テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

RCA, 9-BT-9J (1957)

2013-01-31 11:33:01 | Weblog

今日お預かりしたのは RCA の 初期の6石トランジスタ・ラジオ 9-BT-9J でお話では1局しか受信出
来ず音量も少ないと云うことだった。  この種のラジオの修理、調整に付きましてはこちらのホー
ムページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

一部の電解コンデンサは既に交換されており通電直後の音量は少なくなかったが、感度は若干低くIFと
トラッキングの再調整が必要そうだった。 その後暫く連続運転を試みたところ3、40分程で音量が可也
低下した。

 

オリジナルの電解コンデンサ4個を交換し、連続運転してみたが音量の低下は無くなり音量も若干増加した。
次いでIFとトラッキングの調整を行い感度も若干上げることが出来た。 

2月5日 先日感度が悪いとのことで修理、調整を行ったが変化が無いとのことで再度お送り頂いた。 お話
からIFTが怪しいと想っていたが、今日受け取ったものの感度は特に悪くは無かったが、IFT3の最良点が先
日調整した際の最良点と少なからず異なっていた。 ここの再調整で感度は1.5倍程にはなったが交換する
ことにした。

サイズが二周り程異なるのは知っていたがイザ交換しようとして気付いたのは端子の出し方で、日本製の
殆どのIFTでは一次側がこちら、二次側があちらと分かれているが今回の物はそうなっておらず、ことは簡
単では無い。

アレコレ考えた結果良い方法を想い付いたので早速改造に取り掛かった。 結果改造は上手く行き再度トラ
ッキングの調整に取り掛かったがどうも900KHz辺りを境に下の方が機能しない。 トラッキングを無視してO
SC コイルのインダクタンスを増やすとQが上がるのか発振する周波数は下がりNHK 第一 594KHzも良好に
受信出来る様になった。 ここで止めておけば良かったのだが594KHzがダイアルの700KHzと云うのは気持
ちが悪く、ならばとOSC コイルを少し解くことにしたが、解こうとした途端に動作が停止した。 どうもOSC コ
イルのQが可也低いのかConv.の 2N140 (hfe約80) を 2SA30 (hfe約170) に替えみたり、使われているパス・
コン3個も替えてみたが変化は無かった。可笑しい、Conv.の電位にも問題はなかったが一体何故なのか? 
しかし6石のトランジスター・ラジオに半日も費やすとは考えていなかったが一度頭を冷やすことにしよう。 
今日は診なかったがこの機種に使われているAGC回路に前段全てのバイアスを重ねた回路は慣れておら
ずバイアスをいじってみる必要が有るかも知れない。 ところで今日の作業中、バリコンのボディーがグラン
ドから浮いている問題が診られた。 ネジ3本で固定されており少なくも2本はグランド・ラインに半田付けされ
ているのに何とも解せないが兎に角浮いていたので驚いた。 製造後半世紀を経ると色々問題が出てくるも
のと思い知らされた!

2月7日 頭を冷やしConv. のベース・バイアスを外付けのVRから加えてみたがそれでも変化は診られなか
った。 一年程前、国産のチューナー+アンプを米国から購入された方から動作が可笑しいと修理依頼を頂
いた時に何としても原因が分からず、最後に回路を別の基板で組んだ結果、ヤット動作が良好となったこと
があった。  多分紙ベークライト基板に接点復活剤?の様なケミカルを吹き掛けたのが基板内部に浸み込
み動作を可笑しくしていたと想像出来たが、今回ももしかしてと別基板に回路を組んでみた。

残念ながらこれでも変化は無く、全く発振しなかった。 仕方なく最後の手としてOSCコイルを最近の物に替
えて(回路も変更し)みたところ正常に動作し出した。 結果からすると OSC コイルのQが極端に低い様だ。

サテ、波高値は約10Vp-pと十分だが、局発側のVCは 3.2-59pF だが上手くトラッキングが取れるか?

2月8日 局発の周波数が適当でなければトラッキングが取れないので実測してみた。

カバレッジは540-1,600KHzなので IF:455KHz として955-2,055KHzとなれば良く略満足の行くものだった。
意気揚々と実際の回路に組み込んでみたがビートの様な可笑しな信号が混入している様だったのでオシロ
でみたところ下の画像の様に可也高い周波数成分が混入していた。 またも振り出しに戻った、疲れた!

気を取り直し周波数変換回路の改造に取り掛かった。 元々の回路はベースに帰還を掛けているが上の
画像に見られる様な発振が診られた為、一般的なエミッタに戻す回路に変えた。 IFT同様OSCコイルの足
の出し方が異なっており組み込みに苦労した。 何とか好結果を得たのでランニングに取り掛かった。

2月9日 昨日から連続運転を続けているがこちらでは殆どのラジオで聴取困難な文化放送も問題無く聴け
感度も十分と想われる。 しかし6石のトランジスタ・ラジオを侮ってはいけない!


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