今日お預かりしたのは1965年製の Porsche 356 に使われている Blaupunkt の Koln(ワー
プロにoの上に・・の付いたフォントが無く失礼します) ケルンで全トランジスタ式の
自動選局機能付き最上位機種です。 この種のカーラジオの修理、改造に付きましては
こちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
動作をチェックしてみたが音声出力が全く無く、また回路の途中の信号を聞いてみたとこ
ろ FM の検波出力レベルが低かった。 他に自動選局機能も動作しておらず、FM のカバレ
ッジは欧州バンド、電源電圧設定も 6Vとなっていた。 一言で言うと可也重症だった。
11月15日 先ずは何故音声出力が無いのか調べを進めたところ
出力段の E-B の電位が反転していた。
何時ものことだが分かってしまえば何のことは無いが出力段のエミッタに入って
いる巻線抵抗 0.25Ω (2本) が断線していた。 巻線抵抗の断線は比較的珍しい。
一応音声出力は出る様になったが使われている電解コンデンサはそろ
そろ交換しておいた方が無難なので明日にも交換に取り掛かろう。
次いで自動選局機構の動作を診てみたが、先ずスタートのスイッチが機能
していなかった。 下の画像の奥の方に在り残念ながら見えてないが、サテ
如何にしてこのスイッチに到達することが出来るのか? 可也の物を外す
必要が有りそうに想える。
11月16日 断線していた抵抗を酸化金属皮膜の物に替え、次いで電解コンデンサに
取り掛かった。 低周波回路の方は基板が外に出ており問題無く交換を終えた。
メインの基板の方は多くのリード線が繋がっておりひっくり返すことが出来ず数は少ない
が多くの時間を要した。下の画像に見えているのがスタートのスイッチ電極の後部だが全
体を見ようとすると可也の機構部品を外さねばならずサテどうするか。
11月18日 自動選局のスタート・スイッチを無理無理直そうとすると可也の時間(費用)
を要することは明白で、別の手を講ずることで今回は手掛け無いことにした。
側面に在る Din 6P のコネクタに自動選局をリモートで行う端子が在ることが見付かった
のでどうしてもと云う場合はここを使えば機能することが分かり、機能を確認した。
次いで FM のカバレッジの改造を行い高感度を確認出来た。 またパイロット・ランプ
が断線していたので LED ランプに交換し、全体の組み立てを行い動作を確認した。