今朝 Ducati のラジオが届いた。 先日お送り頂いた画像から RR 3415 と想像したが届いた物は
RR 3423 だった。 ラインナップは同様と想えたが早速診させて頂こう。 この種のラジオの修
理のご依頼はこちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
回路図からはハッキリしないがスピーカーはフィールド・タイプだった。
下は RR 3415 の電源部の回路図だが今回の物とは1次側の電圧の設定方法が異なっていた。
受け取った際は 220V設定だったが、125-15=115V 設定に換えた。
念の為添えて頂いた(状態は良くないが)裏蓋から型番は RR 3423 と読めるが残念ながらこの型
番の製造年、回路は目下不明。 しかし 3423 と記された別のラベルが上から貼られているが下に
は一体どう記されているのだろうか? 下はシャーシに貼られていたラベル。
中身を取り出そうとしたがツマミの一つが外れなかった。 後からバンド切り替えと分かった。
上から見たラインナップは 左上 6A8G, 下の段の左から 6K7G-6Q7G-6V6G-5Y3G。右上 EM4
通電してみたが若干発信音は出たが受信には至らなかった。 電圧設定部分に接触不良が在った。
バンドは中波+短波x3 だった。 一部近年(20~30年位前?に)一部の抵抗とコンデンサが
交換されていた。
上は中波に切り替えたところだが受け取った際は 16-28m (10.7~18.75MHz)の位置だった。
上は 28-50m=6~10.7MHz。 下は 10.7~18.75MHz。 動作を診ていた時に北京放送を受信した。
上は 16.6~30MHz 下の音質調整は高音の設定。
上は音質中音設定、下は音質低音設定。
低周波での発振が診られるので電源の電解コンデンサやペーパーコンデンサを先ず交換しよう。
コンデンサ類の交換に取り掛かった。 一部回路図の値と桁が異なっている物が見られた。
この後少し文字も読める回路図を見付けたがこの時点では文字は殆ど読めなかった。
4月10日 昨日の続きに朝から取り掛かった。
上の画像に見えている 0.1μF/400V の処は回路図では 8μF となっていたので 10μF に交換した。
電源のブロック型電解コンデンサも交換したいところだが外して仕舞うと元々の形を大きく崩し
て仕舞うので類似の電解コンデンサを内部に加えた。
一応動作し始めたのでトラッキングを調整したかったがダストコアのボビン部分が可成り傷んで
おり無理に回すと却って壊して仕舞いそうだったので途中で止めた(受信は可成り良好)。
ダストコアだけでなくボビン部分も可成り壊れやすくなっていた。 下はボビン後部。
最後に使われている真空管(マジックアイ EM4 を除き)の gm とエミッションを測定した。
6A8 は 50/29, 6K7 は 34/36, 6Q7 は 16/20 6-8/40, 6V6 は 62/46, 5Y3 は 40-37/40 だった。
出来れば 6Q7 は交換した方が良く、また 6K7 と 5Y3 も出来れば交換が望ましい。
何かの拍子にシャーシのラベルが剥がれ下の文字 3 ? 4?15 が見えた多分 RR 3415 なのだろう。
コイルのボビンは可成り劣化していたが全体にシッカリ作られており到底同じ時期(1947年)の
日本製の物とは比較にならない優れものだった。 ご依頼主にも喜んで頂けると良いのだが!
4月12日 昨日発送したが早速今日非常に良い音で鳴っているとのご報告を頂いた、直した人間
としては短くて良いので無事届き上手く動いたことのご報告を頂けると大変嬉しい!