってのは、ある意味「ウィーン訛り」自体が近代化してしまい。良くも悪しくもファミレスで食べる郷土料理みたいになっちゃいましたから....。ともあれ、こういう演奏を聴くと、ニュー・イヤー・コンサートとか大指揮者が録音した壮麗で磨き上げたウィンナ・ワルツの方が例外で、こういうのが「いわゆるウィンナ・ワルツ」なんだろうなと思わないでもないです。

 ちなみに、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団ですが、ヨハン・シュトラウスⅠ世が創設したオーケストラということですが、既に日本にも何度も演奏していてけっこう日本でもお馴染みのオケかもしれません、サイペンブッシュやエシェベが指揮した時など生演奏を聴いたことがありますが、大抵かなり刈り込んだ編成で、小気味よく、かつおおらかに演奏するという感じでした。この録音でも編成はおそらくかなり少なめで、いかにもローカルなオケという感じで鳴っているのがいいです。録音は70年代前半だけあって、元々はマルチマイクとおぼしきかなり楽器に近寄った感じの生々しい音だったはずですが、リマスタリングでかなりソフトな今風なバランスに調整しているようです。 
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AU Sony Ericsson / W32S

2006年02月03日 12時25分18秒 | PC+AUDIO

 おおよそ1~2年に一回の割合でとっかえている携帯ですが、そろそろ前の1402Sが古びてきたので、モバイルSuicaを使いたいとの理由でW32Sに取り替えてみました。これで私が使った携帯も6台目くらいになるんですかね。最初の2台はもうメーカーすら覚えていませんが、それ以降はもうずっとソニー、ジョグダイアルが使いやすかったのと、デザインが他社に比べていつも一頭値を抜いているような気がするのが理由です。しかし、今回のW32Sはデザインこそいつものソニエリ調なものの、なんとジョグダイアルがない!。これはけっこうショックです。ここ数日、代替機として使っていたW31Sもありませんでしたから、これってもうソニエリの既定路線なんでしょうか。ジョグダイアルの機能性ってのはなかなかのものでしたし、けっこうファンも多くて、他社との差別性という点でも大きなアドバンテージだった思うんですが、どうして止めちゃったんだろう。こういうところでもソニーさん迷走しちゃってんのかな(笑)。

 さて、この機種、昨日あたりからぼちぼち使ってますが、まず気がつくのはネット接続のサクサク感。さすがにCDMA1 X WIN方式はだてじゃないという感じで、よーやく、ほんとうによーやく(笑)、携帯やカードの類でまずまずストレスない速度が味わえたという気がします。なにしろ、これまでのAirHにしろ、携帯にしろ、とにかく回線の速度が遅すぎました。受け止め方に個人差はあると思いますが、パソコン上で光やCTでつながった高速な環境を当たり前のように享受している人間にとっては、ウェッブコンテンツの小さな画面の閲覧やちょっとした登録をしたいだけなのに、アナログモデム時代を彷彿とさせる遅さは、なんか納得しがたいものがありましたから.....。しかし、このくらいにサクサク動いてくれれば、路線検索でも、ちょっとした調べ物でも使ってみようかなという気にはなりました。これは個人的には画期的なことです(って気がつくの遅いか-笑)。あと、機種そのものも前に比べてかなり性能上がっているようで、画面の切り替えとかけっこう早いし、GUIも洗練され、日本語変換システムも細かいところで変更加えられていて、そこそこ使いやすくなっているあたりもポイント高いです。

 モバイルSuicaとかEdyとかは現在手続き中なもんで、使い勝手はよく分かりません。こちらの方はいずれ改めて書いてみようかと思ってますが、まぁ、なにはともあれ、この機種は速度ですね。それに尽きます。

 

■ ソニエリ 3台目 1402S (2004/05~)

■ ソニエリ 2台目 3014S (2003/01~)

■ ソニエリ1台目 C406 (2001/04~)

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シュトラウス ワルツ、ポルカ集/ボスコフスキー&ウィーンJSO (その1)

2006年02月02日 23時20分07秒 | クラシック(一般)
 正月に発注しておいたディスクが何枚か届きました。これはニューイヤー・コンサートで一時代を築いたボスコフスキーがウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団を振ったワルツ&ポルカ集です。70年代後半頃、ウィーン・フィル勇退後のボスコフスキーはこのオケを振ってシュトラウス関連作品を大量に録音していた記憶がありますが、おそらくこれはその中から集められたものでしょう。例によって5枚組で2500円という破格値につられたこともありますが、シュトラウス関連の有名曲をスタンダードな演奏で楽しみたかったってな理由も大きいです。

 ところで、このアルバムフランス盤なので、当然表記は全部フランス語(とドイツ語)な訳ですが、英語でさえちんぷんかんぷんな私だと、収録曲がさっぱりわからないのは参りました。聴けばいいのかもしれませんが、何が入っているのかわからないで聴くというのも気持ち悪いものがあるで、ネットで検索したり、自分の持っているディスクとタイトルを照合したりして邦題を調べてみたらところ、収録曲は以下のとおりでした。有名曲ばかり集めたのかとも思っていたんですが、ヨゼフやエドワルド・シュトラウスのけっこう地味なポルカなんかも入っていて、けっこうマニアックな選曲なようです。

 それにしても、CD5枚もあれば有名曲はもれなく入っているんだろうと思っていたんですが、前述のとおり地味な曲が入ったということもあるにせよ、5枚くらいだとまだまだ網羅できないもんですね。ざっと見渡したところでも、有名曲としてこういうアルバムに入っていておかしくない曲は、「こうもり」、「ジプシー男爵」、「天体の音楽」、「ピチカート・ポルカ 」「ウィーンのボンボン」「ハンガリー万歳」「エジプト行進曲」「アンネン・ポルカ」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「加速度円舞曲」「トランスアクティオン」「常動曲」「ラデツキー行進曲」「南国のばら」「とんぼ」といったところが入っていません。おそらくまだまだあるでしょう。こうなると有名曲を網羅するにはやはり10枚くらいは必要ということでしょうか....などと、照合しているうちに(全部わからなかった)今夜は終わってしまいました。あぁ。

  [Disc.1]
01 美しく青きドナウ 作品314
02 ワルツ「南国のバラ」作品388
03 ワルツ「ウィーン気質」 作品354
04 ワルツ「春の声」 作品410
05 ワルツ「芸術家の生涯」作品316
06 皇帝円舞曲 作品437
07 ワルツ「ウィーンの森の物語」作品325

  [Disc.2]
01 「加速度円舞曲」作品 234
02 山賊のギャロップ 作品 378
03 「入り江のワルツ」作品 411
04 ポルカ「浮気心」 作品 319
05 「爆発ポルカ」 0p.43
06 ワルツ「わたしの恋人」 作品418
07 ポルカ 「突進」作品348
08 ポルカ「雷鳴と電光」作品324
09 喜歌劇「ローマの謝肉祭」序曲
10 ワルツ「酒、女、歌」作品333
11 ポルカ「短いことづて」作品240
12 「なかよしワルツ」作品367
13 ポルカ「陽気に」作品301
14 ワルツ「謝肉祭の絵」 作品357
15 ワルツ「カーニバルの使者」 作品270

  [Disc.3]
01 ポルカマズルカ「オーストリアからの挨拶」作品359
02 ポルカ 「ドナウ川のほとりから」作品356
03 「よろこびのポルカ」作品127 (Eduard)
04 ポルカシュネル「Unter der Enns」 作品121 (Eduard)
05 喜歌劇「ウィーンのカリオストロ」序曲
06 喜歌劇「女王のハンカチーフ」序曲
07 ワルツ「ドナウのおとめ」 作品427
08 ポルカ「休暇旅行にて」作品133 (Josef)
09 ポルカ「工事中」作品 166 (Eduard)
10 「特急ポルカ」作品311
11 「ジプシー男爵」からカドリーユ
12 「キッス・ワルツ」 作品400
13 ポルカ「Wo man lacht und lebt」作品108 (Eduard)
14 ポルカ「Faschingsbrief」作品203 (Eduard)
15 ポルカ「テープは切られた」作品168 (Eduard)
16 ポルカ「喜んで」作品228 (Eduard)

  [Disc.4]
01 ワルツ「朝刊」作品279
02 ポルカ「ないしょの手紙」作品252 (Josef)
03 ワルツ「文芸欄」作品293
04 「スポーツ・ポルカ」作品 170 (Josef)
05 ワルツ「びら」作品300
06 ワルツ「心の高揚」作品215
07 フランス風ポルカ「最後のつめ」作品377
08 ワルツ「社説」作品273
09 フランス風ポルカ「パトロンのご婦人方」作品286

  [Disc.5]
01 ワルツ「オーストリアの村つばめ」作品164 (Josef)
02 ポルカ「飛んで」作品230 (Josef)
03 ワルツ「うわごと」作品212 (Josef)
04 ポルカ「前へ!」作品127 (Josef)
05 ポルカ「おしゃべり女」作品144 (Josef)
06 ポルカ「憂いもなく」作品271 (Josef)
07 ポルカ「短いことづて」作品269 (Josef)
08 ワルツ「ディナミーデン」作品258 (Josef)
09 ポルカ「女心」作品258 (Josef)
10 ワルツ「水彩画」作品258 (Josef)
11 ポルカ「騎手」作品278 (Josef)
12 ワルツ「わが人生は愛と喜び」作品263 (Josef)



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