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ハイドン 交響曲第13番「チェロ」/フィッシャー&AHハイドンPO

2006年02月20日 23時19分04秒 | ハイドン
 両端楽章が短く(約3分半)、中間楽章が長い(約5分半)という比較的珍しいバランスの作品です。全体から受ける印象ととしては、ささっとはじまり、充分こねくり回し、一陣の風の如く終わるという感じ。躍動的な部分が短く、ゆったりとした部分が長いというのは、重厚感を出しやすい反面、ダレ気味になるというところもあるとは思いますが、そこはさすがに職人ハイドンなので、いろいろ趣向をこらしている訳で....それでは、各楽章を軽くさらってみたいと思います。

 第1楽章は第1番の同楽章に似た感じの伸びやかな推進力とちょっとモーツァルト的な明るさを感じさせます。また、いつもどおりに短調もまじえた展開部を経て、主題が回帰する時にカノン風に現れるホルンは新鮮な印象がありますね。第2楽章はチェロを独奏に据えたアリア風の緩徐楽章で、子守歌のような心地よさとほのかな格調の高さを伴いつつ優雅な歌をチェロが奏でてなかなか魅力的。後半ちょっと感情がたかぶるようになる部分もよいアクセントになってます。
 第3楽章は型どおりのメヌエットで、主部はごくごく普通のメヌエットという感じではありますが、突然現れるティンパニに後年の「驚愕」を感じさせたりするのがおもしろいところですかね。トリオでフルートがバロック風な陰影を感じさせるソロをとるあたりがこの楽章の聴きどころでしょう。最終楽章は「ジュピター」を思わせる4つ音が導入に現れるのにちょっと驚きますが、これはこれ以前の曲でもありましたから、当時としてはありがちな音型だったのかもしれません、ただ、これがフーガのように幾層にも重なりつつ出てくると、やはり「ジュピター」を思わせずにはいられません。上昇していくよう感じもそういえばモーツァルト的ですね。

 さて、お約束の標題ですが、第2楽章のアリア風な旋律をチェロが歌うのが、個人的にこの曲のもっとも好きな部分であり、また聴きどころだとも思いますので、ここでは第1楽章後半のホルン、第3楽章のティンパニやフルート、第4楽章の「ジュピター」風な音型にはこの際目をつぶり(笑)、単刀直入に「チェロ」としました。うーん、やっぱちょっと芸がなさすぎるかな。
コメント
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