これまで何度が書きましたが、GGIは知人らと協力して、10月31日の午後に安田好弘弁護士の活動を追ったドキュメンタリー映画「死刑弁護人」の上映会を行いました、上映後に湖国の冤罪事件であり、日弁連も支援している「日野町事件」の支援関係者にも話をしてもらいました
参加者は遅刻組も含めてやっとこさ40名というところ、なんとか最少催行人数をクリアしたのですが、入場料を500円にしましたのでこの映画のDVDの借り賃にも達せず赤字・・・
これはまったくの想定内でありましたのでたいしたことではないのですが、問題はマスコミのみなさん、各社の湖国支局や知り合いの記者のみなさんなどに配給元が用意してくれたプレス資料も付して案内しておいたのでありますが、見事に全員、すっぽかしてくださいました、某地方紙の記者が上映会の数日前に電話してきて取材にくるようなことを言っておりましたが姿をみせませんでした
この映画、以前の日記にも書きましたが、冒頭に強烈にマスコミを批判する安田弁護士の映像、それに過熱するメディアスクラムの様子を撮った映像なども含まれていましたので、マスコミ諸氏にはぜひ見て欲しいと強く願っておりましたのでまことに残念でありました
湖国の弁護士会や何人かの弁護士さんにも案内を出しておいたのですが、誰も姿を見せておりませんでした
また、若干の宗教関係者にも案内状を出しておいたのですが、GGIが日頃お世話になっている真宗大谷派のお坊さんがみえただけでありました。
しかしながらご覧になったみなさんにはおおむね好評、死刑に必ずしも反対ではないというGGIの知人も、この映画を見て、裁判が、弁護士の仕事がいかに大変なものであるかはよく分かったと申しておりました
でも悪いことばかりではありませんでした。上映会の準備をしているときに、「和歌山毒カレー事件」の再審請求はこの映画が公開(2012年)された後どうなっているのか、いまどのような段階にあるのか、調べておりましたら、グッドニュースに遭遇したのです
これまた、以前の日記にも書いたことですが、毒カレーに混入されたヒ素と犯人であるとされている林真須美死刑囚の自宅の台所にあったとされるヒ素が果たして同一物であるかが最も重要なポイントなのですが、この問題について6月7日の産経新聞などが以下のように報じていたことを知ったのです
(http://www.sankei.com/west/news/150607/wst1506070019-n1.html)
以下に全文を掲載します
《「ヒ素の由来異なる」毒物カレー再審請求で補充書 安田弁護士「本丸近づいた
平成10年7月に起きた和歌山毒物カレー事件で再審を請求している林真須美死刑囚(53)の弁護団が6日、大阪市で記者会見し、死刑囚の関係先から見つかったヒ素と、現場の紙コップに付着していたヒ素の由来は異なるとする再審請求補充書などを和歌山地裁に提出したと明らかにした。4日に郵送した。
林死刑囚は21年5月に死刑判決が確定、同年7月、和歌山地裁に再審請求した。また、弁護団は今年2月、ヒ素の再鑑定を和歌山地裁に請求した。
京都大の河合潤教授(分析化学)は補充書で、詳細な鑑定の結果、死刑囚の関係先から見つかったヒ素と、現場の紙コップに付着していたヒ素に含まれる重元素の含有比は異なると指摘。重元素は製造過程で混入するものなので、由来が異なり、林死刑囚は入手できなかったとしている。
会見で安田好弘弁護士は再審を開始するために十分な証拠が獲得された。裁判所は再審開始決定をすべきで、本丸に近づいたと考えている」と話した。
確定判決によると、林死刑囚は10年7月、夏祭り会場のカレー鍋にヒ素を混ぜ、カレーを食べた4人を殺害した。》
上の記事にある「重元素」というのは宇宙物理学や物理化学の用語であり、ここでは具体的にどのような元素を指しているのか分かりかねるのですが、荒っぽく申し上げればヒ素剤に含まれている不純物などの微量成分を意味しており、この微量成分の組成がカレーに混入されたヒ素剤と林宅の台所にあったとされるヒ素剤とでは異なっているということをこの記事は意味しています。
安田弁護士の「本丸に近づいた」という言葉がまことに印象的であります。
今日の写真はヒ素(正確には三酸化ヒ素=亜ヒ酸)の試薬です。クリックしたから何かが分かるというものではありませぬが、よろしければクリックしてご覧くさいませ
グッドナイト・グッドラック!