一昨日、気温が上がり春らしい一日となりました。そこで知人たち数人と連れ立って花見に出かけました、というのはウソ。目的は花見ではなかったのですが、でも結果的に結構な花見をしてしまいました。
今日の写真は湖畔の桜を撮ったものです。暖かい春の日差しに恵まれて桜さんが綺麗に咲いております。よろしければクリックしてご覧くださり、しばし花見をなさっていただければ幸いでございます。
湖畔の桜と申しましたが、かつてはわが庵の庭先でもあった琵琶湖の畔のことではありません。「鳳凰湖」という名の湖の畔です。
鳳凰湖?そんな名前の湖なんかこれまで聞いたことがない、口から出まかせじゃないのかと思われる方もおられるかもしれませぬ、でもウソなんかではありませぬ。このような結構な名の湖が日本に実在しているのです。ただし、この湖は人工の湖・・・
この湖はどこにあるでせう?日本の某所にあるのですがおわかりでせうか?
実は、鳳凰湖は京都は宇治の山奥にあるのです、と説明しますとカンのよい方はそうか、とお気づきになるかもしれません
そうなのです。宇治といえば平等院、平等院といえば鳳凰堂!この湖、宇治は平等院、その鳳凰堂から意外に近くに存在しているのです。平等院から2キロほどの山奥にあるのです。わずか2キロ少々なのですが、まったくの山の中、そこに「天ケ瀬ダム」なるものが存在しているのですが、このダム建設によりダムの上流に出現したのが、この人口湖、鳳凰湖なのです。
実は、GGIら御一行様の所期の目的はこの天ケ瀬ダムを見物することでありました。先日、ろくにあいさつもせず、何の前触れもなく、突然この世を去ってしまった人物、若き頃、天ケ瀬ダム建設の大工事で国のお役人として現場を監督する大任を背負っていたことがあるとのことでありましたので、現地を訪れて故人を偲ぶことにしたのです。
ウィキペディアさんによりますと、天ケ瀬ダムは着工が1955年、竣工が1964年という大工事でありました。戦後の復興期から高度成長の時期に向かうころのことです。淀川水系(瀬田川・宇治川・淀川)のなかで淀川本川(と支流ではなく本流を業界ではこのように言うようです)に設けられている唯一のダムであり、洪水調節や利水(工業用水、上水道など)、水力発電を目的とした多目的ダムとのことです。このダムサイトの足もとに今は使用されていない旧い発電所と現在も稼動している発電所が存在しています。
天ケ瀬ダムの建設方式は「ドーム型アーチ式コンクリートダム」と称されるものであり、この方式は技術的には難易度が高いのですが、コンクリートの使用量が少なくて済むという長所があり経済性に優れているため、その後黒部ダムなど日本有数のダムにこの技術が応用されたとされています。
かようなわけで、とっくの昔に建設工事が終わってしまっているダムだと思っていたのですが、現地を訪れてみますとそうではありませんでした。ダムサイトの近辺には盛んに工事用の車が出入りしており、ヘルメット姿の作業員の皆さんが忙しく立ち働いています。ダムサイト近くの岸壁などで何か大工事が進行中なのです・・・
これはどういうことかなあと腑に堕ちませんでしたので、帰宅してからウィキペディアさんのお世話になりましたら、以下のような説明が記されていました。
《1989年(平成元年)より、洪水調節機能の強化と新規利水を目指し国内最大級の放水路トンネルを建設する「天ヶ瀬ダム再開発計画」が進められていたが、反対運動や水需要の減少等により2003年(平成15年)に計画の見直しが図られた。2005年(平成17年)の淀川水系流域委員会による答申でも計画中止が妥当とされ、国土交通省は事業を継続する意向を示しているものの、実質的に事業は頓挫している状態となっていたが、平成25年6月に本体工事が開始された。》
国によるダム事業、民主党政権時代の「コンクリートから人へ」のスローガンで分かりますように、いっときは勢いを失っていたようなのですが、この説明によりますと「密かに」息を吹きかえしているようです。「密かに」と書きましたのは、「天ケ瀬ダム再開発計画」なる計画が進められていることなんか、メディアも注目しておらず、近隣の市民のほとんどは知らないのではないかと思われるからです。
どうやら、「国によるダム事業は不滅である」ということのようであります・・・
湖国でも、湖都の郊外を流れる大戸川という川にダムを建設することがずいぶん以前から国により計画されていました。この計画、琵琶湖の環境問題に熱心であると自称していたかつての女性知事が難色を示し、経費の何がしかの負担を強いられることになる下流に位置する京都府や大阪府が反対したこともあって「凍結」ということになったのです。ところが、この女性知事が退任してから数年後の2016年2月には、国交省は計画凍結の解除を意図して「関係住民から御意見を聴く」とする公聴会のようなものを開催しています。
GGIは知人に誘われてこの公聴会なるものを見物したことがあります。そのときのことは2016年2月28日の日記に書いておりますので、読んでもいいよと思われる奇特な方はご覧になってくださいませ。
この公聴会、建設予定地近辺の住民による建設熱烈支持の意見陳述のオンパレードというまったくの出来レース、まことに見事なインチキ公聴会でありました。この見事な出来レースを目撃して、GGIは「ダム事業は不滅です」という国の熱意を実感せざるを得ませんでした・・・
国破れても山河があるさ、山河があればダムだってあるさ・・・
今日も麗しき桜花の話からずいぶん脱線してヘンな話になってしまいました。どうかお許しください。
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・
グッドナイト・グッドラック!
今日の写真は湖畔の桜を撮ったものです。暖かい春の日差しに恵まれて桜さんが綺麗に咲いております。よろしければクリックしてご覧くださり、しばし花見をなさっていただければ幸いでございます。
湖畔の桜と申しましたが、かつてはわが庵の庭先でもあった琵琶湖の畔のことではありません。「鳳凰湖」という名の湖の畔です。
鳳凰湖?そんな名前の湖なんかこれまで聞いたことがない、口から出まかせじゃないのかと思われる方もおられるかもしれませぬ、でもウソなんかではありませぬ。このような結構な名の湖が日本に実在しているのです。ただし、この湖は人工の湖・・・
この湖はどこにあるでせう?日本の某所にあるのですがおわかりでせうか?
実は、鳳凰湖は京都は宇治の山奥にあるのです、と説明しますとカンのよい方はそうか、とお気づきになるかもしれません
そうなのです。宇治といえば平等院、平等院といえば鳳凰堂!この湖、宇治は平等院、その鳳凰堂から意外に近くに存在しているのです。平等院から2キロほどの山奥にあるのです。わずか2キロ少々なのですが、まったくの山の中、そこに「天ケ瀬ダム」なるものが存在しているのですが、このダム建設によりダムの上流に出現したのが、この人口湖、鳳凰湖なのです。
実は、GGIら御一行様の所期の目的はこの天ケ瀬ダムを見物することでありました。先日、ろくにあいさつもせず、何の前触れもなく、突然この世を去ってしまった人物、若き頃、天ケ瀬ダム建設の大工事で国のお役人として現場を監督する大任を背負っていたことがあるとのことでありましたので、現地を訪れて故人を偲ぶことにしたのです。
ウィキペディアさんによりますと、天ケ瀬ダムは着工が1955年、竣工が1964年という大工事でありました。戦後の復興期から高度成長の時期に向かうころのことです。淀川水系(瀬田川・宇治川・淀川)のなかで淀川本川(と支流ではなく本流を業界ではこのように言うようです)に設けられている唯一のダムであり、洪水調節や利水(工業用水、上水道など)、水力発電を目的とした多目的ダムとのことです。このダムサイトの足もとに今は使用されていない旧い発電所と現在も稼動している発電所が存在しています。
天ケ瀬ダムの建設方式は「ドーム型アーチ式コンクリートダム」と称されるものであり、この方式は技術的には難易度が高いのですが、コンクリートの使用量が少なくて済むという長所があり経済性に優れているため、その後黒部ダムなど日本有数のダムにこの技術が応用されたとされています。
かようなわけで、とっくの昔に建設工事が終わってしまっているダムだと思っていたのですが、現地を訪れてみますとそうではありませんでした。ダムサイトの近辺には盛んに工事用の車が出入りしており、ヘルメット姿の作業員の皆さんが忙しく立ち働いています。ダムサイト近くの岸壁などで何か大工事が進行中なのです・・・
これはどういうことかなあと腑に堕ちませんでしたので、帰宅してからウィキペディアさんのお世話になりましたら、以下のような説明が記されていました。
《1989年(平成元年)より、洪水調節機能の強化と新規利水を目指し国内最大級の放水路トンネルを建設する「天ヶ瀬ダム再開発計画」が進められていたが、反対運動や水需要の減少等により2003年(平成15年)に計画の見直しが図られた。2005年(平成17年)の淀川水系流域委員会による答申でも計画中止が妥当とされ、国土交通省は事業を継続する意向を示しているものの、実質的に事業は頓挫している状態となっていたが、平成25年6月に本体工事が開始された。》
国によるダム事業、民主党政権時代の「コンクリートから人へ」のスローガンで分かりますように、いっときは勢いを失っていたようなのですが、この説明によりますと「密かに」息を吹きかえしているようです。「密かに」と書きましたのは、「天ケ瀬ダム再開発計画」なる計画が進められていることなんか、メディアも注目しておらず、近隣の市民のほとんどは知らないのではないかと思われるからです。
どうやら、「国によるダム事業は不滅である」ということのようであります・・・
湖国でも、湖都の郊外を流れる大戸川という川にダムを建設することがずいぶん以前から国により計画されていました。この計画、琵琶湖の環境問題に熱心であると自称していたかつての女性知事が難色を示し、経費の何がしかの負担を強いられることになる下流に位置する京都府や大阪府が反対したこともあって「凍結」ということになったのです。ところが、この女性知事が退任してから数年後の2016年2月には、国交省は計画凍結の解除を意図して「関係住民から御意見を聴く」とする公聴会のようなものを開催しています。
GGIは知人に誘われてこの公聴会なるものを見物したことがあります。そのときのことは2016年2月28日の日記に書いておりますので、読んでもいいよと思われる奇特な方はご覧になってくださいませ。
この公聴会、建設予定地近辺の住民による建設熱烈支持の意見陳述のオンパレードというまったくの出来レース、まことに見事なインチキ公聴会でありました。この見事な出来レースを目撃して、GGIは「ダム事業は不滅です」という国の熱意を実感せざるを得ませんでした・・・
国破れても山河があるさ、山河があればダムだってあるさ・・・
今日も麗しき桜花の話からずいぶん脱線してヘンな話になってしまいました。どうかお許しください。
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・
グッドナイト・グッドラック!