UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

そうや、犯人はあの二人組や!・・・

2019-01-31 01:25:37 | 日記
昨日、午後1時半ごろトイレにいき、人生必須の用をたしました。おわって水を流そうとボタンを押しましたが、なんだか苦しそうな音がするだけいっこうに水がながれませぬ、何回くり返しても同じこと、電源は入っていて作動しているようなのですが・・・

これは困ったなあ、これから外出するつもりであったのですが、緊急事態発生であります

GGIは過去に二回、トイレのトラブルを経験しています。一度は築戦前の旧八重葎庵で暮らしていたときのことでした。十数年以上前のことです。そのころは水洗にはしておりましたが、ちかごろの様な便利な電動式のものではありませんでした

或る日、用をたして貯水槽にレバーを回しますと水は出るもの、ベンキから流れ出なくなりました。アッチャーで・・・大きなほうの用をたしましたので、ベンキに何やら視線を逸らしたくなうブツが浮遊しております・・・このまま放置するわけにはいきませぬ、可及的速やかなる解決が必要です。どうやらトイレにつながっている下水管がどこかで詰まっているのではないかと思われ、この類のトラブルを仕事としている会社に電話・・・事情を話しますと、すぐに作業車を派遣しますとのこと。

待つことしばし、やがて大きなコンプレッサーのようなものを積んだ車がやってきて、運転してきたオジサンが手慣れた様子であたりを見回してから申しました。「たぶん、この先の下水管か市の下水道への接続部分のあたりで何か詰まっているのでせう。トイレの近くにある小さなマンホールを開けて、ここから市の下水道の方に向けて、高圧の水を送り込みます。オブツが飛び散ったりするかもしれませんから、ちょっと離れていてください」

コンプレッサーと思われる機械が作動して高圧の水が勢いよく下水管に送り込まれます。しばらくは大きな変化はありませんでしたが、まもなく水が勢いを増して下水管に流れ込むようになったと思ったら市の下水管のマンホールあたりから水が吹き出てきました、ヤッタア~!詰まっていたところが開通したのです!しかしマンホールの周囲に若干の好ましからぬものが散乱いたしました・・・・でもGGIは、ただただ感謝感謝でありました・・・・

作業してくれたオジサン、この市の下水道のマンホールをあけてから曰く「ほら大きな木の根っこがいっぱい張り付いているでしょう、この根っこのせいで下水管が詰まってしまったのです、あの隣の木、あの根っこがここまで伸びてきて下水管を突き破って悪さをしていたのです。この近江や京都の古い民家ではこのようなトラブルが多いのですよ、下水管が古くなっていますからね・・・」

オジサンは下水管を突き破って侵入した木の根っこをあらかた取り除いてくれました。

そうかあ、あの隣の柿の木かあ・・・あの柿の木、毎年々々たくさん実がなるけれど、そうだったのかあ、栄養源はわが○○○であったのかあ・・・

二回目のトラブルは新八重葎庵建立後のこと、トイレは電動式の最新のものになっておりました。このときは突然何もかも動かなくなりました。どこが悪いのか見当がつきませぬ。そこでメーカーに電話いたしますと「わかりました、まず携帯電話をお持ちなら、携帯を持ってトイレに行ってください。わたしどもがあれこれ指示いたしますから、言う通りにやってみてください」。ご指示のとおりにいろいろやってみたのですがダメ。「では、お困りでしょうから、お住まいの地区の修理を担当している者をできるだけ早く派遣いしたしまから」・・・

というしだいで仕方なしに電話を切り、もう一度トイレのあちこちを観察いたしました。すると本体の側面、奥の方に小さなレバーが付いているの気づきました。「そうだ、電動式だけど、ここにレバーが設けられているということはこれは手でも動くことを意味しているのじゃないか」と我ながら突然見事な推理、ためしに小さなレバーを手で回してみまたしら、何と見事に水が流れ、正常に作動するようになったのであります!ワッハッハでありました。問題解決、オレって意外にカシコイのだと思わず自分で自分をほめてしまいました・・・

このような経験があるのですが、これらの過去の経験に照らしても昨日遭遇したトイレのトラブル、原因が思い当りませぬ

しかしながら、昨日は、GGIはどういうわけか頭脳きわめて明晰且つ鋭敏でありました。しばらく熟考していましたら原因が思い当たったのです。

そうだ、原因は、このトラブルを引き起こした犯人は、一昨日の午後、庵の近くの道で遭遇したあの二人組だ、そうや、あの二人に間違いない!

一昨日の午後、外出しましたときに庵の近くの道で二人の男に出あいました。二人は小さな水たまりの前に佇み、スマホで何枚も水たまりの写真を撮りながら、何かしきりに話しております

GGIは、自分は世界で唯一の水たまり写真家であると自負していましたので、おやここにも水たまり写真家がいるのかと驚き、声をかけました。「あの~、いま写真を撮っておられましてけど、この水たまり、写真にとるほど何か美しいというか・・・・」「いや美しいとかいうそんなノンキな話ではありません、問題なのです、この水たまりは」「問題って?」「これ、雨が降ってできた水たまりではありません、地中から水が湧いてきたのです。もっとわかりやすくいうと、水道漏れなのです。この地下で水道管が壊れて漏れているのです。ですから明日工事します。あなたは近くにおすまいですか」「そうや、すごそこ、あそこの平屋」「そうですか、工事のため明日の午後1時から午後4時まで水道を止めます。あとで近所にお知らせのチラシを入れておきますから」「そうなのですか、ご苦労さま」

水道管の老朽化が全国的の問題になっていることは知っていたのですが、庵の近くでも漏水しているとは・・・・

もうおわかりでありませう。昨日GGIがトイレでオシッコしたのは13時半ごろ、つまりこのとき水道管を取り替える工事はすでに始まっていたのです。だから、いくらわが庵の電動式トイレが作動しようとも水が出るはずはなかったのです。窓を開けてみまたした工事の物音が聞こえてきました

これで原因がわかりGGIの気持ちはすっきりいたしました。しかしながら、体はすっきりいたしませぬ、ええっ、そういうことなら午後4時まではトイレを使えないのか、弱ったなあ、午後4時まで大も小も我慢しろというのか・・・あと2時間半も我慢しなければならないのかと思えば思うほど、わがベンイは強まってまいります・・・弱ったなあ・・・しかしどうにもなりませぬ、我慢に我慢を重ねて一時間ほどたった頃、何となくキッチンの水道栓をひねりましたら蛇口から水がほとばしり出るではありませんか!GGIは叫びました

オ~イ、オッサンらよ、工事が済んだのなら済んだと知らせろよ!おれは死ぬ思いでトイレを我慢してたんや!

叫んだとたんに、わがベンイは急激に雲散霧消してしまいました・・・

それにいたしても、日本のあちこちで下水道管の老朽化が進んでおり水道管の老朽化も進んでおり、したがってGGIの老朽化が進んでいるのだなあを思わせられる昨日のトイレ・トラブルでありました・・・

今日は少々尾籠な話で失礼いたしまた。気分を害された方もおられることでありませう。おわびに今日はわがガーデンにいま咲いている清楚なる水洗ならぬ水仙の花を写真でお見せいたしますので気分をお直しくださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

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アベ君の最大のウソ:昨年末「空母保有」を閣議決定・・・

2019-01-29 01:06:35 | 日記
アベ君はモリ・カケ問題でウソをつきっぱなしであることは広く国民の知るところですが、これらのウソを大きく上回る桁違いの大ウソ、彼がこれまでについた最大のウソ、それは空母の建造についてのウソです。

空母はどう言いわけしようが攻撃型兵器であり、いわゆる「専守防衛」の原則に反する装備、したがって憲法に違反する装備であることは明らかです。しかしながら、アベ君は空母を持つことなど考えてもいない、検討もしていないと明言しておきながら、舌の根も乾かないうちに空母を持つ方針を決定したのです。これがウソでなくて何でありませうか・・・

海上自衛隊は2014年8月6日、終戦記念日に、「ヘリ空母」と称する自衛艦「いずも」を進水させました。このとき、日本のメディアはほとんど報道しなかったのですが。中国と韓国の関係筋は、「いずも」は実質的に「空母」であり専守防衛を逸脱していると警戒感を露わにしていました。なかでも中国は、あの「上海事変」のときに上海を砲撃したのが帝国海軍の戦艦「出雲」であったことから、よりによって8月6日に同名の自衛艦を進水させたことに非常な不快感を表明していました。

しかし、日本政府も日本のメディアも、この中国と韓国の非難を無視していました。どうせ何かあると日本を敵視しがちな中国や韓国のことだ、耳を傾ける必要なんかないというわけでありませう。一方、自衛隊筋は当時、ヘリ空母「いずも」は哨戒用や救難用のヘリを搭載するだけであり攻撃型の装備ではない、したがって専守防衛の原則を逸脱するものではない、と明言していました。

そして、2017年末、国会で「ヘリ空母《いずも》を空母に改装することを検討しているのではないか」と尋ねられて、アベ君はこの指摘を言下に否定しました。

ところが、それからわずか一年後の昨年末、アベ君は「いずも」を空母に改修する方針を閣議決定してしまったのです。メディアの報道は以下のとおりです

《安倍内閣は12月18日に、「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画(中期防)」を閣議決定した。 その中で、少なからぬ新聞、テレビが問題としたのは、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を改修し、戦闘機が離着陸できるようにするという方針を打ち出したことだ。(週刊朝日)》。

ところが、実は現場は、すなわち海上自衛隊は、建造費1200億円もを要する「いずも」の設計段階から「空母化」することを念頭において着々と計画を進めていたのです。

この間の事情について2018年2月23日の朝日新聞が「空母化、設計時から想定、海自幹部の証言」と題した記事を掲載しています。

証言によれば、当初から空母化を考えていたため、搭載機を格納庫から甲板に運ぶためのエレベータは次期戦闘機と目される米国製のF35型戦闘機の大きさに合わせて作られており、また短距離離陸・垂直着陸式戦闘機であるF35Bの搭載に備えて、甲板は着陸時の高熱に耐える塗料が施されているとされています。

つまり、このたびの閣議決定でこれから「空母化」に着手するとしてはいるものの、実際には「空母化」の大半はすでに完了済みなのです!(あとは船首部分を戦闘機の離陸により適した形状に改装しさえすればいいのです)。ですから、この閣議決定は実質的には現場の海上自衛隊がすでに行ってしまっている「空母化」という既成事実の追認に過ぎないのです。

通常、重要な防衛装備は国の「防衛大綱」や「中期防衛計画」に基づいて計画され整備されるものなのですが、未だこれらの国の計画に盛り込まれていない装備である空母を自衛隊は勝手に計画し建造していたのです。文民統制がどうのこうのと言った程度の問題ではありませぬ。現場の暴走、それを知っていながら黙認(=実質的な承認)、そしてこのたび「空母化方針」を閣議決定することで既成事実に事後承認というお墨付きを与える・・・このような事態、とても法治国家などとは申しませぬ。「軍部」の暴走は戦前だけの話ではないのです。

アベ君は明治維新以来の強烈な「大国」願望主義(日本は大国である、大国でなければならない)の熱烈な信奉者でありますので、自衛隊による《暴走》を知っていて黙認したあげく、このたび堂々と空母化を決定したのでありませう。

アベ君などの大国主義者が考える「大国」の重要な要件のひとつはもちろん「大国」にふさわしいそれなりの軍備を有していることです。そして二次大戦後、大国であることの軍備上の象徴は、空母と核ミサイルです。ですから、このたびの「空母化」方針の閣議決定でアベ君は大きな願望のひとつを実現することができるのです。

アベ君は大満足でありませう。残るは核ミサイルですが、ミサイルのほうは、「イプシロン」というミサイルに適しており、いつでもミサイルに転用可能なロケットを日本はすでに持っています。あとは核弾頭だけ、米国が許しさすればいつでも核武装は短期間に実現可能です

(ここで話題がそれますが、自民党政権が今や将来性がまったくない原発の保有に未だに強くこだわっていることの大きな理由の一つは、いつでも核ミサイルを保有することができるように、核技術を保有・維持しておきいということだと考えられます。日本が当面は核兵器と保有しないが、常に保有に備えておくことを方針とすることが、かつての外交政策大綱に明記されています。たとえば使用済み燃料の再処理、これは核兵器製造のためのプルトニウムを得るために欠かすことのできない技術でもあるのです)

「いずも」の空母化が、専守防衛の原則に反するものであり憲法違反ではないか、という批判が起きるのを恐れて、中期防衛計画では《「いずも」は、改修はするが、普段は対潜水艦哨戒ヘリを搭載し、戦闘機は必要な場合だけの運用だから攻撃型空母ではない》などと言っておりますが、これは詭弁であり苦しい弁解に過ぎませぬ。「防衛型空母」などと言いたいのでせうが、そんな攻撃型空母とか防衛型空母などという区分は、軍事用語には存在しておりませぬ。空母というのは自国から遠く離れた場所で敵軍と戦うための装備です。ですから空母はすべからく攻撃のための軍事的手段以外の何物でもありませぬ。

海上自衛隊は当初から「ヘリ空母」を建造すると偽って実際には「空母」の建造を意図し実行に移したというのが事の真実でありませう。1200億円という膨大な国費を使って、国民の目を欺いて空母を建造したのです。一千億円以上もの公金を目的外の事柄に勝手に使ってしまったのですから、これは犯罪そのものです。きわめて悪質な組織的犯罪です。

現場で勝手に未だ国の計画には盛り込まれていない、従来の政府の方針や憲法に違反する重大な軍事的計画や政策を勝手に実行に移すことを黙認していたことは単なるウソつきで済む問題ではありません、国を危うくする大不祥事です。大臣をはじめとして防衛省幹部の即刻辞任だけでは済む話ではありません。安倍内閣の総辞職に値する問題です。むかしふうに申しあげれば、これは万死に値する悪行、悪質極まる国家的詐欺行為です。

戦前であれば、このような統帥権の侵犯ともいうべき不祥事が起きた場合、軍の関係者は即刻軍法会議(軍事裁判)の対象とされ、場合によっては死罪とされたことでありませう

ところが日本のメディアはいっときは多少問題にしたものの、その後は静かであります、政界も野党諸氏も含めて静かであります、市民も静かであります、静かすぎます、異常です。一方、三菱重工あたりの軍需産業関係者は、これはラッキーチャンス、軍備のなかで一番カネのかかる兵器、一隻で一千億円以上もする空母のさらなる建造を期待していることでありませう・・・

かようなしだいでGGI、まったくのゴマメの歯ぎしりかもしれませんが、久しぶりにアベ君宛のハガキをつくってばら撒こうかなあと思っております。「空母化」反対の意思表明のハガキです。

「いずも」の後に、「いずも」と同型の同じく「ヘリ空母」と称される、自衛艦のなかで最も大型の自衛艦「かが」がすでに進水・就役しています。「かが」もいずれ空母化されることになるのは間違いないでありませう・・・・(「かが」という名称も戦前の軍艦「加賀」に由来したものです)。

これまでに何度も「いずも」の空母化の話をこの日記に書いています。読んでもいいよと思われる方はご覧になってください。

今日の写真は太平洋上で米海軍の空母「ジョージ・ワシントン」と並走する「いずも」の写真を使った空母化反対のハガキの試作品を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になってくださいませ。「いずも」は「ジョージ・ワシントン」よりやや小さいものの、米空母見劣りしないリッパな「空母」であることが一目瞭然であることを、この写真からご理解いただけることと思います

このハガキの宛先は以下のとおりです。

100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1  内閣官房内閣広報室
      安倍晋三総理大臣殿、岩屋毅防衛大臣殿

よろしければあなたもアベ君に何か直言してみてください!

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

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日々是必ずしも雑事のみとは限らなかった一日・・・

2019-01-27 02:19:54 | 日記
昨日、天気予報は寒波襲来、雪になるとのことでした。でも午前十時、未だ寝ぼけまなこでいたころは天気良好青空、陽が射していました。

なんだ、いい天気じゃないかと思っていましたら、トントン、勝手口をノックする音、誰だろうと思ったら作業着姿の青年、「水道のメータ取り替えに来ました。10分ほど水道を止めます、よろしいですか」「どうぞ、ご苦労さま」「作業が終わったら知らせますから、しばらく水道流しっぱなしにしてから使ってください」。この寒いなか、青年はテキパキ仕事をこなし、やがて完了、すぐに去っていきました。GGIにはまったくまねができないテキパキ振りにいたく感心、わが身の怠惰ぶりを恥じてしまいました

次いで琵琶湖汽船さんの予約係に電話。一昨日某謀議を行いましたときに、雪見船に乗って湖都から湖を縦断、湖北長浜の盆梅展を見に行きたいという厄介なることを強く希望する謀議参加者が続出、午後5時過ぎに謀議場から琵琶湖汽船の予約係に電話しましたら「本日は営業を終了しました・・・」などというつれない録音テープの声。では、ということでGGIがあらためて電話し直したのです。

「あの~昨日電話したのですがカクカクシカジカ、2月は毎日船が出ていると聞いたのですが・・」、女性の声がテキパキ。「いえ、二月は土日月と祝日は出港しますが、その他の日は15人以上の予約があれば船を出します」「えっ、それなら予約しても15人に満たない場合はダメなわけ?」「さようです、平日を予約された場合は予約日の3日前に出港するかどうかお知らせします、ですから平日に出港するかどうかは保障できません」「そうかあ、なんかつれないなあ、いまのところ8人だけど、2月○日、なんとかならないの?」「せっかくですがお約束できまかねます」「なんや、君、つれないなあ、じゃあ、とりあえず予約はしておくから」「わかりました、乗船料は3000円ですが、帰りはJRになさってJRの関西ワンデ-パスをご利用されるとJR代も含めて3600円、お得です、お弁当もございます、1500円」。かようなしだいで予約はしたのですが、この汽船会社、戦前からある古い会社、もうひとつやる気がないというか殿さま商売というか営業に不熱心というかノンビリとしているというか・・・

やれやれと思って電話を切り庭に目をやりましたら小雪がちらつきはじめていました。午後、あいわからず参加者が長期低落傾向を示して歯止めがかからない脱原発の市民ウォークなるものを行うことになっていました。でも、この様子では天候急激悪化、本格的な雪になるかもしれないなあ、それに気温も低い、というわけでダラ~と裾の長いベンチコートを着ていくことにしました。出かける準備をしていましたら、僻地の住人から電話、「当地、今日は悪天候、雪しきりに降下、すでに積雪十数センチ、私と某氏は安全を期してデモは欠席」、まあ、しかたありませぬ・・・その他にも欠席者が出ることでありませう

午後1時過ぎ、デモの出発点、JRの駅前に到着。昨日の日記で紹介しました市民の手による「放射能マップ」という本をPRするチラシを参加諸氏に配っておりましたら、デモに参加することにしていた某氏から電話、「さっきデモの解散地点近くのパーキングに車を止めて下りてしばらく行ったところで転んでしまった。右肩を強打、右半身激痛、なんとか集合地点まで歩いていくけれど遅れるから・・・」、待つこと十数分、転んだ当人、ヨロヨロと這うようにして到着、「右肩がまったく動かない、右半身もいたくて・・・」「そうかあ、痛そうやなあ、これではデモはとても無理、すぐに病院にいったほうがええ、市民病院が近い、えっと、今日は土曜日か、でも土日は救急外来がやってるはず、いま電話で聞いてみるから」「もしもし市民病院ですか、今日は救急外来は・・・」「やっています、救急部門に電話をつなぎます」というわけで、近くいた別の親しい知人を捕まえて「君、運転できるやろ」「できる」「それなら、まず駅前、あそこにタクシー停まっているからつかまえて、この転倒者の車が止めてあるところまで二人でいって、必要なものとってからタクシーかこの転倒者の車で市民病院の救急外来に連れて行ってくれ、病院にはさっき電話しておいたから」「わかりました」

かようなしだいで転倒者を知人に託してデモは出発、途中から風が強まり雪が降りはじめました、GGIはいつものとおり最後尾をぶらぶら歩いていたのですが、さらに後ろから取材に来ていた某地方紙の記者さんが近づいてきて「あなたはこのデモのチラシに書いてある呼びかけ人の一人のGGIさんですよね」「いちおうそういうことになってるけど・・・」「すこしお話しをきかせていただきたいのですが・・・」「あまりややこしい質問でせんといてね、オレ、頭脳不明晰、口から出まかせ人間やから」

「そうおっしゃらずに・・・あの~いつごろからこのデモを?」「フクシマ事故のあと2011年の五月から、だいたい毎月一回土曜日の午後にやってるけど」「デモを行う意図は?」「そういうムズカシイ質問が一番困るんや・・・あのなあ、このデモやろうという言いだしっぺはオレじゃない、実はある人物が原発事故からひと月ほどあとに、京都ではもうデモやってはる、湖都でもやらんと恥ずかしいでえ、GGIなんとかしなさいとオレに命令したのや、それで始めたのやけど、この言いだしっぺの人物は日本オバちゃん党員の元気オバサン、でも数年後に突然死してしもうた、それでしかたなく・・・で、今に至っているというわけ」「なぜデモやるのかと聞かれてもなあ、できるだけいろんな市民に自由に参加してほしいとオレは思っているのやけど、現実はかならずしもなあ・・・まあ、ご覧のとおりや、今日は二十数人・・・とにかく正直いって、あの福島第一原発の大事故から8年、風化しつつあることは否めない事実や、とりわけ西日本では。だからデモやってどんな効果があるのか、実効性ということを考えると、まあ実効性は限りなくゼロに近いなあ、だから、まあ、私たち市民は原発問題をわすれていませんよ、と自己確認のためにやっているみたいなものとちゃうかなあ・・・」。

こんなあいまいな意志薄弱な説明されて記者さんはどう記事にしたらいいのか迷ってしまい困るだけ、記事は没になってしまうかもしれませぬ。でもGGIの責任ではありませぬ・・・記者さん、どうか許してくださいね・・・

関電湖国営業所のビルの前で、GGIの隣を歩いていた、高校時代は応援団長だったという体格のよい人物が、他を圧する大声でビルに向かって叫びました、「お~い、よく聞けえええ、関電に未来はないぞおおおお!わかったかあ!」。さすがに元応援団長、GGIはその轟き渡る美声に感心してしまいました、彼の大声は向かいのベンツのショールームのガラス張りの壁に反射して関電ビルを直撃していました。

関電ビルの前を通り過ぎ、やがて湖岸の解散地点にちかづきますと、風が一段と激しく吹き付け、湖には白波が立っています。雪も激しくなってきました

比叡おろしの突風が来襲、GGIじまんの「虹の旗」として有名なピースフラッグを持って歩いていた人物の手から旗をもぎ取ってしまいました。旗は空中を強風に乗ってヒラヒラ、何人かが捕まえようとしましたが失敗、しかしデモの後ろからついて歩いていた警備のお巡りさんが最後に片手で見事にキャット、このファインプレーに拍手がわきました

解散地点でここしばらく姿を見なかった知人に出会いました。以前、デモでであったときに「GGIさん、ボク、癌の診断を下されました、しばらくは検査などでいろいろあるからお会いできないと思います」と言っていました

GGIよりいくつか年上らしき温厚で物静かなな本物のジェントルマン、元小児科医です。気になっていましたのでその後の様子をうかがいました。「結局肺ガンでした、ボクはタバコ吸いません、タバコによるものとは異なる種類の肺ガンです。何か月か前にレントゲン撮ったときは何でもなかったのですが数か月後には・・・最初に見落としたのかもしれませんね、今は医者の指示にしたがい制癌剤を服用しています、脳にも転移しているよう・・・」。GGIが知っている別の知人も喫煙してないのに肺ガン、脳に転移というのも同じです・・・「いやあ、制癌剤使うと副作用で、食べ物がおいしくなくなるのです、そのうえお酒をのんでもちっともおいしくないのですよ、これはつらいですねえ、ボクは酒飲みではないのですが、それでももう食べ物やお酒がおいしくないのはとても辛いですね・・・」

なぐさめる言葉がありませぬ。GGIも酒飲みと言うほどではないのですが、毎晩寝る前の小一時間のナイトキャップが楽しみでありますので、その辛さはよくわかるつもりです・・・元お医者さんですから、おそらくこれから先のことも十分に承知されているのでありませう。自分の最後を覚悟されているようであり、落ち着いた穏やかな表情で話されていました。GGIにはとてもまねができませぬ。「とにかく、主治医とよく相談されて・・・・どうか・・・元気でいてください・・・」

デモ解散のあと、比叡からのGGIに襲いかかる寒風に抗して、デモの解散地点から少し先の湖岸にある某施設に向かい、定例の謀議を開催しました。でも悪天候で参加者は三人、謀議の常連でありいつも積極的参加してくれていた人物、GGIより若干年上の人物が1月はじめに大動脈瘤破裂で突然死去してしまいましたので、これからのことを若干相談、とにかくあまり遅くならないうちにこの人物と親しかった方々などに呼び掛けて、偲ぶ会といった大げさなものではなく、追悼の集まりをやることにしませう、ということにいたしました

外を見ますと雪は激しくなっていました。遠くから謀議に参加してくれた人物もいましたので早めに解散、これまでパソコンも携帯もスマホも持ったことがない謀議参加者の一人が海外との通話料金がどうなっているのわからん、だからドコモの店に聞きにいくからついてきてくれとのこと、

横殴りの雪の中をドコモのお店に到着、ここで発見したことは日本から海外にかける場合はそれなりの料金がいるのは当然なのですが、スマホで海外からかかってきた場合にはこちらからかけたわけではないのに着信料?なるものを200円ほど取られてしまうということです。GGIもそんな巧妙なしかけになっていることを全く知らなかったのですが、海外からときおり用事の電話がかかってくることがあるこの知人もこのトンデモない話は初耳でびっくり・・・

こうやって、いくらスマホやネットなどの奇妙なる現代題IT文明を遠ざけようと思っていても段々巻き込まれていくのだなあ、とこの知人は嘆くことしきり。この知人、奥さんなどと非常時の連絡用にやむを得ずスマホを買ったのです。ですから他の誰かにスマホをかったことを、その番号をしらせても、急ぎでない場合はスマホにかけてくれるな、かならず固定電話にかけてくれと強く念をおしているとのことでありました

ドコモのお店を出ましたら雪は一段と激しくなりました。寒いなあ、このまま帰ると途中で凍死するかもしれないから体を暖めましょう、それに今宵は一月のはじめに突然この世をさってしまった謀議の重要メンバーを個人的に二人で追悼しませうということでJR駅前の王将にはいりました。チリの安物グラスワインを赤、白、ロゼと順繰りに楽しみました。途中で、まだ物忘れの年とはいえない知人から電話、「今日謀議があることをコロッと忘れていた、ゴメンナサイ」、まあ人のことはあまり言えないものの、次回からは心するようにとエラソーに返事いたしまた。

赤白ロゼとグラスワインが一巡したのですが、雪はやみそうもありせんので解散を決意、店を出ようとしてレジに向かいましたら、店員さんが忘れ物ですと言ってGGIの安物ボストンバッグを持って追いかけてきました。ったく・・・ヒトの物忘れを嗤ったりできないなあ・・・・

スマホ初めての某氏と駅前で別れました。外は一段と寒く、これから10分以上ほど雪の中をトボトボ歩くのかと思うとなんだか一段と寒さが身にしみ、身にしみた寒さを排除するために近くのコンビニに入って熱いコーヒー、コーヒーを口にしながら、今日デモにくるときに大転倒した知人に電話しました。

「市民病院の救急外来に診てもらいましたが、レントゲン撮って応急処置だけ、来週月曜にあらためて診察を受けてくださいとのこと、右肩はだいぶんおかしくなっているみたい、いろんな用事が立てこんでいるのだけれど、困ったなあ・・・」「でも以前からGGIは言っていたでしょう、あなたは元気なのは結構だけれどセッカチだから注意しないと今に転んだりするぞって。まあ、しばらく用事なんかほったらかしにして治療に専念すべきです」

この知人にエラソーに説教したあと、庵への道を急ぎました、かえりついたら午後9時、わが庵は、わがガーデンは雪に包まれていました。

かくして日々是雑事だけとは限らなかった一日はなんとかおわったのでありました・・・

今日の写真は雪化粧のわがガーデンを撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

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市民の力:「図説 17都県 放射能測定マップ」

2019-01-25 00:25:21 | 日記
昨年末、南の国でパラダイス生活をしている知人から電話がありました

「GGIさん、お久しぶりですね、毒にも薬にもならない栄養にもならない無意味満載の《後期高齢者優柔不断日記》ともいうべきブログ、私もときおり気まぐれに眺めたりさせていただいておりますが、読み終わるといつもシマッタ、短き人生なのに時間をムダにしてしまったと後悔しております」

「久しぶりのわりにはリッパなあいさつやなあ、君は正直なこと言いすぎる、それなら読まなきゃいいじゃないか、もう少し後期高齢者に敬意を表したらどうや」

「それは重々わかっているのですけれど、あのダラダラ文章、なんとなく中毒性があるというか・・・まあ、しかしいま言ったことはすべてジョーダンとご理解ください。ところで。今日はちょっとしたお願いがあるのです。今日、ネットで東京新聞を見ておりましたら、《図説・17都県 放射能マップ》と題された本が市民の手で出版されてと言う記事が出ていたんです。記事の見出しは《放射能測定マップ反響 自費出版、異例1万部準備》となっています。福島原発事故による放射能汚染の実態を明らかにするために、市民が協力して17都県で土のサンプルを採取して測定して得られたデータを編集し、開設したもののようです。とてもいい本みたいなので一冊買っておいてください。帰国したらもらいにうかがいますから」

まともなお願いでありましたのでGGIは快く了承、すぐに東京新聞の記事や発行元のサイトなどを見てみました(なお、今年1月19日付け朝日新聞の書評欄でも取らあげられていました)。

GGIは脱原発のデモなどをやったり、あまり実りはないのですが福島原発事故以前から、とりわけ東海村で臨界事故が起きて犠牲者が出たことから、原発問題についてあれこれ思いつきでやってきたのですが、まことに恥ずかしながらこのような本が出版されていることを少しも知りませんでした。知らせてくれた南国パラダイスの知人と東京新聞に感謝申し上げます。

この本の正式の題名は「図説 17府県 放射能マップ+読み解き集」です。初版が出されたのは昨年11月末。「みんなのデータサイト」という市民団体の手による自費出版とのこと。膨大な実測データに基づいた、おもに福島県をはじめとした東北各県と関東・首都圏近辺の土壌中における放射性セシウムの濃度に関するデータ集です(発行:みんなのデータサイト出版)。

これは市民およそ4000人の手により3400の地点で採取された土壌の試料を用いて測定された17の都県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)に関するデータ集です。一定の統一された条件のもとで採取された土壌中の放射性物質セシウム134とセシウム137の含有量を測定し、測定日における測定値から、放射能の減衰計算に基づく逆算により事故が起きた2011年3月の時点における値を導きだしたデータ(ベクレル単位で表示)を集めたものです。各県別に測定地点と測定値が地図入りで表示されています。

この本によれば、文部科学省や原子力規制員会も土壌の汚染度についてのデータを公表しているものの、それらのデータは「航空機モニタリング」という手法による推定値(航空機から下方の一定面積を対象に地上1メートルの空間線量を測定して平均化し、その空間線量の値(シーベルㇳ値)から土壌中の濃度、すなわちベクレル値を推計したもの)であり、推計に際してさまざまな仮定を経たものであるため、その精度は高くはないとされています。

このことから、この市民の手による測定値は福島原発事故によりどの程度土壌が汚染されたのかが推定ではなく実測により示されている、科学的な客観性を備えた貴重な基礎的データであると断言してよいでありませう。このようなデータ集の場合、常にデータの精度が問題になるのですが、独自の精度管理手法を開発して一定水準以上の測定精度を確保するようにしたとされています。

また、汚染状況を示す地図だけではなく、牛乳、米、川魚、海水魚、キノコ、山菜などの汚染状況(事故後8年を経て測定限界以下の値になっている品目、いまだに深刻な汚染が残っている品目など)も示されています。

このマップを見ていますと、福島原発事故によりいかに広範な地域が汚染されてしたったのか、首都圏までもがかなり汚染されていたことが容易に理解されます。

膨大なデータに基づいた、このようなしっかりして信頼のおける放射能汚染についてのデータ集が市民の手で出版されるに至ったことは、正直申しましてGGIには非常な驚きです。このような広範で科学的なデータ収集を企画し、測定を実行された4000人余の市民の皆さんの地道な努力に頭が下がります。この測定に携わられた市民のみなさんに最大限の敬意を表します。地道な努力を大のニガテとする口先人間であるGGIはただただ己の怠慢ぶりを恥じ入るしかありません・・・

ちかごろ暗い話ばかりが多いのですが、GGIはこの本を手にして、市民の持っている力の大きさを、その確かさを実感いたしました。測定に協力された多数の市民のみなさん、データの整理、データ集の編集・出版に尽力されたみなさんにあらためて感謝申し上げます。

(「みんなのデータサイト」は全国33の市民放射能測定室が参加するネットワーク型の団体とのことです)

関心のある方はぜひ一度ご覧になるようお勧めいたします。このデータ集のより具体的な内容や入手方法は「みんなのデータサイト」のホームページに掲載されていますのでご覧になってください。

ネットでの通販によっても購入できますが、郵便振り込みによる場合は以下のとおりです。

・購入冊数、郵便番号と住所、名前、電話番号を記入
・価格は一冊2500円(税込)、送料は1~2冊は400円(レターパックライト)、3冊は510円(レターパックプラス)、4冊以上は問い合わせてください(TEL:024ー573-5697)
・口座番号:00100-7-729477 口座名:みんなのデータサイト運営委員会

今日の写真はこの「放射能マップ」の表紙を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!
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あヽ後期高齢者バーの夜は更けて(その三)・・・

2019-01-23 01:14:35 | 日記
今日の日記は前回の日記の続きでございます。

前回の日記で後期高齢者尼僧さんの突然の湖都市議会議員選挙出馬宣言というまたしても想定外の事態の出現に、GGIは驚愕して気が動転してしまったと書きました。

動転しつつ、この未だ正体不明とも言うべき尼僧さんにさらに聞いてみました。

ところで、あなたはいつごろ出家なさったのですか・・・

出家ですか・・・五十五歳のときのことでございます。

ははあ・・・そうかあ、五十五かあ、出家するにしては遅すぎるくらいだなあ・・・若いころから仏門にあったわけではないんだ・・・人生も後半、晩年近くになってからの出家・・・何か感ずるところがあって出家したということかなあ・・・

GGI、この尼僧さんを応援してあげたいなあという気持ちにまったくならなかったわけではないのですが、何しろ過去に4回も知人の選挙を応援していずれも落選ということが重い重いトラウマとなっておりますから、ただでも優柔不断名人のGGIの気持ちは揺らぎます・・・

そこでとりあえず尼僧さんの名刺をGGIのインチキ名詞と交換して申しました

・・・まあ、とにかくですね、事務所が決まったら教えてください・・・とにかく・・・

そうしまたらお付きの夫人がバッグから三つ折りのリーフレット数部を取り出し、どうかよろしくとGGIにさし出しました。後援会のリーフレットです。ありがたく頂戴いたしました。

夜も若干更けつつありましたので、やがてこの三人組は席を立ちました・・・三人組が姿を消したあと尼僧さんの名刺をよく見てみましら、「○○寺 副執事」という肩書、京都の名の通ったお寺の名前が書いてありました・・・

う~ん、そういうことかあ・・・

三人組が姿を消してから、あまりの想定外の連続、このバーに案内してくれた知人も少々混乱の模様、そこですこし気分を変えて飲み直そうと、またカティサークを注文しましたら知人とGGIが飲んでしまったのでもう残っておりません。そこで知人が別のウィスキーを注文いたしました。

そうしましたら、知人が注文したウィスキーの瓶は棚の高いところに置かれているため、腰が少し曲がったオールドマダム、背を伸ばしても手がなかなか届かず、危なっかしい限りです。取り損なって落っことしたりしたらタイヘン、知人はその様子を見ていてあわてて申しました

マダム、その高いところにある瓶、取るの危ないからそれでなくていいです、一番下の棚にあるウィスキーでいいです、そう、それでいいです、オールドで・・・

でも、このオールドマダム、カクテルを作るときのシェーカーを振る手つきはまことにあざやかでありました、軽やかに流れるように8の字を描いてシェーカーを振る姿、さすがに年季が入っていると申しますか、まさにプロの手つきそのものであり、知人もGGIも感心してしまいました。

尼僧さんらの三人組が去り、しばらくするともう一組の二人連れの客も帰り、店はGGIら二人とオールドマダムだけとなりました。

しばらく、知人相手にGGIは知ったかぶりしてウンチクを傾けました

「かつて《死刑台のエレベータ》という映画があったのを君は知ってるか、1960年ごろのフランス映画」とエラソーに十歳ほど年下の知人に申しましたら

「知ってますよ、マイルス・ディビスの名演奏で有名だったじゃないですか」

「そのとおり、全編に流れるジャズはまさに絶品やった、でも、全曲いずれもマイルス・ディビスの即興によるものなんや、彼が仕事でパリに立ち寄ったときにスタジオで演奏したのだけれど、演奏するまえに彼は条件を出したんや、演奏するにあたっては録音は一回きり、録り直しは絶対しない、という条件や、すごい自信・・・どうやって曲を編み出したのかなあ、おそらく、はじめに一回か二回、フィルムをバンドの仲間たちといっしょに見て、曲想について大筋だけ打ち合わせてから、もう一度フィルムを見ながら、場面に合わせて一気に演奏したのやないかなあ・・・まさに天才。この映画、ルイ・マㇽ監督のデビュー作としても有名・・・

(ゴメンナサイ、最初に書いた以下の記載は間違い、ルイ・マルとアラン・レネとを取り違えていました

「それにこの映画、後にヌーベルバーグを代表する名画《ヒロシマ・モナムール》(邦題:二十四時間の情事)を作ったルイ・マル監督のデビュー作」と書きましたが、これはアラン・ネレのまちがい。正確にはアラン・ネレの初の長編劇映画です。

「死刑台のエレベーター」のサウンドラック版のレコード、かつて持っていたのでだけれど、誰かに取られてしもうた・・・

などなど知人相手にグラスだけではなくウンチクも傾けておりましたら、時計の針は早や午後十時を少し回ってしいます。

六時半ごろこのバーに来たのだから、さあ、もうそろそろお開きにするかと思いながらオールドマダムに話しかけました

さっきの尼僧さん、すごいなあ、75歳、後期高齢者で選挙に出るんだって・・

でも、あなたはさっき「オレ77歳、勝った」なんておっしゃってましたね、77歳といえば生まれは昭和16年でしょう?

アタリです。すぐに分るなんてマダム、アタマいいですね、ところでマダムはおいくつですか?

私?・・・私は昭和・・・15年・・・

ガア~ン・・・

えっ!昭和15年、それならいま78歳!?・・・ほんと?

またしても想定外の事態の出現でありました

マダムも後期高齢者かあ・・・さっきは勝ったけれど今度は負けたなあ、などと話しておりましたら、マダムは遠慮がちに申しわけなさそうに申します。

あの~、このお店、十時までということにしてるんです、ですからそろそろ・・・

あっ、そうなんですか・・・ゴメンゴメン、これは気が付かなくて、ではすぐに退散しますから

かようなしだいで後期高齢者バーの夜は午後十時にはもう十分に更けているのでありました・・・

マダム、また来るから・・・次はいつごろ店開く予定ですか?

またしてもマダムは申しわけなさそうに申しました

あの~・・・二月と三月はお休みする予定なので・・・

かくして後期高齢者バーの想定外続きの夜は終わりを告げたのでありました、外に出ましたら風は身を切るよう、街に人影はまったくありませぬ。知人は想定外の連続ですっかりできあがってしまっており、近くのお地蔵さんに向かって何かしきりに吠えておりました。

今日の写真は尼僧さんにいただいて名刺の裏面を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

(この日記、まだ続くかもしれません)

グッドナイト・グッドラック!
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