「暴力装置」という言葉があります。これは具体的には軍隊や警察を意味しています。GGIの記憶は定かでないのですが、民主党政権時代、仙谷由人氏が官房長官を務めていたときでしょうか、『自衛隊という暴力装置』云々と発言したことがありました（あるいは「軍隊」と言ったのかもしれません）、そのとき、彼は自民党諸氏から、そんな過激派か左翼みたいな用語なんか使ってけしからんと罵倒されました。
でもこのような非難は自民党のセンセイ方がいかにモノを知らないと申しまか、常識不足であるかを暴露していると言えませう。「暴力装置」というのは過激派や左翼の用語なんかでありません。政治学は社会学などで普通に用いられる用語だからです
ここでウィキペディアさんの助けを借りますと、
《暴力装置とは、組織化され、制度化された暴力の様態を意味する社会学の用語。通常、軍隊や警察の持つ実力に言及する際に用いられる・・・現状において、国際政治における戦争も各国内における犯罪も根絶されていない以上、個々の市民から暴力を没収して一元管理することは、国家の安定した成立のために不可欠であり、そのために、国家には法に基づいた実力行使を許された機関と構成員が必要である。これが「暴力装置」である・・・「暴力装置」という言葉は、政治学や社会学において国家の物理的強制機能を指す用語だが、あくまで法学・政治学上の用語であり、一般的には「軍隊」及び「警察」（もしくは「治安機関/治安組織」）と呼び、より専門的な用語としては「法執行機関」と呼ぶ。》
（ただし、ウィキペディアさん、記載内容には若干問題ありとしていますのでご注意！）
ここでいう「実力」というのは、もちろん暴力のことです。
わが自衛隊は実戦経験がありませんので、本質的には暴力装置ではあるものの、幸か不幸か「実力」を行使したことはありませぬ、ですから、まあ準暴力装置、あるいは潜在的暴力装置であるといえるでありませう、。ところが警察はそうではありませぬ、とりわけ警察の機動隊は暴力装置の典型であり、これまでもあちこちで「実力」を発揮しております
新安保法制成立の夜、警視庁機動隊は国会前の道路、その車道を完全に封鎖、押しかけた市民を歩道から車道にはみ出すのを断固阻止して、その「実力」を示しました
この日本で一番優秀で経験豊かな「暴力装置」であるところの警視庁機動隊が一昨日、辺野古に派遣され、基地反対運動に対して「実力」を発揮したということが昨日５日の沖縄の新聞などで報道されていました、
テレビは４日の夜、簡単に報じていたようですが、わが天下の大朝日は辺野古で何かの遺跡が見つかったとは報じていましたが、警視庁機動隊のことはどうやら報道していなかったようです、まことにリッパな高級紙であります
警視庁機動隊の派遣は政府の命令によるものでありませう、沖縄県警の機動隊は対応が甘い、沖縄の警察なんかには任せておくわけにはいかない、と政府による直接介入を実行したものとGGIは考えております
これは国民の目からしますと、とりわけ沖縄の人々からしますと、日本政府による沖縄への「派兵」に等しいと言ってよいのではないかと思います。何が何でも辺野古に基地を建設する、必要によっては「実力」で建設するというのが「日米同盟命」のアベ君の方針でありますから、彼からすれば沖縄で実力行使するのは当然の帰結なのでありませう、政府は先日、辺野古の周辺地区の自治会に直接おカネというアメをばら撒いたばかりですが、今度は「実力」というムチでいこうというのです
警察は軍隊ではありませんが、沖縄の普天間基地内に若干の土地を所有しておりますGGIとしましては、どうみてもこれは本質的に「派兵」と何ら変わるところがないと考えざるを得ません、遠く首都東京から政府の命令により最強の「実力」部隊が勝手にやってきて人々に「実力」を行使するのです、これが「派兵」でなくて何でありませうか
沖縄の人々にとっては首都から大挙してやってきた警視庁機動隊は、まさに「外人部隊」であります
しかし、「派兵」で何がもたらされるでありませうか・・・・
むかし、高橋治という作家が日本のシベリア出兵を題材にした大作を著しておりますが、その題名は「派兵]、サブタイトルは「土足の正義」でありました
派兵＝土足の正義、まことに明解な定義です、
アベ君よ、心しなさい、たとえ君が「実力」で辺野古に基地を建設することができたとしても、そこにもたらされるのは「土足の正義」に過ぎないのです、集団的自衛権の行使によりもたらされるものも「土足の正義」に他ならないのです
今日の写真は１１月５日付けの琉球新報（デジタル版）に掲載されていた写真を借用したものです、クリックしてとくとご覧くださいませ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151105-00000003-ryu-oki
グッドナイト・グッドラック！
