Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ザ・キワモノの軌跡~キワモノ宣言 (`89-`91) #5

2007年02月01日 18時22分57秒 | JAPANESE POP
 「古今東西」でキワモノ・アーティストとして頂点を極めた森高が、それに続いてリリースした作品が「ロック・アライブ(`92)」である。個々の作品は前作を踏襲した体裁の作品ではあるが、その刹那的なキワモノ性は明らかにパワーダウンしている。

 それはアルバム冒頭を飾る「コンサートの夜」で早くも明らかであろう。高校時代最後に行ったコンサート夜の感動を歌った作品だが、そのナイーブな情感は確実に森高の変貌を匂わせたし、「ファイト」という学生応援歌のような代物も同様であった。また、こともあろにロンドンに行って、ケビン・ライトのオケで、ボサノバを歌う「ボッサ・マリア」は、キワモノとしては最高におもしろいアイデアのハズだったが、でき上がったのは「キワモノしてたまるか」という森高の気合いばかりが空転する柄にもなく努力賞物の仕上がりであったのも、まさに過渡期を感じさせる作品であったといえよう。

 もちろん、一方、ド演歌「酔わせてよ今夜だけ」とかキッチュな4ビート・ナンバー「ブルー・ブルース」のようなキワモノ路線の曲もある。が、両者の落差は限りなく大きい....というか、期せずしてが広まった印象はぬぐえまい。そこに何があったのかは、その後の彼女の音楽を見れば一目瞭然だが、少なくとも前作の全てを屈服させるような勢いは急速に衰退してしまったのは確かである。ついで云えば、従来路線の名曲といえる「私がオバサンになったも」からして、自らのキワモノとしての限界を告白したものと勘ぐれそうな歌詞に、そもそもその全てが象徴されていたと読むのは、あまりにもうがった見方だろうか。ともあれ、ザ・キワモノは終わりを迎えたることになるのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする