UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

自分に都合のよい、心地よい情報を偏愛しないこと・・・

2016-09-13 00:38:53 | 日記

最近、北朝鮮の金正恩クンが世界を騒がせていますね。ミサイルを次々に発射したり、核実験をしたり、人騒がせなことを続けていますね

メチャクチャな思いつきに走る独裁者の下で、人々が圧政に虐げられ貧しい生活を強いられ飢え苦しんでいるのに軍備増強に狂奔するどうしようもない国、これがGGIも含めて多くの日本人が抱いている北朝鮮に対する最大公約数的なイメージではないかと思います。

ところが、ここに私たちが抱いているイメージとはかなり異なる北朝鮮像を語る人物がいます。

以下は2016426日付けの朝日新聞に掲載されていた「北朝鮮と向き合う」と題された特集記事からの抜粋です。

ある人物が、北朝鮮研究を専門とする大学の先生のさまざまな質問について答えています。

「朝鮮の金正恩氏をどう見ていますか」

「最高指導者に対する絶対的な忠誠を基本としているという意味では『国体』に何の変化もありません。一方、父の金正日ができなかったことをやろうと、強い意欲を持っています」

「正恩氏は、メチャクチャの思いつきではなく、合理的な判断で国家を運営しています。国内的には科学教育の充実や植林の奨励などもやっており、内政を無視した冒険主義と見るのは誤りです」

「核の小型化などは日米韓などから開発できていないと言われると、「できた」:と反発するなど、他国からの言葉には言葉で、行動には行動で対処していますが・・・」

「まさにそうです。日本の報道では北朝鮮だけが行動をエスカレートさせているかのかようですが、そのなかで米韓が大規模軍事演習を始めたり、正恩氏を狙う『斬首作戦』がささやかれたりすることに北朝鮮は対応しているつもりであり、お互い様という面があります」

「正恩氏は核とミサイルの開発を進めるだけで国防はもういいと考えていると思います。かれらは(他国からの攻撃を)抑止するために核を持とうとしています。安心を手に入れたうえで経済政策に力をそそぐつもりでしょう。このような考え方を3年前、核開発と経済建設を同時に進めるという『並進路線』と称して打ち出しました」

「軍事挑発をやめない北朝鮮に韓国はかなり怒っていますが・・・」

「でも、これまで哨戒艇が沈没させられても大砲を打ち込まれても戦争にならなかった。南北は歴史的に、軍事境界線付近では(多少のいざこざがあっても戦争までは決してしない)一種の認識を共有しています」

「正恩体制は恐怖政治で居眠りしただけで処刑される、という言説まで飛び交っています。いくら何でもそんなことはと思うのですが・・・」

「正恩氏は年寄りに厳しい面がありますがが、かつての旧ソ連のスターリンのような社会全般におよぶ粛清ではない。叔父の張成沢が処刑され、関係者約200人が粛清されたという韓国報道があったが、事実だとしても祖父の金日成の権力確立当時の粛清規模をくらべると極めて限定的です」

「北朝鮮は、核は交渉の範囲外だと言明しています。しかし早く協議して、少なくとも凍結させなければという指摘もありますが・・・」

「核を持つ北朝鮮が実際どれだけ脅威なのかを考える必要があります。『何をするか分からない』と怖がるのでしょうが、北朝鮮は一定の合理性を備えています」

「ところで北朝鮮は、自由民主主義という観点からは最悪の社会かもしれないが、識字率や公衆衛生、インフラ建設などは他の貧困国よりは優れています。北朝鮮を多角的、冷静に見極めることが重要です」

これらの北朝鮮に関する説明、私たちがふだん抱いている北朝鮮についてのイメージや考えとはかなり異なるものではないでせうか。見方によっては北朝鮮に味方しているのではないかという印象も受けかねません。

北朝鮮についてこのような考えを説明している人物はどのような人物だとみまさんはお思いになるでしょうか。実はこの人物は、何とかつて公安調査庁で北朝鮮に関する情報分析を専門としていた人物です。元公安調査庁調査第二部長の坂井隆という人物です。

GGIは公安調査庁というのは北朝鮮に関してはおそらく何でもかんでも疑って敵視することだけを専門とする機関のように思っておりましたので、坂井氏の冷静な説明にはほんとうに驚きました。(この記事で質問しているのは平岩俊司・関西学院大学教授です)。

坂井氏は情報分析の難しさ・落とし穴について次のように語っています。

「まず、たとえ自分が集めた情報であっても、特定の情報を信じすぎないこと・・・次に、自分の価値観や支持する政策にとらわれ、自分に都合の良い、心地よい情報を偏愛しないこと・・・」

これらはわかっていても誰もが日常生活で陥りがちな注意点でもあります。実際に実行するのはなかなか容易なことではありませぬ。

そして北朝鮮情報について、極めて鋭い指摘をしています。

「私たちが考える北朝鮮は実際のあの国ではなく、自分の頭にある一つのモデル(仮説)にすぎない。北朝鮮に関して絶対正確な情報を持つ人などいないのです」「北朝鮮の場合、内部が付ラックボックスだから、(外側からは)自由にいろんなことが言えてしまいます。常に危うい仮説の上に立っているんだという自覚が欠かせない。」

GGI、正直申し上げて、この記事を目にするまで、インテリジェンスに携わる日本の政府機関のなかに、このような謙虚で冷静な視点を持っている人物がいようとは思ってもいませんでしたので、この新聞記事の内容はまったくの驚きでありました

なお、この記事のデジタル版は以下のサイトに掲載されていますので全文をお読みになりたい方はご覧くださいませ

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12328397.html

今日も新聞記事を引用しただけの手抜き日記となりました。お許しくださいませ。

今日の写真は本文とは関係ありません。逝く夏を惜しむ写真です。よろしければクリックしてご覧くださいませ

ゴッドナイト・グッドラック!

 

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