昨日お昼過ぎ、初秋の陽光がまぶしいなか、某知人宅へと出かけました。美味しいビール、ワイン、秋の果物、その他美味満載との言葉に釣りあげられたのです。他の用事をすっぽかして出かけました。
知人宅へと、GGIが愛用しております京阪電鉄さん石坂線の電車に乗りました。この電車は二両連結、後ろの車両に乗りましたら、まったく人影がありませぬ。ワンマンカーの方式ですので車掌さんの姿もありませぬ、なにかとつぜん別世界に来たようでありました
陽の光が明るく差し込むなか、ひとり電車に揺られておりましたら、なんだかガラスの水槽のなかを漂っている魚のような気分になってきました
昼ひなか、がら空きの電車に揺られてぼぉ~としているのも悪くないなあなどと思っておりましたら、数年前にある人物が語ってくれた電車についての思い出話が心に浮かびました。
小学校のクラス会のようなものをしたときのことです。まったく久しぶりに会った、今は髪が真っ白になっている人物のはなしです。まんまるの顔をしたこの人物、そのむかし学校で一番のおてんば娘で知られおりました、
「きみ、むかしはワルかったなあ」
「ほんまや、私に泣かされた子たくさんいる、先生を泣かしたこともある。でもねえ、私だって、これまでに結構苦労したのよ」
「おてんば娘でも苦労するのか?」
「そうよ、おてんばと言えども女三界に家なしという経験したのよ。あのねえ、若いころ、嫁ぎ先でいろいろあって、いっとき何もかもまったくうまくいかないことがあったの。離婚するだけの勇気はないし、家出するにもお金がない、慣れない土地で近くに誰も友だちはいない、いくあてもない・・・家でじっとしていても気がめいるだけ・・・」
「ふ~ん、君がなあ・・・」
「そうよ、それで、どうしようもなく気分が落ち込んだりしたときは、あまり混んでいない昼間、近くの駅で入場券だけ買って、行く先がどこであろうと来た電車に、空いた電車に乗って、いくあてもないまま何時間も電車に揺られて・・・・行けるところまで行って・・・そして夕方になる前にそのまま乗った駅まで戻ってくる、ということを何度もしていたのよ。あるとき駅員さんに疑われて、《ちょっと気分は悪くなったのでホームのベンチで休んでいたのです》と言い逃れしたり・・・」
GGI、そういうこともあるのかあ・・・としばし沈黙しておりましら
「でもね、そんなこともあったけど、今は私ソックリの大おてんば娘の孫がいるのよ!」とまことに幸せそうな笑顔になりました
みなさんも、たまにはお昼間、空いた電車に乗ってあてもなくどこかへ行ってみませう!
グッドナイト・グッドラック!