この日曜日は台風のせいで、それほど激しくはありませんでしたが、一日雨でありました。
しかしながら、GGIは雨の中をショボクレテさまようのは嫌いではありませんので、雨ついでに少しお勉強にでかけることにしました
数週間まえの新聞の行事案内欄に《貧困問題を「学ぶ・伝える」レクチャーセミナー》なる催しが近くの公共施設で行われると書いてありましたので、たまには少しは真面目に勉強してみようとなどと、われながら殊勝なことを思い立ったのです。GGIの知人の中には貧困ラインすれすれの暮らしではないかと思われる家庭の人もいないわけではありませんので、勉強にでかけたのです。
この催しを主催したのは2008年年末の「年越し派遣村」で中心的な役割を果たして広く知られるようになったNPO法人「自立生活支援センター・もやい」です。理事長の大西連氏によるレクチャーやワークショップがその内容です
この催し、募集人員は50人とのことでしたが、参加者は二十五人ぐらい、やや閑散としておりました。参加者の大半は、市内でホームレスの支援の夜回りをしているグループ、フードバンクの活動をしている団体、その他社会福祉関係の方々や学生さんのようでありました
大西氏のレクチャーは盛りだくさんでGGIのオツムには十分に入りかねたのですが、最後に「みなさんが今日から明日からできることを考えませう。まずできることは、してほしいことは、今日勉強した内容を誰か他の方に伝えることです」と述べられていました。まことにごもっとであります
かようなしだいで、今日はこの貧困問題についてのレクチャーのごく一部を、貧困問題の基礎知識を、ごくごく簡単にお伝えすることにいたします。もう、そんなことぐらい知っているよ、と言われる方もおられることと思います。少し退屈かもしれませんがしばしおつき合い願えれば幸いです。
《貧困の定義》
「絶対的貧困」
1日1.25ドル以下での生活(全世界で約9億人、人間開発報告書)。一日に1.25ドルというのは一日百円少々で暮らしていることになります。日本人の感覚では極貧を通り越す貧困、飢餓に近いくらしと思われます。世界銀行の調査では、1日1.25ドルで暮らしている人々は1990年には36.4%でしたが、2011年には14.5%まで下がっています。今後も減っていく見通しとのことです。
「相対的貧困」
国民一人ひとりを所得ごとに順番にならべ、真ん中に位置している人の所得(中央値)の半分に満たない場合に貧困であるとされています(所得の平均値の半分ではありません)
日本における相対的貧困率の推移を写真で示しておきましたので、拡大してご覧ください。(全体的な貧困率は1985年には10%台、子どもの貧困率は9%台でしたが、その後上昇しつづけており2012年にはいずれも16%台に達してます。しかし、このグラフには示されていませんが2015年のデータでは1985年以降初めて減少に転じており、全体的な貧困率は15%台に、子ども貧困率は13.9%にまで下がっています。全体で、6~7人に一人は「貧困」状態にあることになります
《貧困率の国際比較》
日本に相対的貧困率は:世界第3位の経済大国であるにもかかわらず、OECD諸国(現在は欧米諸国を中心に35カ国が加盟)の中での順位は下から6番目に過ぎません(貧困率が6番目に高い:2009年)。
《日本における貧困ライン》:
最近の日本における最近の貧困ラインは以下のとおりとされています。ただし国民の所得は毎年変動しますので、貧困ラインの金額もそれにつれて変動します。最新のデータに基づくと
単身 =約122万円(10万円/月)
二人世帯 =約173万円(12.4万円/月)
三人世帯 =約211万円(17.6万円/月)
4人世帯 =約244万円(20万円/月)
(貧困ラインは可処分所得を世代人員の平方根で割って調整した「等価可処分所得」と称される値の中央値の半分」の値と定義されています).
《母子家庭の貧困問題》
母子家庭の就労率:約80.6%(非正規率52.1%)
平均年間就労収入 約181万円
母子家庭の貧困率 約54.6%
貧困率が極めて高く、母子家庭の半分は相対的貧困に該当していることになります
《最低賃金制》
最低賃金でフルタイムで働くと、収入は
737円×8時間×5日=11万7920円
11万7920円×12か月=141万5040円
《非正規老労働者の増加》
非正規労働者は増加の一途をたどっています。1990年には15.3%でしたが2000年には25%、2010年には34.3%、2013年には36.7%に達しています(総務省労働力調査)。厚労省の調査では2015年にはついに4割に達した(2000万人超)とされています。今後も増えることはあっても減ることはないのではないかと思われます。
なかでも深刻なのは若年労働者において非正規雇用がどんどん増えていることです。
たとえば25歳~34歳の非正規労働者は1990年の106万人から、2014年には300万人にまで増えています。
などなどなど、まだまだあるのですが、とりあえず今日はここまでです。また書くかもしれません
なお、NPO法人・「立生活支援センター・もやい」の活動などについて知りたい方は以下の公式サイトなどをご覧くださいませ
なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!