以前は元日も仕事場に来ていたがここ数年元日だけは一切仕事をしないことに決めた。
サテ、今年初の仕事となったのは Becker の Mexico (1950年代中頃)でAM/FMの自動選
局機能付きのモデルです。 この種のカーラジオの修理、改造に付きましてはこちらの
ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
先日米国で購入した今回のモデルには何故かケースが無かった。 ケースだけでは何
の役にも立たないだろうが何に使ったのか? 出来れば一緒にしておいて欲しかった。
コイルが取れてプラスチックの袋に入れられていた。 後先となるがアンテナ回路に
入っていると分かり改めて見てみると確かにホコリの付き方が他と違っていた。
随分前にベンツ 190SL のレストアをやっていた友人から類似のモデルを貰ったのを思い
出し探し出した。 友人は確か10年程を掛けそれこそツマミ一つから彫金の技術を生かし
作っていたがレストアが終わり、自分も高輪辺りで運転させて貰ったがその後、目黒の大
鳥神社の坂で四駆の車に追突され全損となったと聞いた。 レストアに 10年を要したもの
の壊れるのはほんの一瞬だった。
もう一台にも同様のコイルが使われており、直ぐにアンテナ回路に使われて
いる物で下の回路図のD1と分かった。
しかしこれまで改めて見た事が無かったが今回見比べてみると以前貰ったモデル
にはコイルが3つしか無く(中波専用?)FMの機能が無いモデルだった。
IF の回路も左の Mexico に比べると部品点数も少ない。 サテ、この時期の Becker
製で自動選局機能付きのモデルは他に何が在ったのか?
通電したところ一部の真空管が点灯しなかった。 未だ原因が不明だが本体と電源
ユニット間のケーブルの位置で全て点灯することも有り一応 AM/FM 共機能した。
1月3日 ペーパーコンデンサの 交換を終え動作は可也安定になったが未だ電源
ユニットのコネクタ部分と真空管のソケットに接触不良が診られる。
AM/FM のアンテナ回路の切替を行っているスイッチを動かす為のアームの支点部
分を誤って壊して仕舞った。 力を加える前に構造、材質(アルミダイキャスト)
を確認すべきだった。 サテ如何にして修復するか?
1月4日 エポキシ系の接着剤で固定してみた。 左端に在るバンド切替で前後に数
mm 移動するものをこのレバーで右端に在るスイッチを駆動しているが移動量が足
りず切替が上手く行かない。 サテどうするか?
1月6日 アルミ板を加工し表面に貼り付け補強した。 これまでのリベットでは長さが足
りないのでビスに交換し、アームの形状を工夫した結果切替も上手く出来る様になった。
感度切替スイッチが動かず分解してみた。 残念ながらプラスチック部品の一部が
割れており修復は不可能だったので先日の類似機種から移植した。
1月7日 FM のカバレッジを日本バンドに改造し(100点満点では無いが)一応レストア
を終わらせた。 何れ精神的に余裕が出来た時に改めて FM に取り組んでみよう。