とおちゃんは風呂に入っていて、ふと壁になにやら黒くて
長いものを見つけました
「その黒くて長いものは何だったのかい」と、ハナミズキがたずねました
「それは、なめくじだったんだよ」と、とおちゃんがいいました
「お湯につかりながら、そのナメクジをなにげなく見ていたんだ
そして、ちょっと目をはなして、すぐにまたナメクジを見たんだ
ビックリしたよ」
「なにが起こったんだい」
「そのナメクジがさっきいた場所から、けっこう離れた場所に
移っていたんだ」
「あんなにのんびりと這ってあるくナメクジが、
そんなに早く移れるのかなあ」
ハナミズキは不思議そうです
「それで、とおちゃんはじーっとナメクジの這うのを見つめていたよ
そしたら、なんとあっという間にするすると壁を滑るように
這っていくのを見たんだ」
とおちゃんはすごく驚いたようです
「まえに、本で読んだんだが、ナメクジはテレポーションといって、
空間をあっというまに移動する超能力があるらしいんだな」
「へぇーー、テレポーションて何だい」
「空間移動能力のことだな、
それも、歩くのではなく空間の離れたところから、
別のあるところへ移動する能力らしい」
「ナメクジって、不思議な生き物なんだねえ」
ハナミズキは感心していいました
「もちろん、風呂場ではテレポーションしなかったけど、
あの滑るような速い移動速度には驚いたなあ」
本当に、これが本当ならば不思議なことです
それにしても、最近はカタツムリはめっきり減少しましたが
ナメクジはよく見かけますねえ
そうなんですか?
見たかったなあ。そのス~~っと、想像を越えたスピードで移動するなめくじ。
テレポーションって、それは、ウソでしょ??
だって、瞬間移動なんて、あの、なめくじが....。
信じられない~~!
これは本当に驚きでしたよ
滑るように、スケーターのように
動いてゆくのです
あの速さだったら、ちょっとよそ見していたら
とんでもないところまで行ってしまうに違いないです
それで多くの人がテレポーションではないかと
疑ったのでしょう