UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

オバマ氏は軍事より人権、アベ君は人権より軍事・・・

2016-09-08 01:23:49 | 日記

昨日、9月7日の朝日新聞、「米・フィリピン首脳会談中止」という見出しの記事が掲載されており、その左下には、「大型巡視船2隻、日本、比に供与」と題され記事が掲載されていました

今日の写真はこの二つの記事を撮ったものです。読みにくいかと思いますので、お読みになりたい方は拡大してご覧くださいませ

この二つの記事は米国の大統領と日本の首相の、新大統領に就任したばかりのフィリピン大統領への対応を報じたものですが、その内容をくらべてみて、やっぱりわがアベ君、オバマ氏とくらべると、なんとも危うくお粗末であり、寒気がするなあと、GGIはおもわずため息をついてしまいました。

米・フィリピン首脳会談の記事、これは大統領選のときから、当選したら徹底的に麻薬犯罪を撲滅する、逮捕に抵抗したら殺害するなどと過激な発言を繰り返していたドゥテルテ氏の政権が、6月末の就任以来、一千人以上を正式の裁判を経ずに殺害しているとされている問題について、東アジアサミットに出席していたオバマ大統領が、両国の首脳会談で深刻な人権問題であるとして取りあげようとしたところ,ドゥテルテ大統領が不快感を露骨に表明、そのためオバマ氏は中国の南シナ海進出問題についても同盟国として話し合う予定をしていたものの首脳会談を中止するに至ったというニュースです。

このフィリピンでの麻薬犯罪容疑者の殺害容認は米国だけでなく国連の機関でも「非合法な殺人」と批判されており、GGI823日に日記で、この問題に関する人権NGOのフィリピン大統領宛てのオンライン署名に賛同したことなどを記しました。

もう一度読んでもいいよと思われる方は以下のサイトをどうぞ。

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20160823

オバマ氏は首脳会談で麻薬犯罪容疑者の大量殺害を人権問題として取りあげようとしたことは当然であると言ってよいでありませう。米国の人権外交が、ときにダブルスタンダードなどと対立国から非難されたりすることもあるのですが、このたびは友好国・同盟国に対しても人権問題について意見を表明しよとしたという意味では、オバマ氏の態度は公正なものであったと言えるでしょう。

この首脳会談中止は、オバマ氏が、中国の南シナ海進出に対して最も地理的に近い一番の当事国であるフィリピンを軍事的に支援することよりも、人権問題を優先したことを意味していると言えます。おそらくオバマ氏は、政治家として人権問題は何よりも重要であると考えているのでありませう。

一方、同じく東アジアサミットに出席していたアベ首相は、米国とは異なり、訪問中のラオスで86日、ドゥテルテ・フィリピン大統領と会談しています。この新聞記事によりますと、南シナ海問題に関連して、日本はすでに2013年度に全長40メートルの巡視船10隻の供与を決定し、実施に移されつつありますが、アベ君はさらに大型巡視船2隻(全長90メートル)を供与(165億円の円借款供与)することを約束、また海上自衛隊の練習機TC90最大5機を有償で貸与することも約束したとされています。

政府はこれらの巡視船や航空機は海難救助や違法漁業の取締りにも使用されるので「武器輸出」には当たらないとしていますが、これは形式論に過ぎず実施的にはフィリピンが中国に対抗するための軍事援助であると考えられます。

また自衛隊は今春、ヘリ空母をフィリピンの軍港にわざわざ寄港させるということも行っています。これらの援助や行為は、すでに日本が南シナ海問題に事実上軍事的に関与していることを意味しており、このためこれらの援助や行為は集団的自衛権の行使を実質的に先取りするものはないかと、というのがGGIの考えです。

いすれにしましても、アベ君はフィリピンとの会談で軍事的援助については話し合ったものの、オバマ大統領が触れようとしたフィリピンの人権問題にはまったく触れなかったのではないかと思われます。

オバマ大統領とアベ首相、何という違いでありませう。オバマ氏は、人権問題で話し合うことができないのであれば軍事支援問題で話し合うことができなくてもやもなし、かたやアベ君、隣国であり日本とも関係が深い国であるものの、人権問題などどうでもよろしい、軍事的問題で話し合えれば十分というわけです、

このようなアベ君の人権問題への無関心は、彼の政治家の資質としても、日本の国際的信用という点においても、大きな問題であるとGGIは思います。

しかしながら、まことに残念ながら、朝日新聞はせっかく米・フィリピン首脳会談中止の記事と日本・フィリピンの首脳会談の記事を並べて掲載しておきながら、このようなアベ君の振る舞いにおける問題点について一言も言及しておりませぬ。朝日さん、しっかりしてよと言いたくなります。

826日の、相模原の障害者施設での大量殺害事件についての日記でも書きましたが、オバマ氏は人種差別や性的少数者などの差別問題について極めて敏感であり、事件が起こるたびに事件現場を訪れ、《少数者に対する憎悪は米国の良心への裏切りであり、少数者への差別と暴力に終止符を打たねばならない」などと、差別に反対する意思を明確に表明しています。(826日の日記は以下のサイトに載せてあります)

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20160826

一方、アベ君は少数者差別に由来したいわゆる憎悪犯罪への関心が低いと言うか、この種の人権問題に冷淡であるように感じられます。相模原事件に際してもアベ君は、事件現場を訪れることもなく、ただ「再発防止、安全確保に全力を尽くす」と単なる凶悪犯罪に対する見解を述べるに留まっており、差別問題や憎悪犯罪そのものに対する自らの姿勢についてはまったく触れていません。

 アベ君の政治家としての最大で最も深刻な欠点は、いつまでたってもひとりよがりお坊ちゃまであるということではなく、おそらく人権感覚がきわめて希薄なこと、人権問題に無関心かつ冷淡であることではないかなどといったら、独断と偏見に過ぎるでありませうか・・・・

グッドナイト・グッドラック! 

コメント
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