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許同恩(レベッカ・シュー)/倣自己

2006年02月05日 13時50分10秒 | 台湾のあれこれ
 許同恩(レベッカ・シュー)のデビュウ作、台湾の豐華唱片(フォワード・ミュージック)というレーベルから一押ししている人のようです。本国ではかなりヒットも記録して、「ポスト阿妹(アーメイ)」などともいわれいるようですが、詳しいことはよくわかりません。大体、台湾のこの手のレコード会社といったらロック・レーベルしか知らないし、アーメイもそんなに聴いてないですからね。いきなり「豐華唱片期待の新人」といわれても、豐華唱片?はぁ??って感じ(笑)。

 聴いてみると、この人も基本的にここ10年くらいの台湾ニュー・ウェイブ以降の音。ジャケのイメージからするとシャウト系のロック・シンガーみたいな感じですが、内容はネイチャー系ミクスチャー・ロック(?)で、ゴスペル風なフォーク・ロックをメインに、テクノ&ハウス風なリズム、アンビエント風なシンセ音、クラシカルなチェロやストリングスなんかがのっかるという感じ。ヴォーカルもナチュラル指向の等身大系(??)というか、ある意味最近お気に入りのチャン・メイチーなんかと共通するような、さりげなさと清涼感がポイントになるんでしょう。ただ、歌はチャン・メイチーよりたぶん巧いです。この人ハーフトーンで歌いつつ、随所にフィルセットを織り交ぜていくパターンが多いんですけど、そのコントロールの巧さは新人とは思えないテクニックを感じさせます。ちなみにアルバムのそこかしこで聴こえるチェロは自分で弾いているようですし、音楽的にはかなりの才媛とみました。

 収録曲としては、やはり半数を占めるバラード系の曲が良かったです。しかし、台湾のバラードというのは、本当にメロディーがツボをついています。懐かしくて、人懐っこくて、ちょっと哀感もあるそのメロディーは、表向きのサウンドが変化しても台湾ポップに脈々と流れている伝統ですね。こういうのって、ハングルや広東語系のポップスなどより、よほど日本で受けそうな要素あると思うんですけどね。プレゼンする人や会社がいないのかな。
 ちなみに2,6,7,8,10曲目あたりがおそらく今時な台湾の音なんでしょうね。ギター・ロックやハウス風なリズムを主体としてごちゃまぜで、こういう曲をちょっと突き放すようにむ歌うあたりもなかなかチャーミングです。ちなみに4曲目のアンビエント風なサウンドにのってしっとり歌う感じも意外と良かった。

 ちなみにこのアルバム、ジャケはDVDケースのような縦長で、レベッカ・シューが写った透明ケースに、ジャケ本体を入れると絵柄が完成するという、センスいいんだか悪いんだかよく分からない仕様になってます。ブックレットも縦長でちょいとした写真集みたいになっているあたりがいかにも台湾風な豪華さでちょっとうれしい。
 しかし、このクウォリティ、しかもヒットしたのだったら、すぐさま2枚目も出すんだろうから、そしたらやっぱ買わなきゃいかんなぁ。とりあえず注目しておこう。

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