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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

COLDPLAY / Parachutes

2006年02月05日 14時51分42秒 | ROCK-POP
 6月にふとしたきっかけで購入したコールドプレイの「X&Y」は、一聴してすぐに気に入り、その後聴けば聴くほどに「こりゃ、10年に一度みたいな、どえらいアルバムだ」と感服しまくっていた訳ですが、その勢いで購入した前作にあたる「静寂の世界」の方は、「X&Y」のような張りつめたようなところがなくて、全体に今一歩決め手に欠くという印象だったもんで、「やっぱコールドプレイってサード・アルバムで化けたのね」という感じで、少々気分が萎えてしまい、デビュウ作であるこの「パラシューツ」の方は、「静寂の世界」と同時に購入してはいたのですが、半年も放置と相成ってました。

 さて、本日よーやく聴いたこのデビュウ作ですが、第2作より数段いいです。なんで今まで聴かなかったんだろうという感じ(こういうの多いな>私)。第2作でいささかスポイル気味だった、コールドプレイらしい切なさとか哀愁といったもがビビッドに感じられますし、デビュウ作らしく随所に初々しさみたいなもの感じ横溢しているもいいです。もちろん「X&Y」のような緊張感とか、万人を唸らせるようなポピュラリティみたいなものは、この時には未だなくて、あくまでもUKインディーズ特有の自閉症的な音づくりの延長ではありますが、それにしたってインディーズとメジャーの狭間でもがいているみたいな第2作に比べれば、『大傑作「X&Y」の原型』という位置づけでスレトートに楽しめますね。

 あと、このアルバムは全体にゆったりしてます。若手のギター・バンドにありがちなアップ・テンポでソリッドに押しまくるというところがほとんどなくて、あえていえば牧歌的ともいえる素朴なバンド・サウンドに、奇妙な浮遊感のようなものが絡んで独特な世界を構築しています。具体的にいえば、白玉専門という感じのキーボードにうねるギターでもって、音楽のパースペクティブを広げ、そこにちょいと倦怠感と妙な叙情が入り交じったようなヴォーカルがのると、不思議なコールドプレイの世界が現れるといった感じでしょうか。まっ、そういう意味ではこのアルバムの音楽に関していうなら、確かにレディオヘッドに似ているともいえなくないです。という訳で、これも問答無用でiPod行き決定です。 
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許同恩(レベッカ・シュー)/倣自己

2006年02月05日 13時50分10秒 | 台湾のあれこれ
 許同恩(レベッカ・シュー)のデビュウ作、台湾の豐華唱片(フォワード・ミュージック)というレーベルから一押ししている人のようです。本国ではかなりヒットも記録して、「ポスト阿妹(アーメイ)」などともいわれいるようですが、詳しいことはよくわかりません。大体、台湾のこの手のレコード会社といったらロック・レーベルしか知らないし、アーメイもそんなに聴いてないですからね。いきなり「豐華唱片期待の新人」といわれても、豐華唱片?はぁ??って感じ(笑)。

 聴いてみると、この人も基本的にここ10年くらいの台湾ニュー・ウェイブ以降の音。ジャケのイメージからするとシャウト系のロック・シンガーみたいな感じですが、内容はネイチャー系ミクスチャー・ロック(?)で、ゴスペル風なフォーク・ロックをメインに、テクノ&ハウス風なリズム、アンビエント風なシンセ音、クラシカルなチェロやストリングスなんかがのっかるという感じ。ヴォーカルもナチュラル指向の等身大系(??)というか、ある意味最近お気に入りのチャン・メイチーなんかと共通するような、さりげなさと清涼感がポイントになるんでしょう。ただ、歌はチャン・メイチーよりたぶん巧いです。この人ハーフトーンで歌いつつ、随所にフィルセットを織り交ぜていくパターンが多いんですけど、そのコントロールの巧さは新人とは思えないテクニックを感じさせます。ちなみにアルバムのそこかしこで聴こえるチェロは自分で弾いているようですし、音楽的にはかなりの才媛とみました。

 収録曲としては、やはり半数を占めるバラード系の曲が良かったです。しかし、台湾のバラードというのは、本当にメロディーがツボをついています。懐かしくて、人懐っこくて、ちょっと哀感もあるそのメロディーは、表向きのサウンドが変化しても台湾ポップに脈々と流れている伝統ですね。こういうのって、ハングルや広東語系のポップスなどより、よほど日本で受けそうな要素あると思うんですけどね。プレゼンする人や会社がいないのかな。
 ちなみに2,6,7,8,10曲目あたりがおそらく今時な台湾の音なんでしょうね。ギター・ロックやハウス風なリズムを主体としてごちゃまぜで、こういう曲をちょっと突き放すようにむ歌うあたりもなかなかチャーミングです。ちなみに4曲目のアンビエント風なサウンドにのってしっとり歌う感じも意外と良かった。

 ちなみにこのアルバム、ジャケはDVDケースのような縦長で、レベッカ・シューが写った透明ケースに、ジャケ本体を入れると絵柄が完成するという、センスいいんだか悪いんだかよく分からない仕様になってます。ブックレットも縦長でちょいとした写真集みたいになっているあたりがいかにも台湾風な豪華さでちょっとうれしい。
 しかし、このクウォリティ、しかもヒットしたのだったら、すぐさま2枚目も出すんだろうから、そしたらやっぱ買わなきゃいかんなぁ。とりあえず注目しておこう。
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レハール 喜歌劇「メリーウィドウ」/アッカーマン&PO他

2006年02月05日 02時00分07秒 | クラシック(一般)
 こちらは「メリー・ウィドウ」の抜粋盤です。エリザベート・シュワルツコップがハンナを歌った録音はEMIに2種類ありますが、こちらが古い方で1953年の収録ですから、もちろんモノラルで、指揮はオットー・アッカーマンでオケがフィルハーモニアという布陣です。モノラルとステレオのどちらが有名かといえば、私など子供の頃からシュワルツコップが羽根帽子をかぶったジャケットを知っていたくらいですから、これはもう圧倒的に後者の方なんでしょうが、巷でのこちらの評価はどうなんでしょうか?。

 さて、このアルバムは序曲から始まります。先日のフォルクス・オーパーのアルバムを「序曲から最後まで入っていて満足」旨のことを書きましたが、あれは間違いでした。序曲だと思っていたのは第一幕の序奏にあたる部分で、実は序曲はカットされていたようです。ヴェルディとかワーグナーに習って、レハールも序曲を止めたんだろうくらいに思っていた訳ですけど、劇中の印象的なフレーズをつぎはぎしたまさに序曲らしい序曲があったんですね、最初ぎょっとしました。ただ、まぁ、この序曲、まとまりという点ではいささか難点があるかも、全体にとっちらかった感もあってカットされるのも、まぁ、理解できなくもありません。

 で、肝心の本編ですが、なかなかいいです。フォルクス・オーパー流の下世話な「メリー・ウィドウ」ではなく、一流のオペラハウスで聴く「メリー・ウィドウ」という感じです。このアルバムはEMIのプロデューサーであるウォルター・レッグが奥方のシュワルツコップを全面に出すべくして作ったはずですから、シュワルツコップのハンナがメインで、カラヤンのようにオーケストラ・サウンドでも聴かせるというところはあまりないですが、全体の雰囲気というかムードのようなものは、通俗味を廃した格調高いもので、いろいろな意味でフォルクス・オーパーとは対照的な演奏というべきでしょう。レハールらしい陶酔的なムードはあまりないのが玉に瑕ですが、個人的にはこういう整然とした演奏はキライではないです。ほとんどどこをカットしているかわからない抜粋構成もお見事。

 それにしてもこれEMIが元ソースなのにどうしてNaxosから出てるんですかね。著作権切れとか、そういう手を使って綱渡りで出した海賊版すれすれのものなんですかね。レコードおこしかとも思ったんですが、スクラッチ・ノイズが聞こえませんから、CDからトランスクリプションしてるかもしれません。独特のリスマスタリングをしているようで、非常に雰囲気ある音であるのもポイント高いです。
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