今日お預かりしたのは 1963 (昭和38) 年製のトヨタ クラウンに使われている TEN (神戸工業)
86120-30020-C, 2台で以前同一モデルをレストアしたことが有り上の画像がそれで左右のツ
マミのみ非純正。この種のカーラジオの修理に付きましては https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/
からお問い合わせ下さい。
お送り頂いた 2台の機能を確認したが上の押しボタンが全て揃っていた物は音がかろうじて出
ている程度で、また自動選局機構も一応左右には動いていたが実際には機能していなかった。
もう 1台は選局の機構も部品が一部欠落しており機能せず、それ以前に受信も全くしてい
なかった。
4月22日 ゴーサインを頂いたのでコンデンサ類の交換に取り掛かった。 交換後音量はドラ
スティックに増加したが自動選局機構は上手く機能しなかった。そうこうする内に音量が減
り、また歪も増えた。 回路を追った結果、内部に落ちていたリード線が自動選局用検波回路
(トランジスタ ) のエミッタに電源電圧を加えている物と判明し接続後自動選局機能は良好と
なった。 サテ歪と音量の問題は明日以降取り組むことにしよう。 本日時間切れの為これ
にて終了。
細かく回路を追った結果想わぬことが判明した。 外観からは全て同じ物と考えていた
が実際の回路は 3台が 3台共異なっており、また自動選局の起動方式も異なっていた。
中で最も古いと想われるのが上の 86100-30020-C で目下修理に取組んでいる物。
次が 86100-30022 で同 30020-C に比べるとトランジスタ 3石の制御回路が加わり
左のツマミを押すことで起動が掛かった自動選局はこのモデルでは掛からず、単に
起動を掛ける場所の切り替えを行っている。
昨年オーストラリアから購入し、レストアしておいた物の回路図で中では最も後の物と想
われる。 30022 との差が何処に在るのかは未だハッキリしていないが基板のパターンに
は 3枚の間に可也の差が見られた。
4月24日 歪の原因をひたすら追った。 分かってしまえばドライバ段のベースバイアスの
問題だった。 (パターン図が在れば原因の究明は楽なのだが) 好結果が得られ疲れた!