透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「17 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」

2021-07-18 | E 週末には映画を観よう

人生に後悔はつきものなんじゃないかしら・・・

 寅さんシリーズ第17作「寅次郎夕焼け小焼け」を観た。この作品はシリーズの中でも評価が高い。

マドンナは播州龍野(*1)の芸者・ぼたん(大地喜和子)。寅さんとぼたんとの距離感は寅さんとリリー(浅丘ルリ子)のそれに負けず劣らず近い。ふたりとも寅さんと境遇が似ている。それからふたりとも役を演じているというより、役になりきっている。

この作品で印象に残るのは画家・池之内青観(宇野重吉)が龍野で、昔恋仲だった志乃(岡田嘉子)を訪ね、静かに語り合うシーン。

志乃は華道を教えながらひとりで暮らしている。

ふたりが対面している部屋は落ち着いた和室。

「僕はあなたの人生に責任がある」「僕は後悔してるんだ」と青観。

志乃は青観に言う。

「じゃあ、仮にですよ、あなたがもう一つの生き方をなすっとたら、ちっとも後悔しないですんだと言い切れますか?」

「私、このごろよく思うの、人生に後悔はつきものなんじゃないかしら、って。あ~すりゃよかったなあ、という後悔と、もう一つは、どうしてあんなことして(*2)しまったんだろう、という後悔」

志乃は昔の想い出を胸に秘め、想い出を糧に龍野でひっそりとひとりで生きてきたのだろう。

翌朝、青観が乗ったタクシーが志乃の家の前を通りかかる。道に出ていて静かに見送る志乃、それに気がつく青観・・・。後部座席から振り返り志乃を見つめる青観。遠ざかるタクシーにそっと手を振る志乃。名場面だ。

*****

ある日、ぼたんがとらやを訪ねてくる。200万円もの大金をお客に騙し取られていたぼたん。その男が東京にいることが分かって少しでも取り戻そうと、上京してきたのだった。事情を知った寅さん、親身になってぼたんのために奔走。

お金をとり戻すことはできなかった・・・。だが、ぼたんは「私、幸せや」「私、生まれてはじめてや、男のあんな気持ち知ったん」と泣きじゃくる。この場面に涙。

映画のラスト、上野駅まで見送りに来ていたさくらが「ぼたんさんね・・・、好きなんじゃないかしら、お兄ちゃんのこと」と言う。寅さん例によってそれを冗談と断じてしまう・・・。

龍野にぼたんを訪ねた寅さん、驚きのラスト・・・。

人を想う心の大切さがこの作品の、いや、このシリーズに共通するテーマ。


*1 童謡「赤とんぼ」の作者・三木露風の出身地、風情があって良いところ。どの作品も、ザ・ふるさとなところが舞台になっている。
*2 「どうしてあんなこと言って」と聞き取れるが、話しの流れから。

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ポチ袋

2021-07-18 | A あれこれ



■ スタバで朝カフェ読書をする時、支払いにスターバックスのカードを使う。で、毎月「ホットのショート」8回分として2,600円をチャージしている。月8回を超える場合には現金払い、追加のチャージはしない。なぜ? こづかいの支出抑制効果を期待して。

現金払いをする時はピッタリ319円をポチ袋に入れておき、カウンターで袋から出して、小さなトレーに載せる。

昨日(17日)の土曜日、朝カフェ読書をした。土曜日に朝カフェ読書をすることはあまり無い。対応の店員さんは初めてではないような気がしたが、「ホットのショートをマグカップで」と注文した。で、ポチ袋をから現金を出してトレーへ。

店員さんから「ぴったり入っているんですか?」と声をかけられた。「あ、そうです」。

1,2分後、レシートと1円、トレーに載せて私の前に出された。「1円多かったです」ポチ袋に1円玉を5個入れていたようだ、4個なのに・・・。

このことが印象に残って、この店員さん、次回は「 ホットのショート、マグカップでしたね」と対応してくれるかも知れない。