テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

瀧澤無線電機工業 (Bion) 4M-1 (1941-42?年)

2018-07-21 11:34:59 | Weblog

今日の2台目は瀧澤無線電機工業㈱製の BION 4M-1、4球再生式。 同社は1943年白山無線と合併
し帝国電波(現クラリオン)となったことをクラブメンバーでこの種の物に明るいOさんから聞いた。
因みに彼は4M-1を2台所有しているとのことだった。 この種のラジオの修理、改造に付きましては
こちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

今日は午後ラジオクラブの集まりが都内で有る為昼前に仕事場を後にしたので作業は明日から。

本来整流管は12Fだが別の物が使われていた。 可成りレストア(改造?)がされている様だった。

7月22日 修理に取り掛かった。 先ず通電しハムは出ていたのでスピーカー、電源部等は生きている
様だった。 この機種は当時の物には珍しく底が一部開く様になっている。

梱包を解いた場所にセルフタッピングのビスが落ちていたが内部にも同じビスが落ちていた。 マグネチ
ック・スピーカーを固定していたビスの様だが(2本しかない)セルフタッピング・タイプでは固定は困難。

12Fのところに2A3と記された真空管か挿されていたがこれは本当に2A3なのか? 12Fの予備がある
ハズなのでここは本来の12Fに交換してみよう。

全く受信は出来ず、再生も起こらなかったので回路を追った。 先ず驚いたのは検波段のグリッド・リーク
1MΩ+250pFが無い、またアンテナ・コイルの2次側が断線していた(上の画像)。 これでは動作しない。

このラジオを修理しようとした方は途中で修理を止めたのか? 57のプレートに150pFが加えてあるが
再生を敢えて止めようとしたのか? 失礼だが全く理解出来なかった。

切れていたアンテナ・コイルを繋ぎ直し、グリッドリーク(1MΩ+250pF)も加え動作をみてみたが発振(再
生が機能)しない。 念の為、再生コイルを逆にしてみたが変化は無かった。

何とも解せずアンテナコイルの共振点を探してみたが見付からなかった。 コイル、或いはバリコンの
Qが極端に低いのか? 或いは何か他に問題が在るのか? こうなるとアンテナ・コイルとバリコンを
細かく調べる必要が有る。 しかしここまでの問題は想定していなかった。

 

切れていたアンテナコイルの2次側を半田付けしたがラグ板と固定に使っている鳩目の間に接触不良
が診られ、またバリコンのケースとグランド間の接触にも問題が在った様で、直接ケースとコイルをビ
ニール線で繋いだ結果可成りQが上がった様で共振点が見られる様になった。

こちらで通常動作確認に使っているループ・アンテナで聴いてみたが一番電界強度の低い文化放送
を除く6局を受信出来た。 ただ当時の標準アンテナ程度のアンテナとアースは必要と想われる。

ループ・アンテナを共振型とすべくバリコンを加えたところ更に感度は増した。

7月23日 iPodアダプタの増設に取り掛かったが途中、再生検波用の真空管を壊して仕舞った。 ただ
怪我の功名でKen-Radの新品に交換したが感度も安定度も可也増加した。 上の画像でアンテナ入力
の文字がハッキリしないが多分 空短 なのだろう。 アース用は 地 とハッキリしていた。

i Pod用の入力アダプタを外に設けるかと考えていたが可也大きなトランスが必要なので内部に組み込
んだ。  探してみたが12Fが見当たらず、見付かった80BKを整流に使った。 音質はマグネチックスピー
カーでは中音しか出ないだろうと勝手に考えていたが、実際には可成り良い音で驚かされた。

 

7月25日 先日修理中に横方向の力が加わって仕舞いベースが外れて仕舞った 57 を何とか修復
しようと取り掛かった。

幸い上手く直りgmをチェックしてみたが 49/31 だった。 (多分交換したKen-Radの物よりは低い)

一昨日修理等を終えた物をお返ししたが今日ご依頼主(今回の機種のメーカーの創業者のお孫さん)か
ら大変ご丁寧なお礼のメールを頂戴した。  メールに依ると このラジオから祖父の声が聴こえ、またアン
テナを高く張り放送も聴けた とのお話だった。 お住まいは自分が数ヶ月おきに通っている病院と同じ町
内なのでどの様なアンテナをご用意されたのか拝見して来よう。

7月26日 整流に使われていた真空管が気になったので構造を見てみた。 

画像が見難いが内部にはフィラメントとプレートしか無い。 純然たる整流管だが何故2A3と云う名称
を付けたのか? ベースの底にはClassic Components Inc.  Made in chinaとエンボス加工されていた
(側面のCCIはこの頭文字なのだろう)が何ともいい加減なメーカーと想われた。


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