テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Collins, 51S-1

2020-10-29 16:08:43 | 通信機

今日お預かりしたのは久し振りの 51S-1 で入手後2年程でボリュームのシャフトが空転して仕舞い音
量調整が出来ず、また若干周波数ズレが有っただけで特に問題無く動作していたが、上の問題の修
理に出したところ 真空管が4本駄目、ヒーター電圧が突然0Vとなる、出力トランスが可笑しい等の送
付時と大きく異なる問題を云われおまけに ヒーター周りが変なので配線を外したとのメモが付されて
いたとのことだった。 この種の受信機の修理、改造、動作確認等のご依頼はこちらのホームページ
http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。

どれ位の技術力を持った方が手を下したのかは不明だが、通常他の方がいじった物は何とも理解し
難い問題を抱えていることが多く気が重いが先ずはどの様な処理がされたのか診てみよう。

10月30日 昨日サービス・マニュアルを持ち帰り机上で可能性を追った。

お話ではヒーター回路は外したとのことだったが一体どこが外されているのか?

底面から目視でヒーターの点灯を確認し、点灯していない物に赤を、点灯している物に緑を付した。

点灯していない様に見えた物の導通を確認したが全て導通していた(〇を付した)。 上から実際に
確認したところ左半分の物は全て点灯していた。 このことから矢印の回路がグランドに落ちている
ことが考えられる。

今回の機種ではヒーター回路は4つのグループで構成されており、合計で 25.2V を加えているが矢
印の所でグランドに落ちているので左の2つのグループに25.2V(一次側が定格電圧の場合)が加わ
っており、右のグループには全く電圧が加わってないことになる。 これでは当然動作はしない。

グランドに落ちている部分を少しでも見付け易くしようと関係している真空管を全て抜いた。

何処で回路がグランドに落ちているのかを見付けるだけなので技術的には難しくも何とも無いが実際
の配線はこまごまとしており、一部は部品や配線の陰になっているので少なからず時間を要する。
  しかし動作していた物のヒーター回路の中点が自然にグランドに落ちることは考え難く修理を担当し
た方は一体何をしたのだろうか?   結局全ての真空管とパイロット・ランプを外した。

画像の中央 V8, 6BA6 の pin 4 がセラミック・コンデンサのグランド側のリードに触れていた。

グランド側のリードを少し曲げた。 分かって仕舞えばナーンダと云うことになる!

何時も受信感度の確認に使っているニッポン放送 (JOLF, 1,242KHz) 受信時。  表示が5-6KHz低い。

北京放送受信時。 1次側の電圧を117Vに上げた。

メーターのゼロ調整を行った。

上はニッポン放送 (1,242KHz)、下は TBS (954KHz) 受信時。 5-6KHz低く表示されている。

しかし修理を担当された方から報告されたと伺った、真空管4本が駄目、出力トランスが可笑しいと
は一体何のことなのだろう?  更にヒーター回路に外されたところは結局無かった。 特に問題無
く受信出来ており音声出力にも問題は診られ無かった。

10月31日 ゴーサインを頂いたので周波数の調整に取り掛かった。

内部のキャリブレーション用水晶の周波数で調整したがただバンドに依っては数KHzズレること
があるので全てでピッタリと云う訳には行かない。

 

 

コメント
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