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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

マーラー 交響曲第5番/バーンスタイン&ニューヨークPO

2007年02月11日 18時40分37秒 | マーラー+新ウィーン
 なんか、このところマーラーの5番の聴き比べにいそしむ毎日になってしまいましたが(笑)、マーラーの5番といえば個人的に忘れられないのは、私がこの曲を一番最初に聴いたバーンスタインとニューヨークPOの演奏。去年も書いたとおり、この曲についてはその後、様々な優れた演奏を聴いたせいで、あまり顧みることもなくなってしまっていた訳ですけど、やけに身振り手振りが大きく、ゴツゴツとして荒々しいまでに激しい演奏は、良くも悪しくも私の脳裏に焼き付いていていたことは確か。昨年のレビュウした時はそんな感触を楽しみたくて久しぶりに聴いた訳ですけど、CD化に際してどうもノイズリダクションをかけたらしく、ずいぶんおとなしい音になってしまっていて、すこしばかりがっかりしたものでしたが、今回は再び聴いてみたところやはり違和感が大きいです。

 私が聴いたLP盤の音はCBSらしい、やや躁病的といってもいいくらいハイ上がりな音なのに加え、楽器に近接したマルチマイク録音なのか、まるでオケのどまんなかで聴いているような感触があったものですが、CDの音はノイズリダクションのせいで(としか思えない)、残響はスポイル気味ですし、各楽器の輪郭がやや丸くなってしまっているんですね。まぁ、客観的に見ればこちらの方がオケの生演奏に近い感触なのかもしれせんし、ひょっとするとマスターの音もこちらの方が近かったりするのかもしれませんが、いかんせんLPの音質に慣れ親しんできた私にとって、この音はあまりに微温的というか「ぬるい音」にしか聴こえないんです。今回、一年ぶりに聴いてみた印象も、「絶対こんな音じゃなかったハズだぁ」という思いばかりが頭をかけめぐってしまい、聴いていて落ちつかないことしきりなのでした。誰もがいうことですが、CD化というのはクラシックに限らず、ロックでもジャズでもいつもリマスタリング万々歳という訳ではなく、マスターのヒスノイズを押さえようとノイズリダクションかけるのはクセもので、ノイズがなくなった分、音楽全体の鮮度が落ちてしまう....往々にこういうことがあるから油断できません(笑)。

 そんな訳で、「そんなら、私がLPの時に音に戻してやるぜ」とばかりに、Wavelabというスタインバーグ社の波形編集ソフトを使って、CD化に際して後退してしまった高域を復活させることにしました。復活....といっても、このソフトに同梱されたプラクインのEQを使うだけ、ヒスノイズあたりに該当する(と思われる)音域をぐっと持ち上げてやるだけです。初期の収録レベルが割と低目のCDだと音圧を上げるためにPouncherというプラグインを使ったりもしますが、このCDは比較的新しいのでEQを2箇所いじくるだけですませました。今、改めて出来上がったCDRを聴いていますが、60年代のCBSらしいあざといくらい冴えた、あの音が甦ってきて、「これだ、これだ」という感じ(笑)。なにしろざらざらとしたヒスノイズが聴こえてきますから....。厳密にいえば、もう少しいじるべきところはあるような気もしますが、こういうことをあれこれやるとドツボにはまるので、これで満足したいと思います。
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PETER ROSENDAHL / Wondering

2007年02月11日 00時37分32秒 | JAZZ-Piano Trio
 コペンハーゲン・ジャスハウスでライブをデビュウ作をとして出したデンマークのジャズ・ピアニスト、ピーター・ローゼンタルの2作目です。デビュウ作はこのブログを始めたばかりの頃、つまり2年前の今頃レビュウした訳ですが、実はこちらの作品もほぼ時を同じく購入してあって、いつかレビュウしようと思いつつ、2年が経過してしまったという訳です。うーん、歳をとると、なんとも年月経つのが早い。あの時のデビュウ作なんか、ほんのちょっと前に聴いたような気がするんですが....(その割に内容忘れてたりしますが-笑)。

 さて、内容的にはデビュウ作はほぼ延長線上です。ヨーロッパ系のピアニストらしい透明感と温度の低いロマンティックさをベースに、オーソドックスな王道ピアノ・トリオ風味も随所に顔を出すといったスタイルで、いうなればヨーロッパとアメリカのハイブリット路線といったところ。ただし、前作では割とそのあたりの要素がくっきりと分かれてしまっていたようなところがありしたけど、今回はスタジオ録音ということも幸いしたのが、両者がほどよくミックスされて、ECMでもブルーノートでもないという、けっこうユニークな音楽スタイルになってきているような感じがしました。

 ちなみに本作でもスタンダードは2曲、残りは全てオリジナルですが、本作ではどちらかといえばスタンダード作品はヨーロッパっぽく編曲し、オリジナルでは米国産ジャズに近づいているような感じです。とりあえずフュージョン的なリズムをベースのアウト気味にピアノ・ソロを展開していく2曲目のThe Mothのカッコ良さが印象的だったかな。なお、ベースは今回もマッズ・ビンディングです。この人の弾力あるベースのおかげでアルバムの仕上がりがずいぶん締まったというか、ワンランク上の風格のようなものを感じさせるのもまたポイント高いです。
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