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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ショパン ピアノ作品集/フランソワ

2006年02月22日 23時19分32秒 | クラシック(一般)
 昨年後半に購入してきたものですが、なんだか久しぶりにショパンのピアノ・ソナタを聴いてみたくなったので封を切ってみました。ショパンの音楽についていうと、私はあまりつっこんで聴いたことはありませんが、確か一番最初にショパン入門として購入してきたのは、このサンソン・フランソワによるショパンの有名曲ばかりを集めたLP2枚組のベスト盤だったような気がします。その後、アルゲリッチやポリーニのなどもアルバムも購入することになる訳ですが、あまりのめり込んで聴くところまでいかなかったのは、当時、その後に聴くべき作曲家がありすぎて、焦っていたせいかもしれません。いかにも私の好きそうな音楽ではあるんですかねぃ。

 このボックス・セットを購入してきたのもは、前記のベスト盤を思い出したからで、もう一度フランソワの弾いたポロネーズや幻想曲を聴きたいと思ったという単純な理由です。もっとも今聴いているのは前述の通りソナタなのですが.....。ショパンの残した2曲のソナタはどちらも傑作というべきでしょう。どちらかといえば散文的な曲に多数の傑作を残したショパンが、珍しく構築的な曲に挑戦したということで、ピアノ協奏曲あたりと並んで「柄にもない作品」なのかもしれませんが、古典的な鋳型とそこに収まりきらないロマン派的な感性のせめぎ合いみたいなものが、ちょっとブラームスの煩悩を思わせるところもあって、個人的には好きなんです。

とくに第3番は第1楽章のソナタ形式とラプソディックな奔放さがかろうじてバランスしているところが良くて、7分あたりからふいに我を忘れて夢想してしまっているかのような場面など最高に素敵だし、緩徐楽章として用意された第3楽章はドミニク・サンダとジョン・モルダー・ブラウンが主演した「初恋」に確か使用された(ちがったっけ?)、甘美でロマンティック極まりない曲で(特にアルペジオで演奏される第2主題とか)、もちろんコレ単体で聴いても良いのですが、ちょいとアブストラクトでシュールな感じもする第2楽章のスケルツォと精力的な第4楽章の間におかれることによって、その美しさがより引き立つと思うので、やはりソナタのパーツとして聴く方が好き。

 それにしても、私は一番最初これらの曲を誰の演奏で聴いたんでしょう?。フランソワの2枚組にソナタは入っていなかったような気がするし、ポリーニはまだ録音していなかったハズだし、やっぱアルゲリッチだったのかなぁ??。なにしろその時のことを覚えてないので、このフランソワの演奏はなんともいえませんが、非常に甘美で詩的な気分が強い演奏という印象を受けたのは、当方の先入観というものでしょうか(笑)。 
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R.シュトラウス管弦楽作品集/クレンペラー&PO

2006年02月22日 00時45分21秒 | クラシック(一般)
 これもオークションで購入したもので、やはり600円くらいの格安価格で購入したものです。クレンペラーという指揮者は昔から気にはなっていたのですが、ほとんど聴いたことがなかったもので、このところR.シュトラウスを聴きつけているのを幸いに、彼の演奏がどんなものか確かめておくのも悪くない....と思って落札してみました。このくらい価格だと割と気軽に落札できるのはいいんですが、この調子で増えていくと際限なくなるおそれもあって、ほどほどにしなくちゃいけないと自戒しているですが、なかなかストップが効かない(笑)。ともあれ、今さっそく「ドン・ファン」を聴いているところです。

 一聴した印象としては、派手さを押さえ、かなり遅目の雄大なテンポで貫いたドイツ流に無骨な「ドン・ファン」という感じなのですが、何故かエキセントリックなところも感じます。どこがどうと指摘するのは、私の乏しい語彙ではなかなか難しいのですが、思い当たるのはどうも対位法的な面をけっこう強調していて、主な旋律線の裏で鳴っているフレーズだの、モチーフだのがことさらよく聴こえてくるもんだから、そう感じるような気がしないでもないです(まぁ、EMIの分析的な録音というのも無視できませんが)。このせいでドイツ流の巨大スケール感のようなものと、解剖学的に音楽を分析していく神経質なところが同居して、「どっしりしているんだけど、なんか落ちつかない」みたいな印象を受けてしまうのかな?と思ったりしています。

 そういう演奏なので「ティル」についても、主にこの曲のグロテスクなスケルツォという面を中心に据えて、重厚かつ克明に演奏したという印象で、この曲のユーモラスな面や絵画的なところは希薄です。あまりにまじめくさって演奏しているせいで、本来笑うべきところが笑えないというか....。「死と変容」は「ティル」以上に遅い、やたらと克明な演奏で、中間部のアレグロの部分も炸裂するような感じはほとんどなく、なにやら押し寄せる重圧感ばかりが印象的な、やや燃焼不足なR.シュトラウスという感もあります。ただ、静かな部分は逆に非常に幻想的で、なんだからマーラーの9番とか10番あたりの深刻さを思わせるムードはあってこのあたりいい感じ。
 という訳で、一聴した印象を書いてみましたけど、これは何回か聴かないとたぶんよく分かんない、ある意味難解な演奏という気がしました。ふーん、クレンペラーってこういう感じなんですねぃ。
コメント (2)
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