2 台目はスタンダードの電池管4球ポータブル・ラジオ SR-370 でお話ではブツブツと音がするだ
けとのことだった。 この種の電池管ラジオの修理、改造に付きましてはこちらの ホームページ
https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
ブツブツと云う問題の解決は簡単そうだが、何方かに依って修理が試みられた結果誤配線が在
る様でB電源が約70mAも流れて仕舞っていた。 何方かが手を入れた物の修理は可成り難航す
るのが常だがどうするか?
ブツブツの原因はてっきりデカップリングの容量抜けに依るモーター・ボーディングと想像し直ぐ
に直せると考えたが実際はIFでの発振で何とも解せないものだった。
回路図にB電源回路用デカップリング・コンデンサの記載が無い(解せない)。
ゴーサインを頂いたので修理に取り掛かったがIFの発振が何としても止まらない。 永らくこの種
の物の修理を手掛けて来たがIFの発振の問題で既に2時間半を費やしたが、未だ道は遠そうだ
がこれ程難航するのは初めてとなった。 IFT周りの配線は元のままと想うのだが何とも解せない!
6月17日 昨日も回路図を持ち帰り通勤の電車内でアレコレ想いを巡らした。 少し頭を冷やして
から臨もうと先ずAC電源を作った(短時間の動作チェックには数年前に米国から購入した67.5V
の最後の電池を冷蔵庫から取り出して使っていたが長丁場となりそうだったので)。 ご依頼主に
ACアダプタでの使用を伺ったが使わないとのことで、ならばと回路を少し簡素化した。 アレコレ
細部まで診た結果大きな進展がみられた。 上の画像に見られるリード線は1AB6/DK96 の g4
(多分スクリーン・グリッドと同様の働きでは無いか)に高電位を与えなければならないところが断
線していた(下の赤いX印部分)。 ここを繋いだ結果状態は大きく変わり、大音量で動作し出した。
未だ全てが解決した訳では無いが大きな山を越えられた。 (これまでに経験したことの無い程高
感度だった)。
今回、周波数変換 1AB6 の問題の発見に時間を要したのはこの真空管の局発部は動作してい
たことからテッキリ全体も動作していると思い込んだことに起因している。 またIF段が激しく発振
していたのは周波数変換のプレート電流が流れず、結果1'st IFTの1次側が無負荷となった為に
2次側の実効Qが増加し、発振に至ったものと想像出来る。 ヤット腑に落ちた!
6月18日 昨日もう一点可笑しいと感じたのが上の画像に見られるイヤフォン-スピーカー切換え
スイッチで、下の段の右端の端子に半田付けが為されていない。 音が出たり出なかったりの原
因はこれで、下の青い点を付した部分が確実には繋がっていないことになる、 尚、これは製造
時から在った問題と云える。
4月19日 一部不足していた部品を購入し続きに取り掛かった。 配線を回路図通りにし、動作を
確認したので組み込みに取り掛かり、組み込み後の動作も良好なことを確認した。 疲れた!