キース・ジャレットがゲイリー・ピーコックとジャック・ディ・ジョネットと組んだトリオ、通称スタンダーズは最初(1985年)のライブ盤です。ご存じの通り、彼は現在でもピアノ・トリオの最高峰としてジャズ界の頂点に君臨していて、出すアルバムはことごとく高い評価を得ている訳ですが、個人的にはこのアルバムがスタンダーズとしては一番か二番くらいに好きという感じです。
理由は「星影のステラ」が入っていること。そもそも「星影のステラ」という曲自体私は大好きなのですが、おそらく数あるこの曲の演奏でも、これは間違いなくそのトップに来る名演中の名演だと思うからです。まず冒頭のソロがいい、思索的なムードの中、メインの旋律を最初は薄っすらと、そして次第にはっきりと暗示しつつ3分間ほどラプソディックにソロを展開していく訳ですが、キース流の叙情と「星影のステラ」の旋律が微妙に交錯して、静かな緊張感を感じさせるのです。そしてその後、いよいよテーマが今度はトリオで演奏される訳ですが、最初にベースが流れるように入ってきて、次にブラシが楚々と続く阿吽の呼吸感は最高です。こんな「星影のステラ」やられた日には、ほとんどのジャズ・ミュージシャンが敗北感を抱くんではないかと思うほどですが、少なくともこの前半部分はスタンダーズが見せた「最高の瞬間」のひとつであることは間違いないところだと思います。もちろんそれ以降、次第にテンションが高まり、ホットな展開に発展してく流れも見事だし、キースの音楽にエレガントな品格を与えるゲイリー・ピーコックのベース、キースの音楽のユニークさを独特の句読点で、リズムの点から拡大していくデジョネットのドラム(とくにシンバル)と、三者の絡みはほとんどエクセレントです。
それにしても、このトリオ、何回か中断も挟んだりしながらも、結局は20年以上やってきたことになるんですねぇ。なんかもう最近になると、「ケルン・コンサート」などで有名なソロ・パフォーマンスより、「スタンダーズのキース」のイメージの方が強くなってしまったような感はあるし、ピアノ・トリオにしても、もうこれ以外メンツでやることを想像する方が難しくなっているような気がしますが、個人的にはやはりこの作品あたりが、一番鮮やかな印象が残ってますね。
理由は「星影のステラ」が入っていること。そもそも「星影のステラ」という曲自体私は大好きなのですが、おそらく数あるこの曲の演奏でも、これは間違いなくそのトップに来る名演中の名演だと思うからです。まず冒頭のソロがいい、思索的なムードの中、メインの旋律を最初は薄っすらと、そして次第にはっきりと暗示しつつ3分間ほどラプソディックにソロを展開していく訳ですが、キース流の叙情と「星影のステラ」の旋律が微妙に交錯して、静かな緊張感を感じさせるのです。そしてその後、いよいよテーマが今度はトリオで演奏される訳ですが、最初にベースが流れるように入ってきて、次にブラシが楚々と続く阿吽の呼吸感は最高です。こんな「星影のステラ」やられた日には、ほとんどのジャズ・ミュージシャンが敗北感を抱くんではないかと思うほどですが、少なくともこの前半部分はスタンダーズが見せた「最高の瞬間」のひとつであることは間違いないところだと思います。もちろんそれ以降、次第にテンションが高まり、ホットな展開に発展してく流れも見事だし、キースの音楽にエレガントな品格を与えるゲイリー・ピーコックのベース、キースの音楽のユニークさを独特の句読点で、リズムの点から拡大していくデジョネットのドラム(とくにシンバル)と、三者の絡みはほとんどエクセレントです。
それにしても、このトリオ、何回か中断も挟んだりしながらも、結局は20年以上やってきたことになるんですねぇ。なんかもう最近になると、「ケルン・コンサート」などで有名なソロ・パフォーマンスより、「スタンダーズのキース」のイメージの方が強くなってしまったような感はあるし、ピアノ・トリオにしても、もうこれ以外メンツでやることを想像する方が難しくなっているような気がしますが、個人的にはやはりこの作品あたりが、一番鮮やかな印象が残ってますね。