UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

私たちが貧しい国から来たからこのような結果を出しているのですか・・・

2022-07-24 01:53:22 | 日記
安倍元首相が狙撃されたり、岸田君がさっさと自分の都合で故安倍氏を「国葬」にすることを決めたり、そのうえ最近わが身にゼンソク君が若干取りついたり、知人が背骨を折って入院していたり・・・どうもうっとしいと申しますか、さえない日々が続くなあなどと前回の日記に書きましたが、実は安倍氏が狙撃されて亡くなってから十日後すなわち7月18日にも、考えようによっては安倍氏狙撃事件よりもなんともやり切れない出来事が各紙で報じられていました。小さな記事です。

名古屋出入国管理局に不法滞在を理由に強制的に収容されていたスリランカ人の女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が去る3月6日に死亡するという事件があったことを皆さんご記憶のことと思いますが、7月18日のニュースは、前日の17日に名古屋地検がこの事件でウィシュマさんを死に至らしめたとして告発されていた当時の局長と職員13人を不起訴処分としたことを伝えるものでした。地検は不起訴にしたことの理由について「捜査を尽くしたが死因や死亡に至る具体的経緯を特定できなかった」と説明しているとのことです。

今日の写真は共同通信が配信していた写真を借用したものです。写真には「ウィシュマさんの遺影を手に沈痛な表情を見せる妹ポールニマさん(右)とワヨミさん=17日、名古屋地検で」という説明が付されていました。

18日付けの朝日は《妹2人らが地検を訪れ、処分結果の説明を受けた。その後、取材に応じたワヨミさん(29)は「調査がちゃんとなされたか疑問が残る」と批判。ポールニマさん(28)も「私たちが貧しい国から来たからこのような結果を出しているのですか」と憤りを口にした》と報じています。

「私たちが貧しい国から来たからこのような結果を出しているのですか?」

あなたがこのように尋ねられたらどうしますか?・・・私たちの胸に深く突き刺さる質問です。・・・答に窮するしかありません・・・

まったくその通りだからです、私たちが暮らすこの日本という国は、まことに恥ずべきことですが、そういう国なのです。ウィシュマさんがアジア系外国人ではなく、たとえば欧米の白人だったならば、おそらくこのようことは起きなかったのではないかと思います。安倍氏狙撃は確かに衝撃的な事件ですが、個人的な怨恨による殺人事件であるという意味では、私たち普通の市民に直接かかわる事件ではありません。むしろ、怨恨により有名政治家を狙撃するという、その余波は大きいものの、少なからず特殊な事件です。

しかし、日本政府の公的機関に強制的に収容された末のウィシュマンさんの死は、妹ポールニマさんの言葉から分るように、日本がどのような質の社会なのかということに関わる問題、つまり私たち日本の普通の市民にも関わる問題ではないかと思います・・・

ウィシュマさんは出入国管理局という日本の政府機関に強制的に収容されて命を落とし、死後にもう一度日本の政府機関である検察庁により命を奪われたと言っては言葉が過ぎるでしょうか・・・このたびの検察庁による不起訴の処分は、まるでウィシュマさんが勝手に死んだと言っているに等しいものです・・・


今日の写真、報道写真としてはとりたてていうほどのもではないかもしれません.
でも、GGIの記憶に強く残る写真です。この写真を眺めていますとウィシュマンさんの妹さんの声が響いてきます。

「私たちが貧しい国からきたからこのような結果を出しているのですか?」

二人の妹さんはこの処分を不服として検察審査会に申し立てる意向とされています。当然でありませう。

検察審査会では,選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が,検察官が事件を裁判にかけなかったこと(不起訴処分)のよしあしを審査します。いまは、市民のなかから選ばれた審査員の方々が公正な判断を下してくれるよう願うばかりです

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

グッドナイト・グッドラック
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世の中いろいろごたごたしておりますが、われは草なり・・・

2022-07-19 00:12:24 | 日記
先日はアベさんが狙撃されたり、そのあと岸田君、いろいろ彼なりの「思惑」なもののがあって、さっさと彼を「国葬」にすることにしたり、わがニッポンがゴタゴタしている間にもウクライナでは先行きまったく定かならぬ紛争、毎日々々兵士や市民が命を落としていて・・・でも、ウクライナのニュースに何やら馴れっこにされてしまったりして・・・と、うっとうしいことが続くこの夏であることよなあ・・・

それに我が身も少々うっとうしいよなあ、わが持病のゼンソク、むし暑い夏は危険地帯、最近はタン(痰)がからんで咳が続くと突如激しい発作が始まって、あわてて気管支拡張剤を吸引しても・・・苦しい、息がつまる・・・何とかしてよ神さまあ・・・お医者さんに聞いてみましたら、「痰は危険ですよ、痰が気道に生えている繊毛にからむと気道が狭くなって・・・」

まだ死にたくはありませんのでお医者さんから痰を抑えるお薬をもらって飲んではいるのですが、安心はできませぬ・・・

でも、まだ死にたくはないなどと己のことばかり考えているようではなあ・・・と少々反省、昨日の午後、ちょっと気になって、しばらく音沙汰がないGGIより若干年上の知人に久しぶりにご機嫌伺いの電話をしてみました

お~い、久しぶりやなあ、元気かあ!?
・・・元気やない・・・あかん・・・いま入院中・・・
えっ、入院中!どうしたんや?心臓か?
(この知人、最近はときおり心房細動かなにかの発作を起こし数年に一度、電気ショックで心臓の調子を整えてもらっております)

いや・・・実は4月の半ばに背中、脊椎を骨折した、圧迫骨折らしい、はじめは手術しなくても治りそうという話やったけど、どうやらやはり手術したほうが・・・ということになって・・・それでいま県立総合病院に入って手術を待っているところや、手術の予定は8月半ば・・・
背中、痛いのか?歩けるのか?
杖つかって、ひとに支えてもらったらなんとか・・・手術で治るとええのやけど・・・

なぐさめようがありませぬ、見舞に行って少しでも元気づけたいところなのですが、あいにくコロナ再流行のせいで見舞も当面不可とのこと・・・面会可となったら知らせてくれと言って電話をきりましたが・・・手術がうまくいくといいのですが・・・

電話を切ったあと、ああ、人生、やっぱりいろいろ、みなさん、たいへんなんやと思いながら、ぼんやりとわがガーデンを眺めておりましたら、我が夏草君たちの元気いっぱいの姿が目にはいりました

今日の写真は何のへんてつもないわがガーデンの雑草クンたちを撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になってくださいませ

ついでに、写真だけでは失礼ですので、暑中見舞い代わりに「われは草なり」という高見順の手になる詩を添えておきます

われは草なり   高見順

われは草なり
伸びんとす
伸びられるとき
伸びんとす
伸びられぬ日は
伸びぬなり
伸びられる日は
伸びるなり

われは草なり
緑なり
全身すべて
緑なり
毎年かわらず
緑なり
緑の己に
あきぬなり
われは草なり
緑なり
緑の深きを
願うなり

あゝ 生きる日の
美しき
あゝ 生きる日の
楽しさよ
われは草なり
生きんとす
草の命を
生きんとす

(ポケット詩集Ⅱ:童話屋2001より)

草々をこれだけ賛美した詩はほかにないでありませう
作者の高見順さんにとても感謝です

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

グッドナイト・グッドラック!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイムスリップ:昨日の川柳から半世紀前の俳句へ・・・

2022-07-13 01:21:00 | 日記
やっと参院選がおわり静かになりましたね。このたびの選挙、たいして関心があったわけではないのですが、終盤になって、皆さんもご存知のように安倍元首相が選挙で遊説中に銃で狙撃され命を落とすという思ってもいなかった事件が起きて、関心を持たざるを得なくなりました。

あの日、事件が起きたとき、偶然テレビをつけておりました。事件現場に記者がいたNHKはすぐに現場中継、しばらく画面を眺めておりました。銃撃されてすぐに意識を失ったと報じていましたので、これは助からないなあと思いました。

午後、食いしん坊の知人がやってきて甘ったるいケーキをおいていきました

夕方、やんごとなき用事で某氏を表敬訪問してから、そのあと市内某所にて、同じく表敬本問に参加していた知人とビールを飲みながら話しておりましたら、どこからか「安倍さんが亡くなったって・・・」という声が聞こえてきました。
・・・

知人がスマホで確かめてから言いました

「安倍さん、午後5時義過ぎに亡くなったらしい・・・いろいろわんさと問題があった人物だったけれど、いきなり銃で撃たれて一瞬にして一生を終えてしまうとは・・・さぞかし無念の思いだったでしょう、気の毒な死に方です・・・」
「そやなあ、いきなり命を断たれて、一生を顧みる間もなかったやろうなあ、不幸極まる最後や・・・・」
「確かに・・・ああいう死に方はしたくないですね・・・でもねえ、GGIさん、もうひとりいますよね・・・」
「もうひとりって?」
「無念の思いで亡くなったひとが・・・」
「無念の思いで亡くなったひと?・・・誰のこと?・・・」
「ほら、自殺した人、公文書改ざんを命じられ、挙句の果て、己の身を恥じて自ら命を断った・・・」
「あっ・・・あの、森友スキャンダルで公文書改ざんを命じられた人物・・・近畿財務局の職員、自殺した・・・えっと、何ていう名前やったかなあ・・・」

この知人、なかなか記憶力優秀、すぐに答えました。
「確か赤木さんじゃなかったかなあ、彼の死後、奥さんが安倍さんに真相を明らかにするよう求める手紙を書いていましたね、でもなしのつぶて、安倍さん、まったく無視しました・・・・」

このような会話を交わしたことなんかすっかり忘れて、ここ数日、やんごとなき雑用に追われていたのですが、その間にみなさんもご存知のように事件の真相が少しずつ明らかになっていました

新聞やテレビの報道では安倍氏を銃撃した青年は、安倍氏の政治的行動を云々して襲ったのではない、彼に恨みがあったからだと警察の取り調べにはっきり答えています。母親が長いあいだ新興宗教に膨大なおカネを貢いで、家は破産状態、家庭崩壊に追い込まれた、この宗教団体に安倍氏が深く関係しているので恨みに思って銃撃したと言っているそうです。

この報道を知った上記の知人から電話がありました。GGIは申しました

「方や己を恥じての自死、方や他人から恨みをかっての他死かあ・・・」
「そうです、死の意味は大きく異なります。でも、悲惨な死であることにかわりはありません」
「確かに・・・でも、それなら、安倍氏の死は、どこにでもある怨恨による殺人ということ?」
「そうです、マスコミの大半や岸田君をはじめとした政治家たちの多くは、安倍氏の死を、言論の自由云々、民主主義云々などとと政治的に捕えたがっているようです。確かに現実には政治的意味合いの影響がないというわけではありません、しかしながら、少なくとも法律的に考えるのであれば、怨恨による殺人事件に過ぎません。刑事的には何ら珍しい特異な事件ではありません、言論の自由云々とはまったく次元を異にする、どのような社会においても起きがちな犯罪だからです」
「そやけど、この機会に乗じて治安対策が強化されるそうな気がするけど・・・」
「ご明算です。そうなるかもしれません。なにしろ政治家や役人たちはこのような問題に関しては極めて機を見て敏でありますから・・・・でも政治的暗殺ではなく怨恨によるものであったことは不幸中の幸いかもしれませんね」
「不幸中の幸いって?」
「だってそうでしょう。これはとり越し苦労かもしれませんが、最近はウクライナ紛争を機会に、ただでもこの日本ではこれまでにはなかった何やら荒っぽい雰囲気がただよっていますから、もしこれが政治テロだったりしたら、民主主義の危機だ、何とかしなくてはとさらに荒っぽい雰囲気が充満して・・・」
「そうやなあ、確かに・・・・あり得る話やなあ」

ことの真相まだ定かではありません。ところが、昨日や一昨日あたりからこの宗教団体は「統一教会」であると報じられていることを知って、GGIは思わずタイムスリップしてしまいました。えっ、あのえたいのしれない怪しげな団体、まだ生きて蠢いていたのか!!

1970年代~80年代ごろからだったでしょうか、この宗教団体とその関連団体である政治団体の活動が世間に広く知られるよになり、いわば「一世を風靡」(お騒かせ)していたのを思い出したのです。

この団体、新聞報道などによれば、最近の正式名称は宗教法人「世界平和統一家庭連合」、正式の旧名称は「世界基督教統一神霊協会」(当時の通称は「統一教会」。あるいは70年代以降、俗に「原理」とも呼ばれていたようにGGIは記憶しています。たとえば「あいつは原理や」と言ったように。また統一教会は文鮮明教祖が別に組織したとされる「勝共連合」という反共を標榜する政治団体を擁していました(この団体、安倍元首相の祖父、岸信介氏などが当初後押ししていたともされています。事の真相、GGIはよく知りませぬが、岸氏が大活躍であった時代を考えますとあり得る話でありませう。この団体も名前を変えて生き残っているのではないでせうか・・・

あの得体のしれない団体、しぶとく生き残って今でも活動を行っていたのかあ・・・GGIは心底驚いてしまいました。

と申しますのは、実はかつてGGIの身の回りにも「統一教会」に洗脳されてしまった経験がある人物がいたのです。サッカー好きで食いしん坊の明るい青年でした。地方都市で育ち京都の有名私立大学に入学、あかるい希望に満ちた学生生活を送っていたはずなのに、食いしん坊の彼は食べ物に釣られて学内にはびこっていた「原理」のグループに騙されて入信、湖国のどこか分からぬ山の中に連行されてすっかり洗脳されてしまったのです。けれども、幸い発見が早く、下宿に戻ってきたろころを、待ちかまえていた両親が取り押さえて?とりあえず、当時のわが古き庵につれてきました。

それまでは明るくてのんびりした楽しい青年だったのですがに、髪を短く刈って、わずか数週間のうちに人相がすっかり変ってしまっていて、硬い表情をくずしません。GGIはいわゆる「洗脳」なるもののすごさに目にあたりにして驚いてしまいました。でも、間もなく元の自分を取り戻して、ガールフレンドもできて明るく楽しい学生生活、今では立派な勤め人です。後に彼から聞いた洗脳されていた頃の話はなかなかオモシロくて笑ってしまうのですが、ここでは本人の名誉のために伏せておくことにしませう。

などなど、前置きが大変長くなりましたが、昨日(7月12日)の朝日新聞の川柳欄になかなか意味深長なる作品が掲載されていましたので紹介しておきます

《 赤木さんも安倍さんも同じ一人 》 (東京都 河本満宣)

また、半世紀ぶりに遭遇してしまった「統一教会」の関連組織である「勝共連合」を題材にした故野坂昭如氏の俳句を思い出しましたので紹介しておきます。1970年代あるいは80年代ごろの作品ではなかったかと思いますが確かではありませぬ

《 炎天下 勝共連合 演説す 》  野坂昭如

当時、勝共連合の活動家が大都会の路上で、ひとり大声を挙げて演説してる姿をときおり目にしたものでした。野坂氏の句は、勝共連合の活動家が、誰も見向きする人がいないなか、炎天下汗だくになってひとり金切声を挙げてファナティックな演説をしている様子を詠ったものです。

「勝共連合」のことを知らない方は、この俳句、いったい何をいいたいのか理解に苦しまれることでありませう。でも、あの時代を記憶している者にとっては、時代の雰囲気を象徴的にたくみにとらえて詠んだなかなかの名句なのです

このたびの事件、はからずも戦後の自民党保守政治家の暗部をさらけ出しました。その意味ではこのたびの安倍氏銃撃は政治的事件であるとも言えるでありませう

今日の写真は本文とは関係ありませぬ。先日、参院選の投票に行ったときに撮った写真です。
クリックしてご覧になるにはおよびませぬ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

グッドナイト・グッドラック!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小人、他人の悪事に乗じて不善をなす・・・あるいはプーチンさんよありがとう・・・

2022-07-03 23:53:53 | 日記
ロシアによるウクライナ侵攻、依然として続いており先行き極めて不透明、このままでは際限なき泥沼、一時停戦してなんとか休戦にこぎつけ解決を図るしか他に方法はありません。したがって、いわゆる国際社会が停戦・休戦に向けて本気になって尽力すべきなのですが、残念ながらそのような動きはいまのところほとんどみられません・・・ロシアには勝てるみこみはない、ウクライナにも同国を支援するNATO諸国にもロシアを押し返せる見込みはなし・・・このままでは双方とも手詰まり・・・そのあいだ毎日、次々に兵士や市民たちの命が失われ・・・・

こうした泥沼状況の中でわが日本政府、ただ米国やNATO諸国の尻馬に乗っているだけ、和平への動きを目指そうという意思は皆無、それどころか我がニッポンではロシアによるウクライナ侵攻という他人の悪事に乗じる動きが大っぴらになりつつあります。ロシアは恐いぞ~、中国も恐いぞう~、北朝鮮も恐いぞ~、台湾もたいへんだぞう、韓国もやっかいだぞう、このままでは我が日本はやられてしまうぞう、まわりは狼だらけだぞう・・・、

恐い相手にやられないようにするには「決断」と「実行」が必要であると岸田首相はただいま全国のあちこちで大規模喧伝の真っ最中。今日の写真は決断と実行のてんこ盛りの様子を、近くにあるコンビニの脇にある自民党広報板に貼られているポスターを撮ったものです。先日の6月24日の日記に掲載した写真とおくらべになってくださいませ・・・

決断と実行の内容は、メディアさんなどによりますと、これまで長きにわたりGDPの1%程度に留めていた防衛費を2%程度にまで倍増すること、「敵基地攻撃能力」なるものを備えること、それにこれまでタブーであった核兵器を米国と日本で共有すること(「ニュークリア・シェアリング」というそうです。何だかお手軽な表現ですね:米国などの核保有国が核兵器を保有していないNATO等の同盟国などに核兵器を配備すること、既に一部の国で実行されているそうです)だとされています)の三つです。

これまでは、戦後この方、わが日本国憲法における平和主義の理念を反映して、わが日本はかつては「戦力なき軍隊」と称されていたことがある自衛隊を保有するものの専守防衛に徹すること、防衛費もあくまでもGDPの1%程度に留め軍事大国を志向しないこと、世界初の原爆被爆国として非核三原則を厳守することなどが、長きにわたり与野党双方において、国是とも言うべき基本的な方針として受け取られてきており、政界においてこれらの方針は事実上定着してきました。実質的な長期独裁政権の与党である自民党も、軍事力をもっともっと増強して世界に冠たる大国になりたいという潜在的願望は有り余るほど有していたものの、これまでは露骨に主張することを控えてきました。

ところがプーチンさんがウクライナに侵攻して以来、局面はあっという間に大激変、防衛予算の倍増、敵基地攻撃能力云々、それに核兵器云々までを、政府・自民党や第二・第三自民党などの諸氏が大っぴらに口にするようになったのです。防衛費の倍増をあからさまに口にするなんて、プーチンさんが戦争を始めるまでは夢の夢だったのですが、今や十分に現実味を帯びています。プーチンさんによる戦争、これは日本の政権にとってはまさに千載一遇のチャンス、まさに天の恵み、思いがけない神風なのです・・・

ですから岸田君をはじめ政権の座を占めている諸氏や自民党のみなさんや第二・第三自民党などの方々にとりましては、プーチンさんは救いの神のごとき存在と言うべきでありませう。まさに救世主であります。プーチンさんにいくらか感謝しても感謝が過ぎることはないのです

日本が世界に冠たる強国になることを願っている政治家をはじめとした方々は、内心以下の如く思っているでありませう

「プーチンさん、あなたがウクライナ侵攻という悪事を働いてくれたおかげで、私どもは経済のほうはまったく冴えず長きにわたり低迷、庶民の生活を苦しめているものの、近い将来、防衛費を倍増させることにより、わが軍事費の多寡は何と米国・中国に次ぐ世界第3位に位置することになるのです。わが日本は、失礼ながら貴国を追い抜いて押しも押されもせぬ世界第3位の軍事大国になるのです。軍事費オリンピックで堂々の銅メダル獲得、これもみなプーチンさん、ひとえにあなたの無謀なる悪事のおかげであります。かようなしだいで、平身低頭、こころから感謝申し上げ奉り候でございます。今後はプーチンさんの方に足を向けて寝るような失礼なことはしない所存でございます」

ここで日本が世界有数の軍事大国になるということがアホなホラ話ではない証拠にストックホルム国際平和研究所が発表している2021年度の軍事費ランキングを以下に示しておきませう(金額の単位は億ドル、1ドル100円で換算すると1兆円)

1位 米国:約8000億ドル(約80兆円)        GDP比:3.48%
2位 中国:約3000億ドル(約30兆円)            :1.74
3位 インド:760億ドル(約7兆6千億円)          :2.66
4位 英国:約680億ドル(約6兆8千億円)          :2.22
5位 ロシア:約650億ドル(約6兆5千億円)        :4.08
6位 フランス:約560億ドル(約5兆6千億円)        :1.95
7位 ドイツ:約560億ドル(約5兆6千億円)         :1.34 
8位 サウジアラビア:約550億ドル(約5兆5千億円)     :6.58
9位 日本:約540億ドル(約5兆4千億円)          :1.07

出典:世界軍事費ランキングとパワー・バランス ~SIPRI軍事費2022年版公表、日本の防衛費の行方は~ | 石附 賢実 | 第一生命経済研究所 (dlri.co.jp)

上記は2021年現在のデータですが、日本の防衛費が政府・与党などの「決断」と「実行」により近い将来、倍増され年間10兆円になったとしますと、日本の軍事費ランキングはごぼう抜きで一挙に浮上、世界第3位となってしまうのです!あの「恐ろしいロシア」を追い抜いてしまい、米国・中国に次ぐ軍事大国になってしまうのです・・・ビバ過ぎるニッポン!というわけです

GGIの祖国でありますところの我が日本、GGIが小学校に上ったころ、御幼少のころは、日本は「鬼畜米英」などを相手に戦った挙句の敗戦国、東京にはまだ焼け野原があちこちに点在、校舎が足りないので授業は二部制で半日だけ、あとの半日は悪ガキの上級生に連れられて焼け野原をあっちこっちほっつき歩く毎日・・・・それが70余年の年月を経て、今やかつての連合国英仏までをも追い越して世界第3位の堂々たる軍事大国になろうとしているとは・・・敗戦を経験した日本人にとってはこのような日が訪れようとは想定外の想定外でありませう

もう改憲なんかしなくても実質的に改憲は進行中(侵攻中?)なのです・・・しかしながら、このような状況、何かが大きく間違っている、何かが大きく狂っているのではないか・・・というのが老いたるGGIの今日この頃の偽らざる心境でございます

明治維新以来の何が何でも「富国強兵」というDNAは不滅なのでありませうか・・・

かようなしだいですから、ほんとうのことを申し上げれば「プーチンさんありがとう」どころの騒ぎではないはずなのですが、ここまで書いてきて、GGIのオツムのネジが外れてしまい、「そうだあ、そういえばプーチンさんではなく、ナントカさんありがとう、という歌詞の歌がかつてあったなあ」と突然思い出してしまいました。

そこでネットさんに助けてもらいましたら、戦前に流行ったとされる「兵隊さんよありがとう」という歌であることがわかりました。歌詞はともかくメロディーはいまでもしっかり記憶しております。別名「皇軍兵士に感謝の歌」。朝日新聞が1938年(昭和13年)に公募し、翌年コロンビアレコードから発売された流行歌とされています。歌詞は以下のとおりです。

「兵隊さんよありがとう」

作詞 橋本善三郎  作曲 佐々木すぐる

肩を並べて兄さんと
今日も学校へ行けるのは
兵隊さんの御蔭です
御国の為に御国の為に戦った
兵隊さんの御蔭です

夕べ楽しい御飯時
家内揃って語るのも
兵隊さんの御蔭です
御国の為に御国の為に傷付いた
兵隊さんの御蔭です

淋しいけれど母様と
今日も円かに眠るのも
兵隊さんの御蔭です
御国の為に御国の為に戦死した
兵隊さんの御蔭です

明日から支那の友達と
仲良く暮らして行けるのも
兵隊さんの御蔭です
御国の為に御国の為に尽くされた
兵隊さんの御蔭です

兵隊さんよありがとう
兵隊さんよありがとう

この歌詞、いかがでしたか? 日本全土が米軍による無差別空爆にさらされる以前に作られた歌です。最後の最後に、ものすごいと申しますか、おもわず絶句してしまいそうな歌詞が・・・

この歌をお聴きになりたい方は
兵隊さんよありがとう 松原操・飯田ふさ江 - YouTube
などをご覧になってくださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする