UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

老骨奥の細道・ふろく:東北から遠く離れて・・・

2014-09-30 00:53:07 | 日記

これまで何度も福島県の原発事故被災地のことを書きましたが、地理的関係が分かりにくかったのではないかと思いますので、参考のため被災地の地図を示して、いったいどこを走り回ったのか、簡単な説明を加えておきます

 今夜の写真は9月23日の朝日新聞に掲載されていた地図を撮ったものです、お手数ですがクリックしてご覧くださいませ

 GGIらは三陸海岸を後にして相馬市(地図で4と示されている南相馬市の北側)から福島県に入りました、まず、相馬市を経て、南相馬市(4)の北西部の端っこあたりから飯館村(地図の9番)に入ろうとしましたが通行止め、そのためいったんあきらめて、南相馬市を南東部に向けて浪江町(地図の5番)を目指して一路南下、浪江町にはいってまもなく検問所であえなく止められてしまい、しかたがないのでUターン、今度は南相馬市を北西部にむけて戻り、飯館村(9)の南東部からこの村に入り、闇に沈む村の中の走り回り、自主パトロールのおばさんたちにアドバイスされて飯館村をあとにして、西へ、福島市へと向かい、帰途についたのでありました

(福島第一原発があるのは浪江町の南端が接している双葉町10と大熊町11です)

 この地図をあらためて眺めてみますと、GGIらは、およそ半日(昼過ぎから午後9時前ごろまで)に過ぎませんでしたが、放射能汚染地帯を結構走り回ったことになります

 芭蕉さんは奥の細道を、およそ600里(約2400キロ)を歩いたそうであります、GGIの老骨奥の細道は往復およそ2000キロぐらいでありませうか、芭蕉さんと異なり、名ドライバー2名付きの自動車という文明の利器を用いての旅ではありましたが、なんだかすっかり疲れてしまいました

 東北から遠く離れて、無事湖都に帰ってきたものの、なかなか疲れが抜けませぬ、それで某日、某氏に「なんだか体がだるくてなかなか疲れが抜けんのや」とぼやきましたら、某氏曰く

 「あのなあ、芭蕉さんは歩いての旅とはいえ、およそ150日かけて旅したのや、GGIはわずか4泊5日の旅やないか、しかも車中泊が2回、自分の年を考えろよ、齢七十数歳に達して、あとは人生の急激なる下り坂だけという身やのに、そんな旅して疲れんはずがないやろう」

 「そうは言ってもなあ、この疲れ、妙に尾を引くという感じなんや・・・」

 二人の会話を聞いていた某青年が口を挟みました

 GGIさん、その疲れ、単に車中泊2回という強行軍のせいではありませんよ、その疲れ、きっと放射能のせいですよ、GGIさんの話聞いていたら、結構どころかたっぷり福島で放射線を浴びているはずですよ」

 「そんなおおげさなこと言うなよ、ほんの半日ばかり浴びただけやないか」

 GGIさんも知っているでしょう、広島に原爆が投下された後、疲れて疲れてたまらない《ぶらぶら病》と言われる症状を示す人々がいたのを、きっとGGIさんもぶらぶら病ですよ」

 「確かにオレは毎日ぶらぶらはしているけど、いいかげんなこというなよ、あのなあ、君はこれまでにCTの検査受けたことがあるか?」

 「少し前だけどありますよ」

 「あのCT検査なあ、一回受けるだけでかなりの放射線を浴びるのを君は知らんやろ、あの《がん放置療法》など、現在のガンの治療法を批判した一連の本を書かはった近藤誠先生が言うてはる、CTの検査一回で7ミリシーベルトぐらい浴びる、そのうえ、多くの場合、造影剤を入れてもう一回CTの撮影をやるから、合計2回、15ミリシーベルト近く浴びることになると近藤先生や言うてはるのや、CTでは短時間にこんな多量の放射線を浴びるのや、分ったか!それに比べればオレが福島で浴びた放射線なんかたかがしれてる」

 「まあ、GGIさんのおっしゃることも確かに一理はあります、高齢になればなるほど放射線に対する感受性も低くなる、これも確かなようです、でもですねぇ、聞くところによりますと、根性ワルの高齢者の場合は例外、その場合はときとして低レベルであっても、放射線の影響が現れることがあるらしいですよ」

 「おい、君はオレが根性ワルの高齢者だと思っているのか!」

 これ以上この青年と会話を続けますと、話は混線原野に入ってしまいそうでありましたので、まことに不本意でありますが、会話を突然打ち切り、青年に言ってやりました

 「おい、その《中南海》とかいうヘンなタバコ、オレにも1本くれ」

「いいですよ、これ漢方が入っているので健康にいいそうですよ」

 グッドナイト・グッドラック!

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老骨奥の細道:暗闇ではじめて出会ったのは自主パトロールのおばさんたち

2014-09-29 01:05:14 | 日記

放射線計で測定したのち、さらに暗闇のなかを走り続けました、しばらく走りますと、ほのかに明かりがもれている建物が入りました

 建物の前に広がる駐車場に車が一台停まっています、どうやら村役場ではないとかと思わました、でも確かではありません、車をとめてここでも放射線量を測ってみました、

 結果は0.85マイクロシーベルト/時間、さきほどの地点はよりは低い値でしたが、それでも年間に換算しますと8ミリシーベル弱、ですから異常に高い値であることに変わりはありません

 ひょっとしたら、この建物の周りを除染したから、先ほどの地点よりも低いのかもしれないとも思ったのですが、これも定かではありませぬ、

 車に戻って、ふたたび走り続けますと、またしても通行止めになっている場所に遭遇しました、おそらくここから先は、一番汚染度が高い「帰還困難区域」に指定されているのでありませう

 しかたなくUターン、もと来た道を戻っていったのでありますが、だんだんどちらへ向かったらいいのか分からなくなりはじめました、これは弱ったなあと思いつつ走り続けますと、やがて彼方に、道路際の明るく照らし出されている場所に軽トラックが一台停まっているのが目に入りました、運転台に人影が見え、屋根には青いランプが回転しております

 暗闇を走り続けて、初めて車に、人に遭遇したのでありました、スピードを落として近づいてみますと、バンパーの上方に「自主パトロール」と書かれたゼッケンが付けられています

 これはまことにラッキー、地獄に仏というほどではありませんが、暗闇に救いのカミであります、道を教えてもらおうと車を停めました

 軽トラックの運転台には農家のオバサンと思われる女性が二人鎮座しておりました、村が無人と化してしまったため、物取りや空き巣を防ぐために近隣に避難した村の人々が自主的にパトロールしているのでありませう

 道をたずねますと、不審がるようすもなく快く教えてくれました

 「でも、あなたたち、このあたりで挙動不審かなんかで警察に捕まったりしたら大変よ、ここの警察、取り調べが荒っぽいので有名、だからできるだけ早く村の外に出たほうがいいわよ」

 という意味のことをおばさんたちは素朴な東北弁で言っておりました。

 かようなしだいで、おばさんたちの言葉をありがたく頂戴しまして、飯館村を後に幹線道路に出て、東北自動車を経て帰途につくべく、一路福島市を目指したのでありました・・・・

 長々ととりとめのない気まぐれ奥の細道周遊記を記ました、しかしながら、津波の被災地を目にして、そしてちょっぴり福島原発事故の被災地を目にして、何か具体的な成果のようなものがあったとか、何か為になったとかいうわけではありませぬ、ただ、見ないよりは見たほうがマシであろうと言う程度の話であります

 老骨奥の細道を周遊して、強いて感想めいたことを申しあげるとしますと、ただただ、大変だなあ、先行きはまだまだ不透明だなあ、ということであります

 今夜の写真は闇に沈んだ飯館村で唯一遭遇しました明かりが灯っていた建物です、村役場ではないかと思うのですが、確かではありませぬ、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!

 

 

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老骨奥の細道:闇の中で放射線計の数値がどんどん上がっていく・・・

2014-09-28 00:54:59 | 日記

南相馬市を経て南側から飯館村に入ったのは午後8時少し前のことでした

 日がすっかり暮れ、飯館村は闇に包まれていました、どこもかしこも真っ暗です、ところどころに頼りなげに小さな街灯が灯っているだけであり、あたりの様子はよくわかりません、人影もまったくありません

 飯館村への道には通行止めの看板もなく、また浪江町への道のように警察官が見張っているわけでもなく、フリーパスでありました

 とりあえず、確実に飯館村に入ったと思われる地点で車を停め、放射線量を測ってみることにしました

 あたりは真っ暗でありますので、車のヘッドライトで照らしてもらいながら、測定を始めました

 線量計のスイッチを入れますと、デジタル表示の数値が徐々に上がりはじめました、0.1(マイクロシーベルト/時間)、0.2、0.3・・・数値は落ち着くことなく、じわじわと上がり続けます、0.4、0.5.0.6・・・・

 今までGGIが経験したことのない値へと、数値は上がり続けました、福島原発の事故後、GGIは関電の原発がある福井県若狭一帯に隣接している湖国の北の町で、何度もその町で暮らす知人たちといっしょに放射線の測定を行ったことがあります、この町の防災部局の職員といっしょに、小学校や中学校のグランドや校舎の近辺などで測定しました。また町内のあちこちの小学校で行われた放射線学習の時間に、授業を参観させてもらったときに子どもたちといっしょに測ったこともありました、でも、こんな高い値を目にすることは初めてであります

 花崗岩地帯は他の場所に比べて若干線量が高いとされており、また樋の下、雨水がたまって泥状になっているような場所では線量が少し高くなる傾向がありますので、GGIも0.3マイクロシーベルト程度までは経験しているのですが、このようなレベルを軽く突破して数値が上がっていくのです

 0.7、0.8、0.9・・・・

 おいおい、ここらへんはやっぱり高いぞ、ヤバイ!もう1マイクロシーベルトを超えた!まだ数値は上がっていくぞ・・・

 今夜の写真は飯館村の暗闇の中で測った放射線の数値を撮ったものです、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 線量計の数値はその後も上がりつづけ、写真でも分かりますように、1.38マイクロシーベルト/時間に達したところで落ち着きました、年間の線量に換算しますと12.4ミリシーベルトです、自然界の放射線量の10倍以上の値です!

 飯館村は村のほとんどの部分が「居住制限区域」に指定されていますので(村の南部の一部は「帰還困難区域」)、線量が高いものであることは予想していたのではありますが・・・

 GGIは高齢者であり、鈍感でもありますので、この数値を目にして怖ろしいとは感じませんでした、しかしながら、「やっぱりなあ」と放射能汚染というものを初めて実感したのでありました

 いまごろになって、そんなこと実感したからって、どうだと言うんだ、という声が聞こえてきそうでありますが・・・まあ、GGIは何も大げさなことを言うつもりは毛頭ありませぬ・・・しかしながら、これは容易なことじゃないなあ、と、この先、放射能に汚染されてひっそりと闇の中に横たわっている、無人地帯と化したこの村は果たしてどうなるのだろうと、なにやら暗い気持ちになったのは確かでありました

 「居住制限区域」というのは、ネットや新聞記事などをカンニングしましたところ「福島原発が冷温停止状態に達したとされた後、それまで警戒区域や避難指示区域とされていた区域を見直して新たに設定された区域であり、年鑑線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、引き続き避難の継続を求める地域」であるとされており、また「除染を計画的に実施して、基盤施設を復旧し、地域社会の再建を目指す」区域であるとされています(帰還困難区域は、放射線の年間が50ミリシーベルトを超えており、5年経っても20ミリ以下にはならないおそれのある地域であるとされています)

 ですから、GGIらが測定を行った地点よりももっと高い線量を示す箇所が村内にいくらでもあるのではないかと思われます

 人影はまったくありません、村で暮らしていた人々は、みんなどこか他の場所へ避難しているのでありませう、このあと村のあちこちを走ったのですが、寂しげにぽつんと点いている街灯以外には明かりを目にすることはありませんでした、道の両側の家々は深い闇に沈んでいました、出会う車もありませんでした、ただ闇の中を走るしかありませんでした・・・・

 このようにして、GGIらは、はじめて福島原発事故により汚染された現地の様子にほんのちょっぴり直に触れたのでありました

 グッドナイト・グッドラック

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老骨奥の細道:明かりの見えない街を通り抜けて・・・

2014-09-27 00:29:42 | 日記

検問所でUターン、浪江町を出て北上、南相馬市を経て飯館村に向かうことにしたのは午後6時半ごろ、夕やみが迫っておりました

 検問所から少し戻ってきたところのに浪江町への脇道がありましたが、やはりバリゲートが置かれており、通行止めになっていました、ここで車から降りて放射線量を測ったところ、0.23マイクロシーベルト/時間、意外に低い値でした

 このあたり居住制限区域か避難指示解除準備区域になっているのではないかと思われましたので、この数値はちょっぴり意外でありました、このため、GGIは、やはり検問所からこっち側は線量が低く安全なんだ、などと勝手に思い込んだのであります・・・

 ところが車に戻ってそのまま北上していきますと、どうも、何か様子がおかしいのです、道の両側に広がる街並みがへんに暗いのです、夕やみが迫っており、もう家々に明かりが灯りはじめてもよい時刻になっているはずなのですが、道の両側には建物は結構あるものの、明かりがまったく見当たりません

 このあたりがどのような区域に指定されているかはGGIらには定かでありませんでしたが、人々は放射線の被ばくを恐れて、家を離れてしたったのではないかと思われました、道路には車が行き来していても、両側は無人地帯・・・

 検問所でUターンしてから半時間ほど走り続けますと、少しずつ町の明かりが目につくようになりました、おそらく何の区域にも指定されていない南相馬市のなかほどに到達したのでありせう

(南相馬市の南部、原発から20キロ以内の地域は避難指示解除準備区域、西側の浪江町と接する部分の一部は居住制限地域と帰還困難区域に指定されています)

 そのまま、さらに南相馬市を北北西に約1時間すすみました、どうやら飯館村の南部に到達してもようでありました、今度は通行止めにはなっていません・・・・

 今夜の写真は検問所からUターンして20分ほど走った地点の道路際の光景です、午後7時少し前です、建物が連なっているのですが、明かりがまったく見当たりません、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!

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老骨奥の細道:後ろからパトカーがやってくる、と思っていたら突如デッドエンド・・・

2014-09-26 01:14:44 | 日記

飯館村へ通じる道の入り口に通行止めの看板、しかたがないので南相馬市を南へ南へと下り浪江町に向かいました

 車の走りは順調、まわりに緑が広がりときおり街並みが目に入ります、数十分走りますと、浪江町に入ったのかなあと思われる頃から、道の両側に、放置されているのではないかと思われる建物がときおり見受けられるようになりました、三陸海岸の町では、放置されていたのは津波で破壊された建物でありましたが、浪江町で目にした建物は、破壊されているわけではなく、徐々に廃屋になりつつあるのではないかと感じられる建物でした

 いよいよ事故を起こした原発がある双葉町、大熊町の隣の町までやってきた、もう少しだなあと思って、ふと後ろを振り返りますと、後続のダンプカーの後ろにパトカーが一台、姿がちらつかせています、赤いランプを回しております

 おい、オレたち、パトカーに追いかけられているのか
そんなはず、ないやろ、法律遵守で運転しているぞ
ドライバーの人相が悪いからとちがうか?
何を言うか、オレは紳士、紳士中の紳士や

 などと冗談を言いあいながらさらに進んでいきますと、道の両側の警察官がゴロゴロたむろしている光景が突然目に入りました、彼方には道いっぱいにバリゲートが設けられています

 アッチャー!検問所であります・・・・

 警察官が「止まれ」と記した旗を目の前にかざし強引にとめられてしまい、「こっち、こっち」と道端の広場のようなところに強引に誘導されてしまいました、まことに残念無念!まだ福島原発へは、まだ優に10キロ以上はありそうです

 若い警察官、いちおう言葉はていねいであります

「どちらへ行かれるのですか」

福島原発へというわけにもいかなさそうな雰囲気でありましたので

「え~、ムニャムニャ、福島原発の南側の方、富岡町のほうへ・・・」

「ここからは国が管理している区域です、許可証がなければこれ以上先には進めません」

検問所から向こうはどうやら帰還困難区域のようでありました、でも「国が管理している」とは初耳でありました、ほんまかいな・・・

「関西から来たんや、そこをなんとか・・・」

「なんとかもへちまもありません、無理です、もっと南へ行かれるなら、少々遠回りになりますが、道をお教えします、え~、ここでUターンして、しばらく行くと・・え~ボク、この土地の者でないので、このへんの道に詳しくないのですが、え~、とにかくまっすぐ戻って・・・え~・・・」

 しかたがありませぬ、泣く子には勝てても官憲にはそうもいきませぬ

 かようなしだいで、事故を起こした原発の姿はまったく目にすることができず、

まことに残念ですが所期の目的を果たすことはできませんでした、遠くから目にしたからどうってことはないのでしょうけれど、残念は残念であります

 しやあないなあ・・・もう日が暮れるぞ・・・それなら、南の方からもう一度、飯館村にチャレンジすることにするか

 だけど、警察、車のナンバー、たぶん控えているやろなあ・・

平気々々、借り物の車やから!

 というわけで、行きは良い良いでなかったため、浪江町を後にして再び南相馬市を入って北上、南側から飯館村へ入るのを試みることにしました

 今夜の写真は浪江町を入ったところ思われる場所に設けられていた検問所の光景です、この彼方に福島第一原発があるはずです、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!

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