UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

「地上に太陽を!」って?(その二):核融合の話のまえに、日本が誇るロケット技術について・・・

2018-06-30 01:13:50 | 日記
昨日の日記に、「核融合エネルギー連合講演会」開催記念のプレイベント、「未来を拓く日本の科学技術と地上の太陽」と題された市民公開講演会のことを記しました

この講演会では3人の専門家とされる人物が話をされたのですが、最初の講演は核融合についてではなく日本のロケット技術についての話でした。講演者は日本のロケット技術において中心的な役割を果たしている三菱重工の宇宙事業本部長氏でありました。

三菱重工はいま、現在の日本の中心的ロケットであり打ち上げの成功率が高いことを誇るH2型ロケットの後継機であるH3型ロケットを開発中であり、2020年には一号機を打ち上げる予定のようです。より信頼性が高い打ち上げコストの安いロケットを造って、衛星打ち上げビジネスで大きな成果を上げることが狙いとのことでありました

GGIはロケットのことなんかミーハー程度の知識しかないのですが、打ち上げの瞬間の映像やエンジンの燃焼試験の様子を撮った映像など、なかなか迫力があり、ただただ日本の技術の高さに感服いたしました。ロケットは最終的に秒速9キロメートルというとんでもないスピードに達するのだそうであります

講演のあと、若干の質疑の時間がありました。二、三、ややマニアックな質問はあったのですが、少々退屈、そこでロケット開発に携わっている技術者に直接質問できる機会なんかめったにありませんので、GGIは以前からとても気になっていることを礼儀正しく質問してみることにいたしました。

「あの~ですねえ、私はロケットのことなんか何にも知らないも同然ですので、様々な映像を見させていただいて、あらためて日本のロケット技術はすごいなあと感心したのですが、ひとつだけどうしてもお聞きしたいことがあるのですが・・・」

「それはですねえ・・・、ご存知だと思いますが数年前に《イプシロン》というロケットの打ち上げに成功していますね。H2型よりは小型のJAXAとIHIエアロスペースが打ち上げた固体燃料のロケットです。イプシロンの打ち上げに成功したとき、韓国のマスコミや中国の政府筋が、イプシロンがミサイルに適した大きさであり、またミサイル発射に適した固形燃料が用いられていることから、イプシロンはミサイルである、あるいはミサイルにすぐ転用できると警戒感を露わにしていたことを私は覚えているのですが、どうなのでせう、ロケットの技術とミサイルの技術は極めて近接した技術ではないかと私は思うのですが、この点について、いかがお考えでせうか?」

「確かに・・・元をただせばミサイル技術からロケット技術が発達を遂げたと言えますから、その意味ではロケットの技術とミサイルの技術は近接したものであると言うことができるでありませう・・・」

意外にまともな答でありました。二次大戦中にドイツ軍がイギリス本土に打ちんだV2ロケットが世界最初のミサイルと言うことができますから、その意味では妥当な答です

「わかりました、そうであるならば、当然ながらロケットのミサイルへの転用という問題が存在しているのではないかと思うのですが、この点については、どのようにお考えでせうか・・・」

「え~・・・私どもが作りますロケットには、ミサイルに転用できないようにする仕組みを施しております」

この答は初耳でありました。ほんとうでありませうか?そのような仕掛けが果たしてほんとに存在しており、実際に用いられているのでありませうか。疑い深いGGIはにわかにこの説明を信じることができませぬ。この説明の真偽のほどは、GGIにはこれ以上何とも確かめようがありませぬ。それに、そのような仕掛けがあるとしても、その仕掛けを外してしまえば簡単に・・・

礼儀正しきGGIは、あるいは優柔不断なるGGIは、これ以上突っ込んで質問しても、若干あるいはかなりややこしい話になり、正直な答えが得るのは簡単ではなさそうに思われましたので、大変重要な問題であるのですが、これ以上の質問は遠慮してしまいました・・・

「それに、ミサイルの場合は大気圏への再突入の技術が必要です。目標地点に到達するまで、ミサイルの本体も弾頭も、猛烈なスピードでの落下の衝撃などに耐えるものでなければなりません。私どもはそのような大気圏への再突入の技術は持っておりません・・・・」

う~ん・・・果たしてそうかなあな・・・そうかもしれないけれど、あの優秀なる小惑星探査機「はやぶさ2号」はいずれに大気圏に再突入して地上で回収されることになっているだから、大気圏再突入の基礎的な技術ぐらいあるのじゃないかなあ・・・

いずれにしましてもロケット技術というものは諸刃の剣、ロケット技術とミサイル技術は髪一重・・・その気になればミサイルへの道はそう遠くはない・・・というのがGGIの偽らざる感想です・・・

今日の写真はH3型ロケットの完成予想図です。よろしければクリックしてご覧くださいませ。

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

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「地上の太陽」って?(その一)・・・

2018-06-29 02:04:02 | 日記
一昨日の夕方、湖畔にある県の文化施設「ピアザ淡海」で以下のような講演会がありました

「第12回核融合エネルギー連合講演会 開催記念 市民講演会~未来を拓く日本の科学技術と地上の太陽」

日本の核融合に関する様々な研究機関による「連合講演会」が湖国で開催されることが予定されており、そのプレ・イベントとして開かれた市民向けの講演会です。講演内容は以下のようなものでした

「気象観測など、今や社会生活になくてはならない人工衛星を打ち上げるロケット。そして、将来の人類のための夢のエネルギー、核融合。日本の科学・技術の最前線について、3人の専門家がわかりやすく解説します」

・ロケット開発の最前線より 渥美正博(三菱重工の宇宙事業本部長)
・地上に太陽を! パート1
 一億度超のプラズマでエネルギーを取り出せ~日本で建設が進む核融合装置JT-60SA(量子科学技術研究開発機構)本田 充
・地上に太陽を! パート2
 シミュレーションで核融合研究を加速する (核融合科学研究所)藤堂 泰

GGIは半月ほど前に京阪電鉄石坂線の駅でこの講演会のポスターを見かけました。はじめは科学関係の市民啓発のために講演会かと思い、たいして興味を引かなかったのですが、GGIが気にかかったのは「人類の夢のエネルギー」、「地上に太陽を!」というポスターのフレーズです。

核融合で「地上に太陽を!」とは何のことだろう、ひょっとしたら「核融合発電」のことではないかと思ったのです。う~ん、核分裂反応を利用した「原発」による発電ではなく、今度は核融合反応を利用して発電する技術を開発しようということであろうか、GGIが寝とぼけてノーテンキの日々を過ごしているあいだに世の中どんどん変わっていくんだぁ・・・

などと若干気になってしまいましたので、GGIはこの講演会を聴きにいきました。参加者は300人~400人収容のホールに百人少々・・・GGIは先週の末、6月23日に、湖国が誇る「びわこホール」に「山下洋輔スペシャル・ビッグバンド・コンサート2018」を聴きにいきましたが、そのときの観客数は1200人ぐらいでしたので、そのおよそ十分の一の聴衆です。

人数も少ないし騒がしい!ジャズコンサートではありませんから、講演の途中拍手で会場が盛り上がるということはありませんでした。しかしがら、講演内容、とりわけ核融合の研究開発の話なんかGGIが大してわかるはずはないのでありますが、GGIには大変刺激的であったと申しますか、刺激的過ぎると言ってもよいものでありました。

たとえば、いまや日本列島のあちこちに大学を含む核融合に関する研究施設がわんさか存在しており、多数の科学者や技術者が「核融合」の研究に携わっていることをGGIはほとんど知らずにいましたので、とても驚きでありました。

ちなみにこの講演会を主催しているのは一般社団法人「プラズマ核融合学会」、共催しているのは京都大学エネルギー理工学研究所、後援しているのは京都大学、核融合科学研究所、量子科学技術研究開発機構、核融合エネルギー・フォーラム、核融合科学研究会、未来エネルギー研究協会などです。

いつの間にやら、アホ市民のGGIらが知らない間に、モリ・カケ問題という小汚いスキャンダルに気をとられてい間に、世の中、「地上に太陽を!」へと大激変しているのです

「地上に太陽を」というフレーズを目にして、GGIは「千の太陽よりも明るく」と題されたロベルト・ユンクという人物が著わした本がずいぶん以前に出版されていることを思いだしました。人類初の原爆の開発に携わった科学者たちの姿を描いた本です・・・・

今日の写真はこの講演会のポスターを撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

多分、この日記つづくでありませう

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清涼剤ではなくて風が・・・

2018-06-27 00:34:21 | 日記
昨日はムシムシムシムシ・・・ムシだらけの湿度タップリの暑い一日、庵の室内は30℃少々・・・

こうむし暑くてはやってられないなあ、むし暑いうえに近ごろは心がすがすがしくなるような、一服の清涼剤になるようできごとはサッパリないなあ・・・

過日の湖国の知事選、初めから勝敗が決まっている単なる信任投票に過ぎない選挙、白けるしかありませぬが、それにしても投票率がやっとこさ40%という無残な結果、これでは信任もヘチマもありませぬ。このようにして地方では形だけの選挙で民主主義がブスブスと腐臭を放って・・・一方、国会では番長気取りのアベ首相、それにチンピラ気取りのアソー大臣があいかわらず人を喰ったり小馬鹿にしたり・・・こんなことをしていると今にまたヒットラーが現れるぞ、等とどこかで聞いたようなことを言いたくなってしまう今日この頃でありますが、とにかく、いま、今日、とりあえずGGIに必要なのは一服の清涼剤・・・

そこで、何か一服の清涼剤となるようものはないかと庵の中を探してみました。でもどこにも見当たりませぬ、ネットさんで探してみましたら、われこそは「清涼剤なり」と名乗りを挙げている商品がわんさか通信販売されていました。でも、全部インチキ、アルコールやメントール(はっか)や香料の類、そんなもので気分がさわやかになるようであれば苦労はいたしませぬ

清涼剤が見つからないままウロウロしておりましたが、むし暑さは勢いを増すばかり、そこで居間のガラス戸を開け放ち、玄関の戸も大きく開けはなち、ついでに勝手口のドアも開け放ちました。

そうしましたら、清涼剤などというケチなものとくらべものにならない、さわやかな緑の風が待っていたかのように庵の中を吹き抜けていきました・・・・

誰が風を見たでせうか?、

風さん、心配いりませぬ、GGIが確かに目にいたしました

今日の写真はわが庵の中を吹き抜けていく風さんを撮ったものです。クリックしてご覧くださり、清涼剤の代わりとしていただければ幸いでございます。

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

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おフランス製メガネ?のあとは、てるてる坊主縛り首殺連続人事件!・・・

2018-06-26 01:25:01 | 日記
昨日は真夏を思わせる暑い一日でした。暑い日でしたが、午後、GGIは白いズボンにジャケット姿で外出しました。眼医者さんの処方箋に従って作ってもらった眼鏡を受け取りに行くためです。

「メガネの三城」で作ってもらった一万ウン千円もするGGIには高価過ぎる眼鏡です。先週、マックスバリューさんの隣にあるこのメガネ屋さんのお店に買いに行きましたとき、『ヒトは見かけの時代や、とにかく「賢そう」ではなく「賢く」見える、シティボーイにふさわしいメガネにしてくれ!』と厳しく注文をつけました。暑いのにわざわざジャケットを着ていったのは、ジャケット姿のときにどの程度いままでよりも「賢こく」見えるのかを確認するためでありました

いままでよりも大して「賢く」見えなかったならば、約束がちがうじゃないかと返品する決意でお店にいきました

さいわい、できあがったメガネをかけてみましたら、明らかに「賢く」見えるようになったとまでは言えないのですが、まあまあのでき、少なくとも今までよりも「かしこバカ」に見えるようなことはない・・・高望みをせずにいちおう満足ということにいたしました

メガネのケースには麗々しく「PARIS MIKI」と記してあります。オ~!これではまるでおフランス製のメガネじゃないか!と若干おフランスかぶれのGGIは感激、店員さんに聞いてみましたら「昭和45年(1970年)から、ちょうど私が生まれた年から、パリに出店しています。オペラ座の近くです」とのことでありました

GGI、おおむね満足してお店を出て、おとなりのマックスバリューさんのお店に向かいました。そうしましたら、入口近くで元気なオバサン店員さんが床にテルテル坊主君たちをぶちまけてあわてております

人間だけではなく、万物に、テルテル坊主にも優しくあるべきであるとひごろ思っているGGIは言ってやりました

「そんなところに撒いたりして、てるてる坊主がかわいそうやないか!」

「すみません、吊るす準備をしようと思って手がすべってしもうたんです、てるてるチャン、ごめんなぁ・・・」

床に散乱しているテルテル坊主君たちをあとしにしてお店を一周、食料品などを買ってセルフサービスのレジで支払いをすませて帰ろうとしましたら、さきほどのテルテル坊主君たちが目に入りました、でもさきほどの店員さんの姿はありません

テルテル坊主君たち、今度は床には散乱していませんでしたが、棹に縛り付けられています。でもなんだか様子がヘンです・・・

今日の写真は何やらヘンな様子のテルテル坊主君たちを撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になってください、

テルテル坊主というのは、普通は首のところにひもを付け、そのひもの先を棹や軒下に結ぶ付けて吊るすものだと思うのですが、写真をご覧いただくとお分かりになるように、このテルテル坊主君たち、首のところをいきなり棹に直接ししばりつけらております。これではまるで、テルテル坊主連続縛り首殺人事件であります!

この殺人事件の原因はおおむね察しがつきます。一度、ちゃんと普通に吊るしてみたのです。けれども頭の方が重すぎて、てるてる坊主君たち、みんな逆さ吊りにされてしまうという悲惨な結果に終わってしまったのです・・・

アッチャー、これはいかん、なんとかならないかなあ、そうだ、テルテル坊主が逆さまにならにように首のところを直接棹に結びつければいいのだ・・・

という安易な解決策が間違いのもとです。テルテル坊主連続縛り首という残酷極まる事件の原因です。これではちっともてるてる坊主らしくありませぬ・・・

なとと書いておりましたら「てるてる坊主」という童謡、その三番の不吉な歌詞を思いだしてしまいました

てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

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沖縄の少女は風に吹かれながら・・・

2018-06-25 01:17:32 | 日記
昨日、朝から雨が降っていました。あいかわらずの雨、いささかうんざりだなあと思いながら遅すぎるブランチを終えて朝刊を斜め読みしていましたら、テレビがお昼のニュースを伝えていました、

何やら誰かがスピーチをしている声が聞こえてきましたのでテレビの画面に目をやりましたら沖縄県知事の翁長雄志氏が話しています。あっ、そうだ、今日は6月23日、沖縄での地上戦が事実上終わった日、沖縄戦での犠牲者を追悼する「慰霊の日」、追悼式の様子が中継で映し出されているのだと気づきました。

重い病を押しての翁長氏のスピーチは、安倍首相を目の前にして、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を強引に進める政府の姿勢を正面から批判する筋の通った毅然としたものでした。スピーチの途中で何度も拍手がわき起こりました。

現役の首相を目の前にして正面から政府の姿勢を批判する勇気を持っている知事は翁長沖縄県知事をおいて他にないであろうと感じ入りました。しかし、翁長知事の表情はきわめて厳しいものでした・・・・

知事のスピーチが終わると、次に白いセーラー服の少女が、少し足早に演台に姿を現しました。沖縄県浦添市立港川中学校の三年生、相良倫子(さがら・りんこ)さんです。

真剣な表情で参列者のほうに視線を向けてから、息を整えたあと、詩の朗読(暗唱)をはじめました。「生きる」と題された自作の詩です。

しっかりと参列者に視線を向け、一言々々明瞭に、原稿に目を落とすことなく、淀みなく、よく通る声で力強く読み上げていきます。吹く風にセーラー服の襟が大きく揺れます、ときおり強い風に乱れた髪をかきあげながら、懸命に一気に読み上げました。朗読を終えるのに六分半、長い詩でした

式典で暗唱するまでに、推敲に推敲を重ね、何度も何度も懸命に暗唱の練習をしたのでありませう・・・

悲惨な沖縄戦を省みての、生きることを、平和な暮らしを正面から希求した詩でした。朗読がおわると同時に拍手にまじってあちこちから称賛の鋭い指笛が鳴り響きました。

多数の参列者を前にして、自作の詩を懸命に訴えるように朗読する少女の姿は感動的でありました。一陣の清々しい風が会場を通り抜けていきました

どのように感動的であったのか、GGIのいつもの駄弁なんかまったく不要でありませう。GGIの駄弁なんかより、もうご覧になった方も少なくないと思いますが、ネットにすでに掲載されている朗読する少女の姿を撮った映像をどうかご覧になってください。

この詩の出来の良し悪しを云々するといったコソクな話は、この映像をご覧になれば吹き飛んでしまうでありませう・・・

最後に、安倍首相が参列者のほうに視線を向けることなく終始原稿に目を落としながら挨拶、その内容は代読可能なものでありました。安倍首相は果たしてこの少女が自作の詩を懸命に朗読する姿を間近に目にして、何かを感じたでありませうか・・・・

もうこの少女の詩のことをご存知の方も多いことと思いますが、参考のためにこの少女の自作の詩「生きる」の全編を掲載しておきます。毎日新聞デジタル版からの転載です。

沖縄県浦添市立港川中学校 3年 相良倫子

「生きる」
 
私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。
 
私は今、生きている。
 
私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、
照りつける太陽の光。
 
私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。
 
ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。
 
私はこの瞬間を、生きている。
 
この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。
 
たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。
 
七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚の壮絶な戦の記憶。
 
みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。
 
摩文仁の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。
 
私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭わないことを。
 
あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。
 
今を一緒に、生きているのだ。
 
だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
 
私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。
 
大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。
 
これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。
 
摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。

GGIはひょんなことから沖縄普天間基地に若干の土地(「一坪」とされていますが実際にはハンカチ一枚程度の土地)を持っており、また叔父の一人(わがマザーの姉の夫)が満州から沖縄に転戦した末に「戦死」(したことになっているのですが遺骨はありません、遺族には石ころの入った箱が手渡されただけとのこと。もう一人の叔父、マザーの弟は若くしてビルマで戦病死、同じく遺骨はありません)しておりますので、沖縄の基地問題には関心がないわけではないものの、ときおり「一坪反戦地主会」の会費を払うだけでたいしたことは何もしておりませぬ。

テレビでこの少女の姿を眺めていて、GGIは野坂昭如氏がその著作《「終戦日記」を読む》(朝日文庫)の中で引用していた、あの八月六日、広島で命を落とした森脇瑶子さんという少女、当時、広島県立第一高等女学校一年生(今の中学一年生)であった少女の八月五日の日記のことを思い浮かべました。

今日の写真は自作の詩を朗読する相良倫子さんのテレビ映像の借用です。クリックしてご覧になってくださいませ

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