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マーラー 交響曲第5番/シノーポリ&フィルハーモニアO

2007年02月15日 12時43分38秒 | マーラー+新ウィーン
 これも初めて聴く演奏です。シノーポリのマーラーはほぼリアルタイムで第2番を聴いたことがあるのですが、当時、新進気鋭だった彼の演奏は、なにかにつけ「精神医出身」というキーワードで評価される場合が多く、私もそうした先入観に毒されていたのかもしれません。この第2番にも怜悧で透徹した趣の演奏を期待し過ぎたのか、実際聴いてみると演奏にせよ、音質にせよ、「別に普通じゃん」という感じで、むしろモノトーンといいたいような演奏や録音が冴えねぇな...などと、思ったほどでした。以降、彼のマーラーはとんとごぶさたになっていたのですが、近年、インバルやテンシュテットと同様、格安のボックスセットが出たおかげで、この全集も2,3年前に購入し、さきほどようやく封を切ったという訳です。

 さて、この5番を聴いてみた印象ですが、ある種の克明さと熱気のようなものが妙な具合で混在しているところが他の演奏と違う点かなと思わないでもないですが、全般的な印象としては第2番の時と同様で、とりたてて凄いとか特筆すべきユニークさだとかはあまり感じられませんでした。全般に水準の高い演奏だとは思いますし、ダレたり退屈するようなところがある訳ではないのですが、世に言われているような特徴は、私の凡庸な耳(笑)では感じとれない....といったところでしょうか。前述の「精神医出身の指揮者」的な先入観などもはやありませんし、かなり白紙の状態で聴いたつもりなんだけどなぁ。そんな訳で、正直な印象としては、解釈のユニークさ故にセカンド・チョイスにするような演奏というより、むしろファースト・チョイス向きなごくごくまっとうなマーラーといった感じすらします。まぁ、まだ一回聴いただけなので、即断は早計ですが(笑)。

 ちなみに録音ですが、なかなか優秀です。正統派のDGサウンドとでもいうべき音で、調度60~70年代のカラヤンに代表されるような、ちょいとばかり平板だけど、そびえ立つオケの量感や質感のようなものをよく伝えるあのサウンドを、80年代中盤のデジタル技術でもってそのままリファインした音という感じですかね。

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