テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Philco, Predicta "Siesta" (1960)

2016-04-29 13:25:17 | Weblog

 今日お預かりしたのは Philco, Predicta シリーズ内の一台、時計付きの Siesta で水平/垂直同期
が取れなくなって仕舞ったとのお話だった。 この種のテレビの修理、改造に付きましてはこち
らの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

永年多くの物をお預かりして来たが梱包を解くのに30分近くを要したのは初めての経験となっ
た。 また詰められていた緩衝材とテープ等で45リットルのゴミの袋3袋となった。

お話の症状を確認した。 使われている電源電圧を伺ってなかったが100Vでは水平振幅不足。

ギリギリ水平同期が取れることもたまに有ったがこれでは実用には無理なレベルだった。

5月3日 午後やっと時間が出来たので修理に取り掛かった。

回路は可也改造されており、映像信号と音声信号を直接入力していたがこの為、コントラスト調
整は機能していなかった。 画像から数本の真空管が刺さっていないことが見て取れる。

垂直偏向は本来 6DR7 なのだが 6FD7 と云う使ったことの無い物が刺さっていた。

先ず同期分離を担当している 6AW8A のgmを診てみたが問題は無かった。

上は同期分離 6AW8A (T) のプレートで垂直成分のみが出ており同期分離は上手く機能して
いる様にも見えるが、これは垂直偏向の出力波形の一部が見えているだけかも知れない。
下は同期分離の入力側の波形だが水平の同期信号が殆ど見えない。

この機種の場合、回路(パターン面)が当れるのは極一部だが幸い 6AW8A の周辺はシャーシ
が開いており当ることが出来た。 念の為 6AW8A を新品に換えた結果若干同期は取れる様
になったが矢張り完全と云うレベルには程遠かった。(下は水平同期不完全) 本日時間切れ。

5月4日  映像増幅の出力信号に問題が在る様だった。 入力される信号の同期成分には問題
は診られないが出力側では信号がつぶれて仕舞っている様だった。 複雑な回路では無いだけ
に逆に原因がハッキリしない。 どうも改造されているのが何か関係しているののか?

上は映像出力の波形で、下は入力波形。

5月5日 昨日回路図を持ち帰り、通勤電車や我が家で確認すべきポイントの目星を付けた。

一部の抵抗、コンデンサを交換した後の映像出力波形。 可成り改善され同期信号も出ている。



同期分離の出力が出ていなかったので入力側のC,Rを本来の複合部品とは別に外付けした。

最も問題だったのは上の画像に見えているR48 (47KΩ) の断線だった。

同期は水平/垂直共良好となった! 上の画像では垂直/水平振幅が不足していたので調整した。

水平/垂直振幅も十分となり、垂直直線性が若干気になったのでここも調整した。

 

 


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