12月27日、お昼前、午後若干の用事がありますのでそろそろ外出の準備をしなければ思っておりましたら、ブランチを食するときにつけっぱなしにしておいたTV、アナウンサーが何か言っております。BS2のお昼前のニュースです
「今日午前、山下法相は・・・」
一言聞いただけでGGIはピンときました。やっぱり・・・
死刑執行のニュースです
「今日午前、山下貴司法相は、1988年に大阪府内で2人を殺害し約1億円を奪ったとして強盗殺人罪などに問われ、死刑が確定していた2人の男に対する死刑を大阪拘置所で執行したと会見で公表しました。死刑が執行されたのは・・・」
今年はみなさんもご存知のように七月にオウム関係者13人が二回に分けて一挙に死刑を執行されました。これまでに類をみない「大量処刑」とも言うべき死刑執行・・・この意味で今年は戦後の歴史に一頁を刻む年に、日本の死刑の歴史において忘れることができない年となりました。
今年はこれで1年間に15人が死刑を執行されたことになります。これは平成20年の執行件数と並ぶ過去最多の執行件数です。平成の最後は平静ならぬ幕切れとなってしまいました・・・
これで安倍内閣は第二次政権下で計36人に死刑を執行したことになります。が、第一次安倍政権下でも10人に対して執行していますので、安倍晋三氏は首相として、なんと計46人にもたいして死刑を執行したことになります。おそらく安倍氏は死刑執行件数に関して歴代首相の中でトップの座についたものと思われます。安倍氏はいろいろ問題の多い人物でありますが、稀に見る死刑執行人としても人々の記憶に留められるべきでありませう・・・・
このたびの死刑執行は十分に予想されたものでありました。南米の著名な作家ガルシア・マルケスの著作に「予告された殺人の記録」という題名の不思議で不可解な小説がありますが、このたびの死刑執行されは「予定された殺人」というべきものです。
去る7月のオウム関係者の大量処刑の後、年内にもう一度執行される可能性が大きいとGGIは考えておりました。これはなにもGGIだけのいいかげんな思いつきなどではありません。死刑問題に多少関心のある方なら、だれでも考え得ることです。
といいますのは、来年は天皇の退・即位の年、政府は全国民的に慶賀すべき年と考えておりますので、来年一年は慶賀に穢れをもたらすような死刑執行を見合わせるものと考えられ、また、再来年はいよいよ栄えあるオリンピックの年であるため少なくともオリンピック終了までは同様に死刑執行を控えるであろうと考えられるからです。さらに、第14回国連犯罪防止刑事司法会議という日本の死刑問題や司法制度とも関連がある国際会議が,4月20日~4月27日に京都で開催されることになっていることも、法務省にとってへ死刑執行を見合さざるをえな重要な要因となるであろうと考えられます。
オリンピックを念頭に置いて法務省が死刑執行を控えるであろうと考えられるのは、政府は世界の流れに抗して死刑制度を維持することに強く執着しているものの、その根拠に十分な自信・確信があるわけではなく、このためオリンピックを目前にして、あるいはオリンピック期間中に死刑を執行した場合のEU諸国をはじめとした海外の反響を恐れているからです
(日本はこれまでもEUの機関から死刑廃止を求めらており、またEUから死刑制度についての視察団が訪れて死刑囚と面会することを求めたものの法務省が強く拒否したというできごともありました。2017年現在、世界の約200の国のなかで141カ国が死刑を法律上あるいは事実上廃止しており、いわゆる先進国で死刑制度が残っているのは米国と日本だけ-米国では3分の1以上の州ですでに廃止されているーに過ぎません。しかも近年、実際に死刑を執行している国はわずか二十数か国に過ぎません)。
このような状況あるいは政治日程を考えますと、年内にもう一度死刑執行しておかないとオウム関係者の処刑後、二年間(2018年8月~2020年8月)、死刑執行に空白期間が生じることになります。二年間も執行がされないとなると、これは近来にないことあり、この二年間の空白が、死刑制度の法律上の廃止はともかく、その前段階としての死刑執行の一時停止を求める動きを生み出しかねない、と法務省は懸念しているのです。この懸念をすこしでも払拭するには何が何でも年内にもう一度の死刑執行を・・・GGIでもこの程度のことは考えつくのでありますから、エリート意識満々の優秀なる法務官僚が考えないはずがありません・・・
(日本弁護士会をはじめ、GGIらを含む死刑に反対している市民たちは、とりあえず死刑執行を一時停止する法的措置を講じることを求めています。また国連総会でも最近は毎年のように、死刑制度を存置している国に対して死刑執行の一時停止を求める決議を採択しています。今年も去る12月4日に決議が採択されいます)
かようなしだいで去る7月のオウム関係者の処刑後、注意していたのですが8月~11月には死刑は執行されませんでした。こうなると残るのは12月だけです。死刑は金曜日に執行されることが多いので、GGIは12月の週末は要注意と思っていました。
ところが十二月も第4週が過ぎても執行はありませんでした。もう残されている金曜日は28日しかありません。でも28日は仕事納め、だとすると前日の27日しか残っていない・・・これだけのことが分っていながら、GGI、若干油断していたと申しますか、テレビのニュースで知ってやはりショッキングでありました。
以前にも何度かあったのですが、これは年末を狙っての「駆け込み処刑」です。役所の仕事収めの前日、これは年末の最たるものであり、もう今年はないだろうと油断しているところを狙っての執行、これは「予定された殺人」以外の何ものでもありません。これは法務官僚の悪知恵・浅知恵以外のなにものでもありません。自らの勝手な都合に合わせて人を殺してしまう・・・何という非情な国家でありませうか・・・
山下法相はこの十月に就任したばかりです。これまで、法務大臣に就任してすぐに死刑執行が命じられることはなく、早くても大臣就任からある程度期間を得てから死刑執行が命じられるのが通例でした。ところがこのたびの執行命令は就任からわずか二カ月たらず、法務大臣としての職にまだ慣れてはいないのではないかと思われる時点での命令です。
また、前法相の上川陽子氏は7月の一回目のオウム関係者7人の処刑前夜(7月5日)、「赤坂自民亭」なる大宴会で安倍首相の横で上機嫌で酒を飲んでおりました・・・だんだん、死刑執行が荒っぽくなってきています。
死刑は前近代的な野蛮な刑罰であり且つ日本国憲法第36条で絶対的に禁止されている「残虐な刑罰」に相当するものであることは明らかです。また、いまや世界の3分の2の国で廃止されるにいたっています。ですから、GGIは死刑に強く反対しています。
このためいつもは死刑が執行された日の午後に、死刑に反対している知人たちを代表しての抗議声明文を書き上げて夕方には首相と法相にファックスで送りマスコミにも知らせているのですが、このたびの日の執行、あいにくやんごとなき用事があり午後外出、帰ってきたのが午後8時半ごろ、このため午後10時頃から抗議文の作成に着手、仕上げて首相と法相、マスコミ諸氏にファックスで送り終わりましたら午前1時を回っていました、まったくやれやれと申しますか、やりきれませぬ・・・・
抗議文作りに手をつけるに、27日の午後9時からのNHKニュースを見ていましたら、どういうわけか先年自殺した評論家の西部邁氏についてのニュースと言えないような話を延々とやっており、そのあとにまるで付け足すように死刑執行のニュースを1分たらず・・・・NHKは何を考えているのでありませうか。これで今年過去最多の15人が死刑を執行されたことを考えるならば、27日の死刑執行は十分にニュースバリューがあったはずなのですが・・・NHKにも法務省に劣らずなかなか浅知恵がある人物がいるのでありませうか・・・・
などなど今日は話がだらだらと長くなってしまいました。お許しくださいませ
今日の写真は冬腫れの空を撮ったものです
以下はある死刑囚の「絶句」です
《冬晴れの天よつかまるものが無い》 尚道(63歳)
(「異空間の俳句たち」:海躍社刊より)
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!
「今日午前、山下法相は・・・」
一言聞いただけでGGIはピンときました。やっぱり・・・
死刑執行のニュースです
「今日午前、山下貴司法相は、1988年に大阪府内で2人を殺害し約1億円を奪ったとして強盗殺人罪などに問われ、死刑が確定していた2人の男に対する死刑を大阪拘置所で執行したと会見で公表しました。死刑が執行されたのは・・・」
今年はみなさんもご存知のように七月にオウム関係者13人が二回に分けて一挙に死刑を執行されました。これまでに類をみない「大量処刑」とも言うべき死刑執行・・・この意味で今年は戦後の歴史に一頁を刻む年に、日本の死刑の歴史において忘れることができない年となりました。
今年はこれで1年間に15人が死刑を執行されたことになります。これは平成20年の執行件数と並ぶ過去最多の執行件数です。平成の最後は平静ならぬ幕切れとなってしまいました・・・
これで安倍内閣は第二次政権下で計36人に死刑を執行したことになります。が、第一次安倍政権下でも10人に対して執行していますので、安倍晋三氏は首相として、なんと計46人にもたいして死刑を執行したことになります。おそらく安倍氏は死刑執行件数に関して歴代首相の中でトップの座についたものと思われます。安倍氏はいろいろ問題の多い人物でありますが、稀に見る死刑執行人としても人々の記憶に留められるべきでありませう・・・・
このたびの死刑執行は十分に予想されたものでありました。南米の著名な作家ガルシア・マルケスの著作に「予告された殺人の記録」という題名の不思議で不可解な小説がありますが、このたびの死刑執行されは「予定された殺人」というべきものです。
去る7月のオウム関係者の大量処刑の後、年内にもう一度執行される可能性が大きいとGGIは考えておりました。これはなにもGGIだけのいいかげんな思いつきなどではありません。死刑問題に多少関心のある方なら、だれでも考え得ることです。
といいますのは、来年は天皇の退・即位の年、政府は全国民的に慶賀すべき年と考えておりますので、来年一年は慶賀に穢れをもたらすような死刑執行を見合わせるものと考えられ、また、再来年はいよいよ栄えあるオリンピックの年であるため少なくともオリンピック終了までは同様に死刑執行を控えるであろうと考えられるからです。さらに、第14回国連犯罪防止刑事司法会議という日本の死刑問題や司法制度とも関連がある国際会議が,4月20日~4月27日に京都で開催されることになっていることも、法務省にとってへ死刑執行を見合さざるをえな重要な要因となるであろうと考えられます。
オリンピックを念頭に置いて法務省が死刑執行を控えるであろうと考えられるのは、政府は世界の流れに抗して死刑制度を維持することに強く執着しているものの、その根拠に十分な自信・確信があるわけではなく、このためオリンピックを目前にして、あるいはオリンピック期間中に死刑を執行した場合のEU諸国をはじめとした海外の反響を恐れているからです
(日本はこれまでもEUの機関から死刑廃止を求めらており、またEUから死刑制度についての視察団が訪れて死刑囚と面会することを求めたものの法務省が強く拒否したというできごともありました。2017年現在、世界の約200の国のなかで141カ国が死刑を法律上あるいは事実上廃止しており、いわゆる先進国で死刑制度が残っているのは米国と日本だけ-米国では3分の1以上の州ですでに廃止されているーに過ぎません。しかも近年、実際に死刑を執行している国はわずか二十数か国に過ぎません)。
このような状況あるいは政治日程を考えますと、年内にもう一度死刑執行しておかないとオウム関係者の処刑後、二年間(2018年8月~2020年8月)、死刑執行に空白期間が生じることになります。二年間も執行がされないとなると、これは近来にないことあり、この二年間の空白が、死刑制度の法律上の廃止はともかく、その前段階としての死刑執行の一時停止を求める動きを生み出しかねない、と法務省は懸念しているのです。この懸念をすこしでも払拭するには何が何でも年内にもう一度の死刑執行を・・・GGIでもこの程度のことは考えつくのでありますから、エリート意識満々の優秀なる法務官僚が考えないはずがありません・・・
(日本弁護士会をはじめ、GGIらを含む死刑に反対している市民たちは、とりあえず死刑執行を一時停止する法的措置を講じることを求めています。また国連総会でも最近は毎年のように、死刑制度を存置している国に対して死刑執行の一時停止を求める決議を採択しています。今年も去る12月4日に決議が採択されいます)
かようなしだいで去る7月のオウム関係者の処刑後、注意していたのですが8月~11月には死刑は執行されませんでした。こうなると残るのは12月だけです。死刑は金曜日に執行されることが多いので、GGIは12月の週末は要注意と思っていました。
ところが十二月も第4週が過ぎても執行はありませんでした。もう残されている金曜日は28日しかありません。でも28日は仕事納め、だとすると前日の27日しか残っていない・・・これだけのことが分っていながら、GGI、若干油断していたと申しますか、テレビのニュースで知ってやはりショッキングでありました。
以前にも何度かあったのですが、これは年末を狙っての「駆け込み処刑」です。役所の仕事収めの前日、これは年末の最たるものであり、もう今年はないだろうと油断しているところを狙っての執行、これは「予定された殺人」以外の何ものでもありません。これは法務官僚の悪知恵・浅知恵以外のなにものでもありません。自らの勝手な都合に合わせて人を殺してしまう・・・何という非情な国家でありませうか・・・
山下法相はこの十月に就任したばかりです。これまで、法務大臣に就任してすぐに死刑執行が命じられることはなく、早くても大臣就任からある程度期間を得てから死刑執行が命じられるのが通例でした。ところがこのたびの執行命令は就任からわずか二カ月たらず、法務大臣としての職にまだ慣れてはいないのではないかと思われる時点での命令です。
また、前法相の上川陽子氏は7月の一回目のオウム関係者7人の処刑前夜(7月5日)、「赤坂自民亭」なる大宴会で安倍首相の横で上機嫌で酒を飲んでおりました・・・だんだん、死刑執行が荒っぽくなってきています。
死刑は前近代的な野蛮な刑罰であり且つ日本国憲法第36条で絶対的に禁止されている「残虐な刑罰」に相当するものであることは明らかです。また、いまや世界の3分の2の国で廃止されるにいたっています。ですから、GGIは死刑に強く反対しています。
このためいつもは死刑が執行された日の午後に、死刑に反対している知人たちを代表しての抗議声明文を書き上げて夕方には首相と法相にファックスで送りマスコミにも知らせているのですが、このたびの日の執行、あいにくやんごとなき用事があり午後外出、帰ってきたのが午後8時半ごろ、このため午後10時頃から抗議文の作成に着手、仕上げて首相と法相、マスコミ諸氏にファックスで送り終わりましたら午前1時を回っていました、まったくやれやれと申しますか、やりきれませぬ・・・・
抗議文作りに手をつけるに、27日の午後9時からのNHKニュースを見ていましたら、どういうわけか先年自殺した評論家の西部邁氏についてのニュースと言えないような話を延々とやっており、そのあとにまるで付け足すように死刑執行のニュースを1分たらず・・・・NHKは何を考えているのでありませうか。これで今年過去最多の15人が死刑を執行されたことを考えるならば、27日の死刑執行は十分にニュースバリューがあったはずなのですが・・・NHKにも法務省に劣らずなかなか浅知恵がある人物がいるのでありませうか・・・・
などなど今日は話がだらだらと長くなってしまいました。お許しくださいませ
今日の写真は冬腫れの空を撮ったものです
以下はある死刑囚の「絶句」です
《冬晴れの天よつかまるものが無い》 尚道(63歳)
(「異空間の俳句たち」:海躍社刊より)
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!