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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

拉麺 阿修羅

2007年02月15日 20時59分27秒 | others
出張で浦安の某教育機関に出向く途中で寄った船橋にあるラーメン屋である。この手の情報に詳しい同行者が雑誌だのネットだのあれこれ探して、見つけてみたものだが見つけ出した店だが、なんでも某シティ雑誌で去年の千葉県ラーメン屋ベスト1に選ばれたとかで、胡麻ラーメンというのが「売り」らしい。着いたのは昼の12時近く、そういう店だから、さぞや長蛇の列になっているのかと思いきや、そうでもなくちょっと待っただけで座席に座れたのは幸いであった。

 店内は昭和30年代風の雰囲気に、ボーズのスピーカーが天井に鎮座して流れているのは洋楽という、チープになのか、金がかかっているか、一見良くわからない、今風のモダンスタイル。中では地元の人とおぼしき中年のオッサンが黙々とラーメンを食べている。私が注文したのは、当然胡麻チャーシューメンである。ほどなくと届いたのは、黄色いスープに胡麻がふんだんにばらまかれたまことにユニークな外観の代物であった(真っ黒なにんにく油も強烈なインパクトがある-笑)。で、一口スープをすすってみると、「なんだこれは」という味でなのある。
 細かい分析はその道の達人におまかせするとしても、ベースとなっているのは割とスタンダードな鳥ガラスープで、そこにスプーン何杯分だかのすりごまが入ったスープがブレンドされいて、そのバランスが絶妙というか、奇妙なうまさを醸し出しているのである。普通に考えて、すり胡麻の甘みと醤油味のスープはどうみても合わないはずだが、ここでは生姜の隠し味など交えて、グロになるすれすれのところで「おいしい」と感じるの領域に引きこんでいるあたりはさすがというところ。なにしろ、麺を全部食べるころにはこのスープの奇妙な美味さにすっかりひきこまれてしまっていたほどだから....。

 という訳で、このラーメンは「へぇ、極め尽くされたラーメンにもまだこういう美味さを開拓する余地があったんだね」と思わせるユニークさがある。つまりいろいろなラーメンを食い尽くして食傷しているような人が、思わずうなるような、通向け、評論家向けに味といっていい。いや待て、今の食傷日本では一億総ラーメン評論家になってしまっている現状からして、こういう方向は意外と正解なのかも?。ともあれ、この味には脱帽した。
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マーラー 交響曲第5番/シノーポリ&フィルハーモニアO

2007年02月15日 12時43分38秒 | マーラー+新ウィーン
 これも初めて聴く演奏です。シノーポリのマーラーはほぼリアルタイムで第2番を聴いたことがあるのですが、当時、新進気鋭だった彼の演奏は、なにかにつけ「精神医出身」というキーワードで評価される場合が多く、私もそうした先入観に毒されていたのかもしれません。この第2番にも怜悧で透徹した趣の演奏を期待し過ぎたのか、実際聴いてみると演奏にせよ、音質にせよ、「別に普通じゃん」という感じで、むしろモノトーンといいたいような演奏や録音が冴えねぇな...などと、思ったほどでした。以降、彼のマーラーはとんとごぶさたになっていたのですが、近年、インバルやテンシュテットと同様、格安のボックスセットが出たおかげで、この全集も2,3年前に購入し、さきほどようやく封を切ったという訳です。

 さて、この5番を聴いてみた印象ですが、ある種の克明さと熱気のようなものが妙な具合で混在しているところが他の演奏と違う点かなと思わないでもないですが、全般的な印象としては第2番の時と同様で、とりたてて凄いとか特筆すべきユニークさだとかはあまり感じられませんでした。全般に水準の高い演奏だとは思いますし、ダレたり退屈するようなところがある訳ではないのですが、世に言われているような特徴は、私の凡庸な耳(笑)では感じとれない....といったところでしょうか。前述の「精神医出身の指揮者」的な先入観などもはやありませんし、かなり白紙の状態で聴いたつもりなんだけどなぁ。そんな訳で、正直な印象としては、解釈のユニークさ故にセカンド・チョイスにするような演奏というより、むしろファースト・チョイス向きなごくごくまっとうなマーラーといった感じすらします。まぁ、まだ一回聴いただけなので、即断は早計ですが(笑)。

 ちなみに録音ですが、なかなか優秀です。正統派のDGサウンドとでもいうべき音で、調度60~70年代のカラヤンに代表されるような、ちょいとばかり平板だけど、そびえ立つオケの量感や質感のようなものをよく伝えるあのサウンドを、80年代中盤のデジタル技術でもってそのままリファインした音という感じですかね。
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マーラー 交響曲第5番/インバル&フランクフルトRSO

2007年02月15日 00時03分45秒 | マーラー+新ウィーン
 ここから初めて聴く演奏がけっこう出てきます。まずはインバルとフランクフルト放送響による国内のメーカー、デンオンで制作されたマーラー全集からの一枚。確かこれが第1作だったはずで(86年収録)、デンオン独自のデジタル&ワンポイント録音の優秀さがオーディオ・ファンを瞠目させ、演奏そのものの評価も高く国内の賞を軒並かっさらうという、かなりの話題盤だったよう記憶があります。もっとも、当時の私はデンオン・レーベルの出すインバルの新譜は高すぎて手が出ず、巷の評を読んではよだれを垂らしていただけったのですが、現在は超廉価ボックスセットで人気を博しているブリリアントに全集ごと組み込まれたおかげて、昨年だったかこのインバルによるマーラー全集をわずか5000円足らずでゲット、いゃぁ、いい時代なったものです。

 まぁ、そういうアルバムなので、こちらの関心もまずは録音ということになってしまうのですが、これは確かに素晴らしい録音ですね。20年も前の録音ですが、現在の感覚で聴いても今風な優秀録音として立派に通用する、豊かなホールトーンとあまり神経質にならない範囲での高解像度をもった、まさにナチュラルとしかいいようがない音質で、聴いていてある種の快感を感じます。私の場合、もともとロック・ファンだったことや、時期的に楽器に近接したマルチマイクで収録したハイファイ録音で育ったもので、ワンポイント(的なもの含む)録音というのは、時に芯のない曖昧な音と感じて欲求不満になってしまうこともあるのですが(リヴィング・プレゼンスは当然除く)、こちらはそのあたりをぎりぎりクリアしているという感じで、弦など多少遠い感じもしますが、確かにホールではこういう鳴り方をしているような気もしますし、テンシュテットのようにあまりに遠いという印象がないのがいいです。またテラークのような「厚いけど鈍い」という音ではなく、やけにさらさらとして透明感が高いのは日本人スタッフによる和風な感覚が反映したというところなのかもしれません。

 演奏ですが、これといってどこにも違和感のない「80年代の古典化した交響曲としてマーラーを振った演奏」の典型だと思います。鋭角的な印象はなくともリズムがしっかりとグルーブしている点、旋律はそれこそたっぷりと歌うが、情緒過多になる一歩手前でスマートに表現している点、昔の指揮者だとグロテスクに演奏しがちだった荒れ場をスポーティーな運動性に還元してしまえる点などなど、70年代のレヴァインあたりから始まったモダンなマーラー解釈の延長線に位置する感じが強いです。まぁ、ひとくちでいえば、テンシュテットほど情念的でもないが、レヴァインほどネアカでもないといったところで、これは良い意味でいうのですが、あらゆる面で過不足のないマーラー演奏といえるでしょう。60年代ハイティンクをモダンのリファインした演奏となどいったら、ハイティンクが好きな方に怒られるかもしれませんが、個人的には全集魔ということでどうもイメージだぶるんですよね(笑)。
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